表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
煌聖教団誕生編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

392/2244

382.恐ろしいエイネの教育

※加筆修正を行いました。

 短い期間ではあるが『レパート』の世界の魔族である『ユファ』と『レア』は、奇しくもこの『アレルバレル』の世界で過ごしていた。


 しかしその事に両者が気づく事も無いまま、ユファは『レパート』の世界へと先に帰還する事となったのだった。


 そんなことを知らないレアは、今日もバルドの集落で自身の魔力を抑え込む研鑽を積むのだった。


「レアさん! 貴方の魔力に魔力量が追い付いていないから苦しいのです! 『二色の併用』に使う『青』の練度を少し下げながら、一定に魔力をさせて調節してください!」


「ぐ……っ! か、簡単に言ってくれるわねぇ!」


 単純に魔力を押さえつけるだけであれば『金色の目(ゴールド・アイ)』を使う事で、一時的にはおさえられる。しかし自然におさえるようにならなければ、これ以上戦力値や魔力値を上げる為に『青』の練度を高めたところで、いずれは魔力量が足りずにパンクをしてしまう。


 それを看破したエイネはまず、完全にレアに『力のコントロール』を覚えさせようとするのだった。


「練度を下げすぎです!それでは修行になりません! 最低でも『青』を3.0をキープしてください! それでも苦しければ『紅』の練度を1.0までなら下げても構いません。しかし『青』だけは絶対に下げないでください!」


 練度というのは0.1でもあげることが難しいとされるが、会得した後に調節することもまた難しいのである。


 それも『青』と『紅』の同時に『オーラ』を操る『二色の併用』を展開しながらともなれば、その()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 それも膨大な魔力が消費されるために維持するのも大変であり、今レアは嘔吐しそうになっているのを必死に堪えていた。


「レアさん! 貴方遊んでいるのですか!? そんな調子では戦闘になればあっさり負けますよ! 貴方はそんな程度ではないでしょうがぁ!」


 殺し合いの最中に今のレアのように、オーラの調整ですら吐き気を催していれば、まともな戦闘になどならないだろう。だからこそ心を鬼にしてエイネはレアは叱咤するのだった。


「だ、だめよぉ! もう……、持たない!」


 魔力の圧に圧し潰されそうになるレアを見て、頃合いかと判断した『エイネ』は魔力を高める。


 次の瞬間。レアの体に紅い鎖が纏わりつく。


 ――絶技、『武魔殺鎖マジック・キルチェーン』。


 レアの暴発しようとする魔力は鎖によって断ち切られる。そしてエイネの鎖は紅色が黒色に変わったのであった。それはつまりレアの魔力を強引に消し去った証だった。


「はぁっ……、はぁっ……!」


 レアは精根尽きたかの如くその場に倒れて必死に息を整える。


「大丈夫ですか、レアさん?」


 そんなレアを気遣うように声をかけるエイネであった。


「はぁっ……! はぁっ……! な、なんとか……」


 レアはエイネに言葉を返しはするが、目を開けるのも億劫な程の疲れを見せていた。


「本当であればここまで『青』の()()()()()()()()に、ある程度()()()()()()()()()()()()()()()筈なんですが、どうやらレアさんは『金色の目(ゴールド・アイ)』で強引に魔力を支配しながら練度を無理に上げ続けてきたようですね?」


 普通の練度を上げる手順など、誰にも教わってこなかったレアは、そんなことを言われても分からない。


『二色の併用』にしても全て自分ひとりで身につけて、誰にも頼らずに『リラリオ』の世界でたった十年の間に身につけたのだ。


 手順がどうとか言われても困るというのが、彼女の主張である。


「まぁそれでも戦闘で使ってこられたという事実は認めますよレアさん。本当に大したものです」


 そういってニコリと笑いながら倒れているレアに手を差し出す。その手をレアは掴んで自分の身体を起こす。


「フルーフ様の期待を裏切れないからねぇ」


 大きくため息をついて、ようやく息を整えられたレアであった。その言葉を聞いてふふっと笑うエイネ。


「それにしてもあの子。どこまで才能(センス)に溢れているのよぉ」


 レアは横でエイネの言いつけ通りに『()』を纏い続けているリーシャを見る。

 今日の研鑽が始まった最初からレアが練度の調節が終わるまでずっと『紅』を纏い続けている。


 これだけの長い時間。ずっと『紅』を纏うにはどれほどの魔力量が消費されるだろうか。五歳の魔族が保有する魔力量など等に超えている。


(1500万? いや、もしかしたらあの子、もう魔力値が2000万近いわねぇ)


 すでにその数値は『覚醒した魔王』に達した『エリス』階級(クラス)であり、リラリオの世界では『魔』を管理していた一般精霊よりも大幅に上回る魔力値であった。


「いえいえ。まだまだこれからですよ。()()()()()()()()()()には、こんなモノでは()()()()()()()()()()


 そう言って薄く笑うエイネに、信じられないものを見るような目で驚くレアであった。

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ