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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
リラリオの魔王編

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348/2242

339.後継者を育てる魔王レア

※加筆修正を行いました。

 唖然としている『火』の精霊長老バーンの元に、他の精霊長老達が駆け寄ってくる。


「気を抜いている場合じゃないわよ、バーン! 相手の魔力の高さは戦う前から理解していた筈でしょ!」


『水』の精霊長老『リューカ』は呆然自失状態のバーンに発破(はっぱ)をかける。


「そうじゃぞ! あれだけの魔力を維持し続けておるんじゃ。我らが結託すればいずれはあやつも魔力切れを起こすはずじゃ。ここを乗り切れるかが正念場じゃぞ」


『土』の精霊長老『ディガンダ』は明確にやるべき事をバーンに告げる。


「奴が対処したのが『土』属性と『炎』属性という事を顧みると『風』と『水』は対処せずともなんとかなると考えているのかもしれぬな。それならばある意味で好都合だ。リューカよ、少しワシに手を貸せ」


 そして冷静に分析してそう口にするのは、精霊長老の中で一番『魔力』に秀でている『トネール』であった。


 『風』の精霊は精霊の中でも一目置かれる存在であり、その長老であるトネールは他の精霊長老よりも発言力があった。


 そして『風』の精霊はその魔力に見合った()()も多々ある。トネールの言葉を信用してリューカは素直に頷く。


 会議の時とは全く立場が逆の二体だが、ひとたび戦闘となれば『風』のトネールは頼もしく、これまでの戦争でも『風』の精霊長老が主導権(イニシアティブ)をとり続けてきたのである。


 どうやらそのトネールに()()があると見たリューカは、彼を信頼して素直に頷いたというわけである。


 その様子を見ていた精霊王『ヴィヌ』は、()()()()()()()()()()()()を眩しいものを見るような視線で見守り――。


 ――そして、彼はこれまで以上の魔力を開放するのだった。


 精霊王が本気で魔力を開放したことで、精霊長老達は慌てて精霊王を見る。


「良いぞトネールよ、お主の策試してみるがよい」


 案があるならどんどん試せという心強い精霊王の言葉に、トネールは頼もしげに頷くのだった。


 …………


「なるほどねぇ、()()()ヴィヌか。このままでは厳しいかもしれないわねぇ」


 突然彼女にしては弱気な発言が飛び出したために、背後で守られていたエリスは焦りを見せながら声を出し始めるのだった。


「わ、私も戦います!」


 自分が足手まといになっている事を理解しているエリスは、せめて足枷である自分をなんとかしようとそう告げるが、返ってきた言葉は予想だにしない言葉だった。


「何を言っているのよぉ、()()()()()()()()()()()()()()()()()のよぉ?」


 これまでで一番驚いた表情を浮かべながら、エリスはレアの背中を見る。


()()()()()()()()()()()()()()()()()、今回は最後まで私を信じてよく見ておきなさい!」


 そう言うとレアは、後ろ手にエリスの周りに小さな結界を張ったかと思うと、青のオーラが紅のオーラに混ざり始めた。


 ――()()()()()


 練度は『青』3.0 『紅』1.2。


 レアの目は『金色』に変わり『魔王』としてこの世界に君臨する。


 ……

 ……

 ……


 遠く離れた龍族が住む『ターティス』大陸でレアの魔力値を感知した始祖龍キーリは、腰深く玉座に持たれていた体を起こした。


「はははは、今度は精霊共か? ここまでくると元気がいいってだけじゃあすまねぇなぁ。本気でこの世界を()るつもりだな。()()()()?」


 キーリはそう独り言ちると、意識を遠く離れた精霊族の大陸にいるレアへ向けるのだった。


 ……

 ……

 ……


「バーン、ディガンダ。少し時間を稼いでくれ」


 トネールはそう告げると、すでにある程度溜めた魔力を使い『(ことわり)』に込めていく。


「分かった……。あんな化け物を相手に何秒も稼げるかは分からないが、やれることはやってやろう……」


「後のことは託したぞ。トネールよ……!」


 二体の精霊長老はそう言うと、限界まで自身の『魔力』を高め始めるのだった。

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