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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
第五章 幕間

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231.暗躍

※加筆修正を行いました。

 薄暗い部屋の中で複数の魔族と人間達が一堂に会していた。


 ――ここはアレルバレルの人間たちが住む大陸。その辺境の城の中である。


「当初の計画通りに勇者達を使った『大魔王』ソフィをこの『世界』から離す事には成功したが、そこで想定外の事が起きた」


 見た目はまだ初老過ぎといった男が、目の前の『大魔王』に告げる。


()()()()()()()概念跳躍(アルム・ノーティア)』を使う奴の配下が居たそうだな?」


 その『大魔王』は初老すぎの男に口を開く。


「ヴァルテンの奴を使って『()()()』の配下を誑かしてはみたが、上手く行くかどうかまでは分からぬ」


「せっかく何千年もかけた計画だ、成功させねばなるまい」


 『大魔王』の視線を受けながらも平然としている初老の男は、そう口にするのだった。


 そこに金色の甲冑を全身に纏った騎士風の男が閉ざしていた口を開く。


「今この世界は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。勇者『マリス』にわいている。もしこのまま奴が戻ってくる事があれば、その幻想は崩壊するぞ?」


「大魔王ソフィを殺すことは出来ぬが、世界に閉じ込めておけば奴は戻って来ることは出来ぬ。何としても『()()()()()()()()を葬り去らねばならぬぞ」


 長い髭を蓄えた魔族がそう言うと、初老の男が笑みを浮かべる。


「ひとまずは『実験体(フルーフ)』の配下の様子を見るとしよう」


 初老の男のその言葉で他の者たちは頷きを見せて、議題は次の問題に移るのだった。


 どうやらこの場にいる魔族と人間を含めても『初老の男』の存在感はかなりのモノのようであった。


 ……

 ……

 ……


 アレルバレルの世界では精霊に愛された勇者『マリス』とその一行によって、長年この世界を支配していた大魔王が倒されたという事に()()()()()


 実際の出来事を知らぬ者達は魔王に支配された世界からようやく脱却出来たと喜び、勇者達をたたえる声があがっていた。


 ……

 ……

 ……


「勇者様! この世界を救っていただきありがとうございます!」


「流石は精霊に愛された勇者様だ! 魔界の魔族共め、ざまぁみろってんだ!」


 マリス達が魔王城を後にした後、討伐の命を出した人間たちの国『ダイス王国』に戻り、ダイス王へソフィ達の事を()()()()()()()


『大魔王』ソフィに全く歯が立たずにあっさりと負けた事。そして過去の勇者パーティに居た大賢者に渡されたマジックアイテム『根源の玉』を此度の勇者パーティの賢者『リルトマーカ』が使用した事。


 ――そして、その後に『大魔王』ソフィが忽然と魔王城から消えた事をである。


 しかしダイス王は笑みを浮かべてマリス達を褒めたたえた。


 そしてその後ダイス王は『勇者』達にこう告げた。


「ヨクゾ、大魔王ソフィを討伐しタ、サすガは、ゆうシャ、デアる」


 勇者マリスはその時ダイス王の目を見て、ぞくりと背筋に冷たい物が流れた。自分達を褒めたたえていた筈の王の目がどろりと濁った()()な目をしていたのである。


 まるで生気のないその姿に勇者マリスとその仲間である賢者『リルトマーカ』は顔を見合わせる。


「こたび の 栄誉を讃え、お前たちには 勲章を授ける舞台を用意スル」


 そこまで話した後、隣に控えていた『大臣』が、追ってその期日は伝えるので下がるようにと告げてきたのだった。


 その大臣も今までのような雰囲気とは違い、何というべきか()()()()のような物を纏っていたのを勇者は感じていた。


 …………


 マリスはおかしいとは思いながらも、大魔王ソフィという脅威をこの世界から消した達成感に包まれていた事で、この場で感じた違和感は直ぐに消え去ってしまった。


 そしてダイス王への報告から数日が経ち大魔王『ソフィ』は、勇者『マリス』に討伐されて平和がおとずれたと噂が広まった。


 これまで魔界の大魔王の圧政の所為で、人間達は苦しめられていると洗脳されてきた人間達は、その噂にダイス王国中がお祭り騒ぎとなり、平和に喜ぶ声に湧きに湧いた。


 ――そして遂に名誉ある勲章を王から勇者へと授けられる日がきた。


 勇者マリスと賢者リルトマーカ、そして戦士ヴァリスと剣士シャダイの四人は興奮した面持ちで王の待つ間に向かった。


 この数日もの間、まさに英雄としての扱いを受け続けた勇者達は、自分達がやった功績は誰にも真似が出来ないモノだと自負した事で相当に気を大きくしていた。


「俺達が歴史を変えたんだな……っ!」


 胸を張りながら王の元へ向かうマリス達は、用意された赤い絨毯の上を歩いていく。ずらりと並ぶ王国の兵士達がマリス達が通る度に頭を下げていく。


 ――遂にその時が来た。


 扉の前に立つ左右の兵士達に栄光への扉が開け放たれていき、勇者達は期待を胸にその部屋へと入るのだった。


 ……

 ……

 ……

※今回から五章となります。


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