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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
同胞との別離編

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298/2239

289.取り戻した日常

※加筆修正を行いました。

 レインドリヒの墓前でレアと再会したユファは、レアから決意の程を聞いた後に彼女を連れて主であるソフィの元へ向かっている。


 ラルグの塔はレアの極大魔法である『凶炎(エビル・フレイム)』によって溶けてなくなってしまった為に、新たにラルグ魔国の今後の重要な会議室となる場所を建築中である。


 そしてそんなラルグ魔国王ソフィは、ラルグ魔国の拠点の街の一つ『ゼグンス』に居を移してそこで過ごしている。


 ゼグンスはラルグの塔のある街とは違い、そこまで大きな街ではない。


 だが、現在はソフィ魔国王が住居として選んだ街ということで、ヴェルマー大陸の民たちはこぞってゼグンスに移籍してきていた。


 元々ソフィ王の人気は高かったが、一気に熱狂的な信者が増えたのはやはり各国が自由に国を行き来できるシステム『冒険者ギルド』ができた頃だろうか。


 戦争となれば圧倒的な力を持つソフィ王自らが表に立ち、見事に勝利を持ち帰ってくる。そして一度同盟となった国に対しては、自国の不利益を顧みず支援する。


 前時代の『ラルグ』魔国のシーマ王によって滅ぼされた『トウジン』魔国も現在では見事に復興が進んでおり闘技場は大盛況。


 そして少し前の戦争ではそんな『トウジン』魔国に、この『リラリオ』の世界で最強を誇っていた龍族を派遣した事もヴェルマーの民たちはソフィ魔国王を評価した。


 トウジン魔国の王『シチョウ』はそんなソフィ王を『国の救世主』と呼んでおり、ラルグ魔国のソフィ王と同盟を組めたことは、トウジン魔国にとって最大の幸運とまで語っている。


 そしてソフィの人気は『トウジン』魔国だけには留まらない。三大魔国と呼ばれたレイズ魔国でもソフィ王の事は『トウジン』魔国以上に人気がある。


 常日頃から『レイズ』魔国のNo.2である『ユファ・フィクス』がソフィ王のやってきた功績を民たちに語り、そして女王であるシスが前時代のラルグの者に殺されそうになった時に手を差し伸べてくれたのがソフィ王であり、今のレイズがあるのは全てソフィ王のおかげだと民たちに伝えているからであった。


 そして実際に龍族がレイズ魔国に攻めてきた時に、民達を守る為に力を使い尽くして破れてしまい、そのまま連れ去られたユファを取り戻してみせて、その敵対した龍族達をまるごと倒した後に配下に収めた当時のソフィ王の果敢振りを知っている民達は感謝と興奮を覚えた。


 もはやこの大陸で『ソフィ』ラルグ魔国王を嫌う者など存在してはいないだろう。民のためを想い民のために戦うソフィ王の人気ぶりは日に日に増していた。


 そして現在『ゼグンス』で一番大きな屋敷で過ごしているソフィは、レグランの実を食べながら、キーリと談笑していた。


 始祖龍キーリは当初護衛としてソフィに付き従っていたが、今では仲の良い兄妹のようにソフィを兄として慕っていた。


 龍族の始祖であったキーリは自分がしっかりとしなければ他の者たちに示しがつかないと、常日頃から意地を張っていたが、今では自分よりもはるかに強い兄貴分ができた事で色々と頼ることを覚えていた。


 そしてそれがキーリにとってとても嬉しいことであったらしく、今ではソフィの配下になれたことを喜び、力になれることがあればなってやりたいと進んで協力していた。


「なぁなぁ、ソフィ様聞いてくれよ!」


 ……

 ……

 ……


 キーリの話を聞きながらソフィは嬉しそうに笑う。そしてそんな風に笑うソフィを見ながら、キーリもまた笑顔になるのだった。


 二人が屋敷のリビングで談笑していると、部屋を叩くノックが聞こえてくる。


「うむ。入ってよいぞ」


 この屋敷に入ることの出来る者は限られている為に、ソフィは警戒もせずに許可を出すが、ユファの後にオドオドした態度の『魔王』が入ってくるのを見て、キーリは慌ててその場から立ち上がるのだった。

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