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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
ルードリヒ国王の指名依頼編

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444/2221

433.疾風の隼

※加筆修正を行いました。

「な、何なのコイツ!?」


「俺の魔法が掻き消された!」


「グルルル……!?」(ど、どうして……!?)


 ベイル・タイガーは、ソフィが自分を庇って人間達の攻撃を受けた事に驚く。


「ベイル・タイガーよ。ここに居ればずっとこういった輩を相手にせねばならぬのだ。我を信じて移住をすることは出来ぬか?」


「グ……、グルルル……」(そ、それは……)


「おいガキ! 何でてめぇが魔物を庇ってやがる! そこをどきやがれ!」


「そうよそうよ! 私達は『勲章ランクB』の異名持ちパーティの『疾風の隼』なのよ!」


「我は今こやつと話をしているのだ。少しの間待っておれ」


 ソフィが冒険者達にそう戒めるが、納得のいかない『疾風の隼』の面々は、ソフィの警告を無視して更にベイル・タイガーに攻撃を仕掛けようと弓を構えたり、魔法を放とうとして『詠唱』を始めようとするのだった。


 ――しかし『勲章ランクB』の冒険者パーティ『疾風の隼』は、恐ろしい殺気を感じてその場で動けなくなる。


「貴方達はソフィ様の話を聞いていなかったのですか? それとも聞こえているにも拘らずにそのような態度をとっているのですか?」


「いきがるのは構わないんだけどねぇ? それ相応の覚悟を持っていきがりなさいよぉ?」


 冒険者達に殺気を放ち少しずつ『疾風の隼』に近づくラルフと、魔力回路に魔力を注ぎながら笑みを浮かべて何でもない事のように、彼らを処理をしようとするレアだった。


 元『リラリオ』の支配者と『ミールガルド』大陸最強の殺し屋。その両名は互いの主を攻撃をされた報復を行おうとその一歩目を踏み出す。


「「!!」」


 まさに蛇に睨まれた蛙状態のランクBの冒険者達である『疾風の隼』の面々は、ようやく自分達の置かれている状況を理解するのだった。


「ラルフよ動けるようにしてやれ」


「分かりました……」


 主にそう言われたラルフが言われた通りにすると『疾風の隼』の者達は動けるようになった。そしてそれを確認したと同時に、ソフィは再び彼らに口を開く。


「もう一度だけ言うが我はこやつと話がある。お主達はこのまま何も見なかったことにして、帰ってくれぬか?」


 穏やかな口調でそう告げるソフィに、狼狽する冒険者たちであった。


「返事が聞こえませんが、どうなのです?」


 ラルフが苛立った様子でそう言うと、慌てて口を開き始める。


「わ、分かった! 言う通りにするから殺さないでくれ……!!」


「お、お願いします! 許してください!」


 冒険者達は歯をカチカチならしながら、ソフィ達に許しを乞うのだった。


「グ、グルルルル……」


 ベイル・タイガーも本能でソフィ達が、自分より遥かに強い存在だと気づいたようで、身体を震わせ始めた。


「あなたたち良かったわねぇ? 今すぐにこの場から去れば死なずにすむみたいよぉ?」


 ケタケタと笑いながら『疾風の隼』を嘲笑うレアであった。


「「す、すみませんでしたー!」」


 レアの言葉を聞いた後に勲章ランクBの異名持ちの居るパーティ『疾風の隼』は、謝罪をしながらその場から去っていくのだった。彼らを見送ったあとにリーネはソフィに近づいていく。


「ソフィ。怪我はしなかった?」


「クックック。我があの程度で怪我をするはずがあるまい」


「よかった」


 そう言ってソフィを抱きしめるリーネを見て、ラルフは笑みを浮かべて、レアは口笛を吹くのだった。


 ……

 ……

 ……


「お主達は人間の冒険者達に懸賞金などを掛けられておるのだ。この山に居れば今後もあのような輩に狙われるだろう。我は魔物や魔族たちが住む国の王でな。そこであればお主達の安全を約束しよう」


「グルルル……、グルルルル?」


(他にも仲間がいるのだが……、そいつらもいいだろうか?)


「構わぬ。全員連れて行ってやろう」


 ソフィがそう断言すると、ベイル・タイガーは感謝をするように頭を下げて頷くのだった。


「よし、決まりだな。お主の仲間とやらが居る場所を案内するがよい」


「グルルル! グルル!」


(分かった! ついてきてください!)


 そう言ってベイル・タイガーは、同胞の仲間達が居る場所へとソフィ達を案内するのだった。


 ……

 ……

 ……


「あの小僧『邪』のような存在だが、実のところ『聖』の心を持っておる。やれ珍しや。そそるねぇ……!」


 ソフィ達の居る場所から少し離れた山の頂上で、ずっとこちらの様子を窺っていた『山伏』の恰好をしている人間がぽつりとそう漏らして、持っている金剛杖をシャンシャンと鳴らしながら笑うのであった。

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