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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
愛娘を探して編

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666/2217

653.戦争の形

※加筆修正を行いました。

 ガウルたちがスベイキア大国でシェイザー王子たちと会っていた頃。ようやく今後の方針を固めたヴァルーザ達。


 ヴァルーザは苦渋の決断をした事で疲れ果てたようで、席を立ちながら大きなため息を吐いた。


「会議での進行お疲れ様でした。ヴァルーザ龍王」


「ああ。ベルモント……。君もだな」


 イルベキア城の会議室を出て二人は再び、会議の延長となるような話し合いを続ける。


 会議で出た結論としては、魔族エイネの言葉を重く受け止めたヴァルーザ龍王は、龍族を束ねる王となる事に意欲的だと示した。


 今後はスベイキアという大国相手に外交上の手続きを行う予定であり、その為にまずは使者を派遣してまずは魔族エイネの存在とエイネがスベイキアに行った行動の全てを明るみにする為、事情を説明するところから始めないといけないだろう。


 問題の焦点となるスベイキア襲撃についてだが、ここで失敗すれば全てが水の泡になる。


 まずは国家転覆を行うつもりで行った行動ではないとスベイキアに対して、誤解を生まぬように立ち回らなければならない。そして上手く話を取り付けた後に、魔族エイネを交えての会話が今後の良し悪しを決める重要な焦点となるであろう。


「それにしても大変な事になりましたね」


「うむ。長い歴史の中でスベイキアが襲撃されるという事はなかった。我々の時代でそれを経験し感じられるとは真に悩ましい事だ」


「魔族『エイネ』次第で我々もまた、色々と覚悟しなくてはならないでしょう」


「ああ、そうだな」


 まさか魔人族との戦争が引き起こされた事によって、今まで明るみにならなかった魔族の恐ろしさを経験するとは思わなかった二人は、今後もし魔族をこの大陸で預かるという事になれば、第二第三の魔族エイネを生み出しかねない。今までと見方を変えて行かねば、龍族の安寧の暮らしはなくなってしまうだろう。


「それにしてもハイウルキアのガウル龍王は、イーサ龍王に呼ばれたというのに、結局はスベイキアに姿を見せませんでしたね」


 何気ないベルモントの言葉にエイネや魔族達の事を考えていた『ヴァルーザ』龍王はその足を止めた。


「ベルモント君。これはいつもの私の心配性からくる確認なのだが、もしスベイキアで起こった出来事を遠くからガウルが見ていたとしたら……。()()()()()()()()()()()?」


「まさか……」


 ヴァルーザのその一言で何が言いたいかを気づいたベルモントは、直ぐに会議室へと戻り仲間の元へ何かを伝えに向かっていった。


「ただの私の杞憂であってくれれば良いのだが……」


 そう言いながらヴァルーザは城の廊下にある窓から『イルベキア』国の周囲の空を眺め始めるのだった。


 ……

 ……

 ……


 イルベキア国王であるヴァルーザが懸念を抱いた通り、すでにイルベキア国境付近まで、ハイウルキア軍が包囲するように集まってきていた。


 今までもイルベキア国境付近の空をハイウルキアの龍達が飛び回り、挑発するような真似をする事はあった。


 しかし今回イルベキア国境付近を守る兵士達は、信じられない物を見るような目でハイウルキア軍の龍兵達を見上げる事となった。何故ならすでに国境付近に迫ってきている規模が、今までとは比較にならない数だったからである。


 ――イルベキアの兵士達が直ぐにこの事を本国に伝えようと龍化をして空へ飛びあがった瞬間であった。


 ハイウルキア軍が跋扈する空とは違う方角から、イルベキア兵に向けて攻撃をされたのであった。


 攻撃を仕掛けた龍族の兵は、ハイウルキア軍の『ブルードラゴン』ではなく、大国スベイキアの軍に所属する龍兵『コープパルス・ドラゴン』であった。


 更にそのスベイキア軍の後方から続々と龍族達が群を成して集まってくる。


 この龍族達はスベイキアのシェイザー王子の号令によって、集められたスベイキアと同盟を結んでいる大陸全ての国の龍族達であった。


「我がスベイキアと同じ道を歩もうとする全ての同盟国の皆よ! 我が父イーサ龍王を亡き者にし、国家転覆を狙う裏切者。ヴァルーザの居る国『イルベキア』を攻撃せよ! 我が国に弓を引いた報いを受けさせるのだ!!」


「「オオオーッ!!」」


 シェイザー王子の声が空中に響き渡ると共に、一斉にイルベキアの国境に居る兵士達に向けて火を吐くのは『スベイキア』と同盟を結んだ龍族達であった。


 イルベキアの領土に次々と入り込んでいく『スベイキア』とその同盟国の軍達。彼らはイルベキアを滅ぼす為に行動を開始したのである。


 この計略を企んだハイウルキアのガウル国王や、メッサーガといった側近達は、スベイキアと同盟国の軍が、一斉にイルベキアの領土を攻撃するのを背後でみながら、歪んだ笑みを浮かべるのであった。


 ……

 ……

 ……

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