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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
煌聖教団誕生編

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379.戦闘の基本と基礎

※加筆修正を行いました。

 ――そして次の日。


 エイネは朝にバルドに呼び出されたかと思うと、突然にレアと戦う事を告げられた。


「どうして私がレアさんと戦わないといけないの……?」


 ――まさに青天の霹靂であった。


 エイネにとってレアは、見た目は自分より年下の幼子ではあるが、自分より年上だと知っている。


 それにリーシャの一件で『レア』が心優しい魔族だという事も理解しつつあり、エイネは()()()()()()()()()に抵抗があったのだった。


 そして今エイネの目の前でレアは、自らにオーラを包みながらやる気満々になっていた。


「悪いけどフルーフ様の情報を得るために、貴方を倒させてもらうわよぉ?」


 レアは戦いを望んでいないエイネにそう告げるのだった。


「長老、勝敗ってどうやって決めるのですか?」


 この二人の試合を組む事を提案した長老にエイネはそう尋ねる。


「そうじゃな。相手が負けを認めるか、ワシがこれ以上は無意味だと判断するまでかな」


 エイネはどうするかと悩む。


「安心していいわよぉ? 私があっさりと貴方に参ったって言わせてあげるからぁ」


 その言葉にエイネは苦笑いを浮かべるのだった。


「分かりました。では宜しくお願いします」


 エイネはどうやらこれ以上ごねたところで戦闘は避けられないと判断する。しかしレアが『青』を纏い始めるが、一向にエイネはオーラを纏おうとしない。


(別に私が勝てるなら何でもいいけど、手を抜かれるのは少し腹が立つわねぇ)


「それじゃワシがこの広場で結界を張った瞬間が、開始の合図だと思ってくれ」


 この集落にはあまり魔族は居ないが、それでも()()()()()()()がこの場で行われれば、畑などにも被害が出るために『結界』をはることは当然と言える。


 二人が頷くとそれが合図だったかの如くバルドは結界を展開する。


 その瞬間にレアは無詠唱でエイネに魔法を放った。レアが魔力を込めるだけで、魔法陣が浮かび上がり、レパートの世界の『(ことわり)』の証である刻印が浮かび上がる。


 ――超越魔法、『終焉の炎(エンドオブ・フレイム)』。


 まずは小手調べだとばかりに発動されたレアの魔法は、エイネを対象に炎が覆っていく。


 避けるか相殺をするとばかり思っていたレアだが、炎の中心にいるエイネはまだ何も行動を起こさない。


「どういう事? そのままやられるつも……り……!?」


 しかし次の瞬間。エイネは気合を入れるような声を発したかと思うと、ただそれだけでレアの『終焉の炎(エンドオブ・フレイム)』は消し飛んだ。


「き、気合だけで!?」


「それじゃあ、レアさん行きますよ?」


 レアはエイネの言葉に頷くとそのまま空へと飛ぶ。そのレアを追尾するかの如く『エイネ』もレアを追いかけて空を飛んで迫ってくる。


(は、速い!? 青で全ての能力が向上している私と互角程の速度ねぇ!)


 距離は縮まらないが真っすぐに向かってくるエイネは、とても威圧感を出していた。それを見たレアは空を飛びながら詠唱を始める。


 遅延詠唱で『炎帝の爆炎(エクスプロージョン)】の準備をして、目晦ましで無詠唱魔法の『万物の爆発(ビッグバン)』を発動させる。


 真っすぐにレアに向かって飛んでいたエイネは『万物の爆発(ビッグバン)』の被弾を避けようとレアを追う軌道を変える。


 そこでレアの目が『金色』になり、用意していた詠唱有の『炎帝』が出現する。


「なるほど。これが狙いでしたか」


 すでに強引に軌道を変えた所を狙われたエイネは、回避行動がとれない事を瞬時に理解する。


 レアは自分が仕掛けた戦略に相手がハマった事を確認して、内心で納得するような笑みを浮かべる。


(これでも私が工夫が足りないとでもいうつもりかしらぁ? 私は長きに渡り戦いに身を置いてきたのよぉ!)


『炎帝』から炎球が次々とエイネに放たれていく。


「さぁ、どう出る!?」


 このまま炎帝で足止めできるのならば、レアは極大魔法『凶炎(エビル・フレイム)』を中心に放り込んで一気に畳みかけようとする。


 先程のように気合で弾き返せる程、レアの魔力で体現した『炎帝』は甘くはない。


 確実にダメージを与えられる事を見込んで、レアは更にその先までを考えようとする。しかしどうやらそれは些か勇み足だったのかもしれない。


 普段の優しそうなエイネの印象が邪魔をして『()()()』という領域に居る事を失念していたレアは、目の前で突然起きた出来事に意識が追い付けなかった。


 ――絶技、『当身(とうしん)』。


「え!?」


 エイネに向かって放たれた炎の球は、エイネに当たったかと思うと次の瞬間。全ての炎の球がレアに跳ね返っていく。


「くっ……!」


 レアは自身が生み出した『炎帝』の球を全て回避して慌てながら『炎帝』を消すが、その瞬間に一気に『レア』に対して肉薄してきたエイネに気づくのが遅れた。


 ――絶技、『武魔吸鎖(アブソーブ・チェーン)』。


 回避行動をとるレアの目の前で『紅いオーラ』に包まれた鎖が、突然エイネから放たれたかと思うと、レアの細い右腕に鎖が絡みついた。


「な、何なのよぉこれ!」


 自身の腕に絡みついた鎖に気を取られているレアは、エイネの蹴りをまともに受けてしまう。


「ぐはっ……!」


 レアは集落の空から一気に結界内ぎりぎりまで吹き飛ばされた。


 『青』で防御力まで向上している筈だが、それでもレアは一瞬意識が飛んでしまう程のダメージを負う。


 そしてそこに再びエイネがレアの前に現れたかと思うと、彼女はレアに信じられないことを告げる。


()()してください。レアさん!」


 エイネが攻撃をしてくると思って、必死に防御の姿勢を取っていたレアにそう告げたのである。


「な……っ! ば、馬鹿にするんじゃないわよぉ!」


 絶好の攻撃機会だというのに、レアに降参を促すだけで何もしてこないエイネにレアは苛立ち、その場でエイネに向けて、レアの出せる最大魔法を放とうと魔力を高める。


 ――神域魔法、『凶炎(エビル・フレイム)』。


「え?」


 魔法を発動するために魔力回路に魔力を供給した筈だが、その魔力が即座に失われてしまい、レアは『魔法』の発動が出来なかった。


 何が起きているか分からずレアは呆然としていたが、ふと自分の腕に絡みついている鎖を見ると、

 紅いオーラで包まれていた鎖が今は()()に変わっていた。


 そしてその鎖を通じてレアの潤沢な魔力は、エイネに吸収されているようだった。


「レアさん。貴方はもうこの試合の中で、()()()()()を使うことは出来ませんよ。勝ち目がない以上は降参してください」


 言われている意味は理解できるが、そんな事が実際にあり得る筈がないとレアは首を振る。


 そして次から次に魔法を放とうとするレアだが、その全ての魔法は体現することはなかった。


「な……! ちょ、ちょっと何よこれぇ!」


 ようやく鎖の効力を理解したレアが、慌ててどうにか鎖を外そうとするが、ガッチリと絡みついている鎖は取り外すことが出来なかった。


「早く降参してください。このままだと貴方の魔力が施された貴方の魔法が、そっくりそのまま貴方に向かうことになります」


 どうやらハッタリではないらしく、見慣れたレパートの『(ことわり)』の刻印が刻まれた魔法陣が、この()()()()()()()()()の『エイネ』から放たれようとしていた。


 対するレアは今魔力が枯渇している感覚に襲われている。


 『絶対防御(アブソリ・デファンス)』や『魔法障壁』。さらに言えば『時魔法(タイム・マジック)』に至るまでの全ての防衛手段は遮断されているとみていいだろう。


 ――それならばとレアは『二色の併用』を使おうとする。


 魔法を使う為の魔力回路に魔力を注がなくても、自身の魔力を高めるだけで発動するオーラであればレア自身の魔法さえ耐え得るだろう。


 『青』3.3 『紅』1.2からなる――『二色の併用』。


 ――絶技、『武魔殺鎖マジック・キルチェーン』。


 レアの右手に絡みついている鎖の色が、()()()()()と変わったかと思うと『二色の併用』を使おうとしていたレアの魔力が打ち消されて魔力自体が消失する。


「降参してください。これは最後通告ですよ? 次は貴方の意識を強引に遮断します」


 そう言ったエイネの目が『金色』に光り輝いている。


 これ以上の通告は本当にないのだろう。すでに鎖の色が黒くなった瞬間に、レアの周りを覆っていた『青』すらもが消え失せている。


 もし先程のようなエイネの蹴りを受けるだけで、今度こそレアはとんでもないダメージを負うだろう。


(う、嘘でしょう!? 『青』どころか『紅』すら纏っていない通常の状態の魔族に、こ、この私がこんなにあっさりとやられるというの!?)


 返事のないレアに仕方ないとばかりに、エイネは右手に力を込め始める。どうやら降参をしないレアの意識を切る為の力の調整を始めたようだ。このままだと無抵抗にレアはやられるだろう。


「こ、降参よ……」


 レアの言葉をしっかりと聞いたエイネは、ほっとした表情を浮かべながら口を開く。


「分かりました」


 そして込めていた力をゆっくりと抜いていき、レアの右手から鎖が消えていく。


 こうしてレアとエイネの試合は、エイネの勝利で決着となるのであった――。

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