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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
マジックアイテム編

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609/2221

596.ミラに従う魔族の思惑

※加筆修正を行いました。

「それじゃあ、ソフィ様の待つ魔王城まで向かうとしよう」


 ステアを含めて凡そ一万体程いる魔族達は、これからソフィ達の居る大陸へと向かう事となる。つまりこれからが護衛としての役目では本番といえるのだった。


 何故なら組織の者達が動くとしたら大勢で移動するこのタイミングが、狙いやすいだろうからである。それに今は魔力を完全に感知出来ていないが、この大陸に来る直前まで、イリーガル達に尾行していた者達が少なからず居た事は間違いない。


 十中八九、中立であった彼らやイリーガル達を狙ってついてきたのだと判断出来る。この場に居る者達は大魔王領域には居るのは間違いがないが、イリーガルから見てそこまで戦力値が高い者は居ない。


 形態変化や戦力値コントロールも出来る者も居るのだろうが、それでも戦力値が700億を越える者は少ないだろう。それに比べて組織の者達には、ハワードやリベイル達のような幹部連中を除いたとしても、戦力値が1000億に近い者達がごまんといる。


 現代の大魔王領域としては、500億を越えれば立派に()()と呼べるが、800~900億近くなると、同じ中位であっても戦闘に多大な支障と差が出てくる。


 数でも質でも『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』が上回る以上は、魔王城までの道のりは、険しいものになるだろうとイリーガルは考えるのだった。


 ……

 ……

 ……


 その頃『本隊』の隊長である『リザート』は、総隊長である『ネイキッド』の命令によって『人間界』のダイス大陸に『本隊』の魔族達を集結させていた。


 アレルバレルの世界を一度は離れた『ソフィ』や『ディアトロス』。そして魔王軍の守りを失った人間界では、既に多くの者達が『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』に操られている。


 アレルバレルの『人間界』に存在するダイス王国などは、王を含めて全てが『ミラ』や『ルビリス』達によって洗脳済みである。


 そんなダイス大陸に人間ではなく、魔族達が数十万と呼べる程の軍勢が集まり始めた。その場にいる魔族達は『分隊』ではなく『本隊』の者達である。


 指揮を執るのは『リザート』だが、これは一時的であった。すぐに『ダール』の世界から総帥である『ミラ』が戻り、この場に合流する手筈だと彼は『ネイキッド』から聞かされていた。


 リザートは遂にソフィ達率いる魔王軍と『|煌聖の教団《こうせいきょうだん』の直接的な戦争が始まるのだと武者震いを起こしていた。


 現在の情勢は数の上では圧倒的に『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』が上である。


 それに加えて魔王軍側はそのほとんどが、先の作戦によってこの世界から多く離脱している。九大魔王の数を限りなく減らせたことは、とても事が優位に運ぶことだろう。


 更にもうすぐ総帥であるミラが計画通りならば『()()()()を手にして戻ってくる事だろう。


()()』に加えて『()()()()』を思いのままに、操る事が出来るとするならば、もうそれは()()()()()()()()。まさに名実共に神となってこの場に戻ってくると言っても差し支えない。


 遂に自分達『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』が『化け物(ソフィ)』に変わって、このアレルバレルの世界を支配出来る時が来たのだ。


 ――この世界に生きる魔族であれば、誰もが一度は夢を見ただろう。


 大魔王ソフィがこの世界の統治者となって、すでに永劫と呼べる程の年月が過ぎた。ソフィがこの世界の王となってから我々魔族は、窮屈な生活を強いられるようになった。


 魔族以外の種族を全て奴隷にすればいいものを『()()()()()()()()()()()()を現代まで残しているのだ。魔族こそが全ての生物の頂点だと、考える魔族は決して少なくはない。


 だからこそソフィ達が現れる前までのアレルバレルの世界では、魔族が他種族を滅ぼしていたのである。そしてそれこそが魔族の本懐だと『リザート』は考えていた。


 今こそ()()()()()()()()の為に『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』は、この戦争に勝利しなければならない。


 その為に『()()()』に勝つ見込みのある()()()煌聖の教団(こうせいきょうだん)』の総帥であるミラに従っているのである。


 目的の為なら手段を択ばず、同胞であった人間でさえその手にかけるのに躊躇はない。リザートの本当の意味での目的とは違うが、それでも思考は魔族のそれに近い。ひとまずは『リザート』達だけではどう足掻いても勝てない化け物を倒してもらう事が今は第一優先である。


 数十万を越える大魔王の軍勢がキッチリと整列している荘厳たる風景を見ながら、リザートは拳を握りしめるのだった。


 そしてリザートは、この場にもうすぐミラがやってくるのであればと、()()()()()をするのであった。

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