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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
闘技場編

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523/2220

511.再開された闘技場

※加筆修正を行いました。

 ソフィ達がレキと会話をした日からちょうど一週間が過ぎた。そして『トウジン』魔国の復興が滞りなく終わり、闘技場施設が再び使えるようになった。


 復興前と同様にランクボス制度が設けられており、ランクボスに挑む前にそのランクで2回参加者同士で、戦い勝利を収めた者のみがランクボスに挑む事が出来るというルールのままである。しかし再開当日である今回に限っては、エキシビションマッチが事前の話し合いによって決められた。


 ☆---------

 ・参加者は『ラルフ』と『リディア』のみ。

 ・上記の参加者のどちらか勝利をした者とランクAのボスである『キーリ』が相手をする。

 ・開催されるのはAランクだが、エキシビションマッチの為に勲章ランクは関係ないものとする。

 ---------


 普段の闘技場ルールにはないエキシビションマッチではあったが、すでに会場は満席となる程の人気ぶりだった。この盛況ぶりで如何に闘技場が『トウジン』魔国の名物だったかが、窺い知れるというものだった。


 闘技場自体が更に大きくなり、選手の控室もランクによってしっかりと分けられるようになり、試合を行う会場も円形の闘技場タイプに作り替えられて、周囲を観客席が取り囲むようになっている。


 これは『ミールガルド』大陸のギルド対抗戦で行われたリングを模倣したものであった。


『トウジン』魔国の施設ではあるが『ヴェルマー』大陸だけではなく『ミールガルド』大陸からも多大な協力を得て闘技場は改装された。


 特に闘技場への参加に必要な勲章ランク等は『冒険者ギルド』に所属している事が条件の為、そう言った意味でも『ケビン王国』や『ルードリヒ王国』の持つ『冒険者ギルド』にも関連性はあるという事で『ミールガルド』大陸の二つの国家も『ラルグ』魔国王であるソフィ王と、同盟関係にある事も踏まえて『ヴェルマー』大陸の発展に惜しみない協力をという名目でこういった改装が、施される事となったのだった。


 魔族の大陸である『ヴェルマー』と、人間の大陸である『ミールガルド』が手を取り合う事などソフィがこの世界へ来る前であれば、とても考えられなかった事であった。


 ――まさに闘技場の存在こそが、両大陸の和平の証とも言える事だろう。


 闘技場設立に大きな貢献を果たした立役者『ラルグ』魔国王ソフィは『トウジン』の使用人に案内されて特別室に居た。


 その特別室は中からはリングの様子や観客席も見渡せるが、外からは特別な結界によって見えない。どうやらこの辺の『結界』等は『レイズ』魔国の協力で設置されたようだった。


 結界の規模はどうやら『最上位魔族』までの攻撃の無効化であるらしく『レイズ』魔国基準では最高基準の『結界』のようであった。


 リディアとラルフの戦いでは、大規模な魔法が飛び交う事も無いかとソフィは何もせず、試合が白熱してこの場所にまで余波がくるようであれば、その時にソフィは手を加えようと考えるのだった。


 現在この特別室には『ラルグ』魔国からは『ソフィ』と『レルバノン』。そして『レイズ』魔国からは『シス』と『ユファ』そして『レイズ』魔国にある冒険者ギルドの副ギルドマスターの『ディネガー』が招集されていた。


 ソフィがシスに視線を送るとシスは、いそいそとソフィの元へ近づいてきて頭を下げてきた。


「この前は取り乱してしまって、本当にすみませんでした」


 シスがそう言うとソフィは優しい表情で頷く。


「お主が真に望まぬ限り、もう『エルシス』は出て来ぬとサイヨウは言っておった。そう言われてもお主が慣れるまでは時間はかかるだろうが、何時でも困った事があれば我やユファを頼るのだぞ? 遠慮などされた方が我やユファは悲しい思いをすると思って欲しい」


「あ、ありがとうございます!」


 シスは嬉しそうに頷いて、その場にいるユファに笑顔を向けるのだった。レルバノンはソフィ達がシスと話し合いを始めた後に『ディネガー』と奥の方へ移動して、ギルドの事を話し始める。どうやらあまり立ち入って聞いては行けないモノなのだろうと、空気を読んだのだった。


 現在『レイズ』魔国の冒険者ギルドマスターは『レルバノン』ではあるが、本格的に『ディネガー』をギルドマスターに据え置こうとレルバノンは考えており、引継ぎの為の作業をしているところである。


 次のギルドマスターは余程の事が無い限り『ディネガー』が就任し、副ギルドマスターに『エルザ』が就く事になるだろう。


 ギルドの仕事に関しては『ディネガー』の手腕は疑う事なく任せられるが、彼はやはり人間である以上は咄嗟に起きる事件などで『魔族』が襲ってきた場合、身を守るには魔族の者を置いておかなくては行けない。


 その点に関しては『エルザ』は自身も『最上位魔族』としての力量を持っており、ラルグ魔国のNo.3である『ラルグ統括軍事司令』という役職をも担っている。


 エルザを襲うという事は『レイズ』魔国の冒険者ギルド全体だけではなく『ラルグ』魔国を敵に回すという事に繋がり、それは『ラルグ』魔国王である『ソフィ王』を相手にするという事になる。


 そんな事になれば不埒な真似を働いた魔族は、この『ヴェルマー』大陸どころか『リラリオ』の世界で生きていく事すら困難な事になる。


 エルザの副ギルドマスター就任は『冒険者ギルド』で、トラブルを未然に防ぐ抑止力として活躍する事だろう。


 ――コンコンという控え目なノックの後に『トウジン』魔国王である『シチョウ』が特別室に姿を見せるのだった。


 ……

 ……

 ……

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