表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
ヴェルマーの闘技場編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

245/2240

238.修羅の道

※加筆修正を行いました。

 闘技場での試合を終えた後、ユファはラルフを連れてレイズ城に戻ってきた。


「お疲れ様でした」


 レイズ城に入ってもまだ浮かない表情の師にラルフは試合を労う言葉を投げかけると、ユファはその言葉に嬉しそうに笑みを浮かべるのだった。


「ええ、ありがとう」


 彼はエルザと戦った時の事を思い出していた。あの時は試合後にユファが会いに来てくれていたが、今は逆の立場である。


「貴方に伝えておきたい事があるわ」


 しかしあの時の師とは違い、何かを決断している表情を浮かべていた。ラルフは内心で言われる内容に予想がついていた。


(彼を追いかけるのを諦めさせようとするのでしょうね)


「何でしょうか?」


 ユファは少しだけ悲しそうな表情を浮かべながら、弟子であるラルフに告げる。


「あの子を倒すのなら()()()()()()到底敵わない。明日から更に修行を厳しくするわよ!」


 ――その言葉にラルフは驚き目を丸くする。


「貴方はすでに『青』の領域まで来ている。確実に強くなっているという事を自覚しなさいね」


 ユファがそこまで言った後、弟子が驚いている事にようやく気付いた。


「ん? どうしたのかしら?」


「私はてっきり貴方に彼を()()にするのを辞めろと言われるのかと覚悟していました」


 ラルフがそう言うとユファもまた驚いた……、というよりは呆れたような表情を浮かべた。


「私が貴方の師匠になると決めた時に言った言葉を忘れたかしら? 貴方をあの子に勝たせてあげるまで、私は貴方を手放すつもりはないわよ? 一度決めた以上私から諦めろと言うつもりはないわ。貴方が諦めたなら止めはしないけどね」


 そこまで言うとユファはラルフに笑いかける。


(貴方は、()()()()()()()ですね)


 ユファの浮かべる笑みを見て、心底そう思うラルフであった。


「もちろん私から諦めるつもりはありませんよ、死ぬまで追い続けて見せます」


 ラルフの宣言を聞いたユファは頷きを見せる。


「だったらまずは、あの子が『金色』のオーラを使いこなす前に『青のオーラ』の練度を完璧に仕上げるわよ? それと素の戦力値ももっと上げないといけないわね。これから忙しくなるわ」


 そういってラルフの師匠は、ラルフにつけさせる修行を色々と考え始める。


 ラルフはそんなユファを頼もしく思いながら、この師に報いる為にもこれまで以上に強くなろうと決心するのだった。


 ……

 ……

 ……


 闘技場を観戦していた観客達の大半が居なくなった観客席。そこに未だに座り続ける男がいた。


 その男は先程まで行われていた、Bランクの試合を思い返しながら考え事を続けている。


「あの『災厄の大魔法使い』と呼ばれた()()()()()()()、ここまで戦える人間がいるとは驚きだ」


 黒のハットに黒の長いコートに身を包んだ、全身黒づくめの男が驚いた表情でそう呟いた。


 ――その男の名は『レインドリヒ』。


 ユファと同じ世界『レパート』の出身にして、()()()()()()()()をした経歴を持つ『大魔王』である。


 彼がこの『リラリオ』に来た理由は、現在同盟の関係にある『魔王』レアに告げられたからである。


 ――近い未来にレアはこの世界で大掛かりな戦争を仕掛ける予定である。


 その下見というのも目的の一つだったが、闘技場の噂を聞きつけてふらりと立ち寄ってみたのだが、まさかそこで彼と死闘を繰り広げた『大魔王』ユファが、闘技場で選手として出ているとは思わなかった。


 レインドリヒが見た感じでは、()()()()()()()()()()()()()()()、まだまだユファは本気では無かったが、それでも人間に対する戦い方ではなかった。


「少しこの世界で遊んでみるか、まだまだ計画の時まで日はある」


 笑いを浮かべた後に『レインドリヒ』は、ゆっくりと観客席から姿を消すのだった。


 ……

 ……

 ……


 トウジン魔国の闘技場は本日の試合のおかげもあり、更に人気を不動の物として参加者を続々と増やしていき、それに比例して冒険者ギルドもこれまで以上に賑わいを見せていくのだった。

※実際にラルフの目標をその目で確かめたユファは、これまで以上にラルフの為に動こうと決意します。


『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ