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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
大賢者エルシスVS煌聖の教団編

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691/2217

678.潜在するシスの力、三色併用

※加筆修正を行いました。

 エルシスはあらゆる対応策を用意していたが、ヌーの汚染魔法はその対応範囲の埒外だった。


 予想以上にヌーの汚染魔法である『禍々崩(オミナス・コラップス)』は厄介だったようで、呼吸器官から吸い込んでしまった空気は、エルシスの動きを封じる事に対して最適解であった。


 バルドの『()()』やルビリスの『聖動捕縛セイント・キャプティビティ』とは、比較にならない程の行動妨害の効果成功を果たした。


 ヌーの極大魔法を阻止しようと魔法を展開しようとするが、汚染された空気を吸い込んだ事で、肺に絶する痛みと吐き気がエルシスを襲う。


 今のエルシスは、まともに()()()使()()()()()では無くなった。そしてその事を誰よりも、天才エルシスが理解している。


(駄目だ……! 十秒、いや二十秒は呼吸を整える必要がある!)


 冷静に今の自分を分析するが、どんなに最適な行動をとろうと考えても今この瞬間に出来る事はない。しかしその息を整える時間を敵は与えてくれそうになかった。


 ヌーの手の平から、死を届ける極大魔法の眩い光が見える。


(ソフィ……! 我が友よ。私はキミを……、必ず―――)


 絶望が訪れるその瞬間でさえ、エルシスは決して目を閉じる事無く目を見開く。そして大事な親友の為に、最後まで諦めなかった。


 エルシスは目を閉じなかったおかげで、エルシスとヌーの間に割って入る一人の女性の姿を()()()()()()()()()


「貴方だけは必ず死なせない!!」


()』と『()』の『二色のオーラ』に包まれたその女性は、凛とした声をその周囲に響かせる。そしてその女性は、決死の覚悟で時魔法(タイム・マジック)を発動させるのだった。


 ――神域『時』魔法、『次元防壁ディメンション・アンミナ』。


「な、何だと!?」


 ヌーの『闇の閃日ダーク・アナラービ・フォス』は、その効力が発動された直後に、その()()の『時魔法(タイム・マジック)』によって、次元の彼方へと吹き飛んで行った。


「!!」


 エルシスは自分を守ってくれた女性。九大魔王『ユファ』の姿を驚いた目で見つめる。


 そしてそのエルシスに()()()()()()()()()()()


(か、身体が!? これは……、そうか。キミなんだね?)


 ユファがこの場に現れた事で、エルシスが宿るシスの身体が急に自己主張を始めるかのように、熱くなって行くのを感じたエルシスは一つの結論を出す。


 シスが強引に表に出ようとしているのを察したエルシスは、この場面であっても逆らう事をせずに、前に出ようとする『()()』に身体を譲るのだった。


「クソが、邪魔をしやがってぇっ!!」


 ユファと圧倒的な戦力値差があるヌーは、ユファに向かって攻撃をしようとしたが、そのユファを掴む手が背後から伸びる。


 そして汚染された空気をその身に浴びて、エルシスでさえ苦しんでいたというのに、平然としながら大魔王シスは、ユファを自分の背後に引き寄せた後、攻撃しようとするヌーに向けて、魔瞳『金色の目(ゴールド・アイ)』を発動させる。


 ――次の瞬間。


 シスの目を見たヌーは、身体が動かなくなった。


「なっ……、何だと!?」


「し、シス!?」


 ユファの目に映っているシスはいつもとは違う恐ろしい形相で、ユファを殺そうとしていたヌーから視線を外さず、唸っているような声を漏らしながら恐ろしい程に魔力を上昇させていっている。


 ――()()()()()()()()()()が目覚めたのだった。


 エルシスと過去にソフィが言っていた、シスの中に眠るもう一つの存在。潜在するシスの力。その正体は大魔王ソフィの中に宿るモノと、同一のものである。


 かつてこの力に目覚めたシスと、ソフィは戦った事があった。


 しかしあの頃とは違い、今のシスはエルシスの戦い方もシスの成長も相まって、大魔王自身の力も増している。


()』『()』そして『()()』の体現も果たしているシスである。


 誰よりも近くで『()』と『()』の『二色のオーラ』を纏う、エルシスを視て感じ取っていた大魔王は、初めて自身で宿らせるその力を容易く具現化していく。


 ――まるでその力を、最初から自分で操っていたかの如く完全にトレースしていく。


 エルシスが表に出ていた頃のシスの魔力値は、すでにシスが目覚めた時点で更に上がっていたが、現在はその状態の時と、()()()()と呼べるほどの魔力値と戦力値上昇を果たした大魔王シス。


 ――彼女の周囲を覆っているオーラは()()


 『()』『()』『()』の鮮やかな、三種のオーラを同時に展開する――。


 ――『()()()()』であった。

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