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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
ヴェルマー大陸の冒険者ギルド編

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2304/2312

2286.シチョウの精神面での成長

 これからトウジン魔国に向かおうと考えたソフィは、その前にヌーだけではなく、イツキもトウジンの冒険者ギルドに登録させたいとシチョウに『念話(テレパシー)』を行うのだった。


(聴こえておるか?)


(ああ。そろそろお前から『念話』が来るだろうと思っていたところだ。すでに冒険者ギルドに『アイゲン』を向かわせているからよ、窓口の職員じゃなく、アイゲンの元に登録させたい魔族を連れていってくれ。ああそれと、どうせ試験なんざ受けさせてもそいつが合格するのは当たり前だろうから、最初から催しに必要な規定ランクまで認めるように、すでにギルド長に話を付けているからな)


 ソフィはそのシチョウの言葉に『最初から説明を行っておいて良かったな』とばかりに、嬉しそうな表情を浮かべて納得するのだった。


(おお……! すまぬな、それは非常に助かる……のだが、シチョウ。少し言い難い事があるのだが……)


(何だよ……?)


 何かを言い淀むようなソフィの『念話』に、シチョウはまた何か面倒事が起きたのかとばかりに、戦々恐々としながらソフィの言葉を待つのだった。


(出来るのであれば、ギルド対抗戦に参加させられるようにもう一人、種族は人間なのだが『トウジン』のギルドで登録させてやれぬだろうか?)


(人間……? あ、ああ、まぁそれぐらいなら何とか出来るが。何だよ? レイズ魔国のギルドでお前の知り合いか誰かが試験にでも落ちたのかよ?)


 ソフィの知り合いはどいつもこいつも規格外の化け物揃いだと思っていたシチョウだが、まさかとは思いつつもその可能性を考慮してソフィに訊ねるのだった。


(いや、そういうわけではないのだがな……。ヌーの奴がノックスの世界で知り合った人間を勧誘して、一緒にトウジン魔国の冒険者ギルドに所属し、レイズ魔国の冒険者ギルドに所属した『九大魔王』の者達を一緒に倒さないかと声を掛けおったのだ。その所為で我の配下の者達も機嫌を悪くしてしまったのだが――……)


(わ、分かった! お前も大変だな……! よし分かった! 早速、アイゲンに追加で一人登録させろと伝えておくからよ!?)


 どうやらあまり突っ込んで訊かない方が良い話だと察したシチョウは、まだ言い足りなさそうにしているソフィの言葉を遮って、イツキ(人間)の登録を認めると口にしたのであった。


(すまぬな……。ディネガーはDランクまではギルド長の権限で昇格させられると口にしていたが、そちらの方のギルドでも新人からDランクまでは上げる事が可能なのか?)


 ふと、過去の自分がDランクになった時の事を思い出し、よくよく考えれば全員がDランクだなとばかりに、疑問を覚えたソフィはシチョウに訊くのであった。


(ああ、確か指名依頼を含めてならDランクまでは直ぐに上げられたかと思うが、こういう話は俺よりお前の方が詳しいんじゃないか? 俺より先にソフィはギルド長になる予定だったんだろ?)


 確かにシチョウの言う通りだったが、そもそもソフィは最初からギルド長になるつもりがなかった為に、全く下調べなどもしていなかったのであった。


(いや、なし崩し的に我がこの大陸でギルド長をする事になりかけたが、結局はレルバノンの奴に任せてしまったからな。ハッキリといってギルドの事は全く分かっておらぬ……。クエスト自体も最後に受けたのは、ミールガルド大陸でのレルバノンの護衛任務が最後だったしな)


(そうか……。まぁ俺もお前が色々と忙しい身だという事は知っているから特に何も言うつもりはないが、色々と落ち着いたらお前自身もギルドの依頼を受けてみるといいかもしれねぇな。色々とギルドの内情も知っておいて損はないと思うぜ?)


 シチョウも口ではそう言うが、ソフィが組織の者達のせいで散り散りになってしまった仲間達を探すのに大変だという事もよく知っており、そんな中で今回のルードリヒの一件も引き受けてくれているのだという事にとても感謝していた。だからこそ、協力出来る事は協力しようと今回のヌー達のギルドの件も快く引き受けたのだった。


(うむ、お主の言う通りだな。色々と予定は立て込んでいるが、落ち着いたら一度お主の言う通り、ギルドのクエスト等を受けて勲章ランクを上げようと思っておる)


(それが良いだろうな。まぁまた何かあったら何でも言ってくれよ? 俺も王となって以前よりは気軽に動く事は出来なくなったが、その分出来る事は増えたと思っている。お前になら、俺はいくらでも協力するからよ)


(クックック、恩に着るぞ。それではひとまずヌー達をトウジンに連れて行くとしよう。用件を終えたらまた連絡を入れる。色々とすまなかったな)


(ああ、またゆっくり酒でも呑もうぜ? 前にも言ったが、本当にノックスの話を聞くのも楽しみにしてるんだ)


(うむ。その時はヒノエ殿達も連れて行って、お主に改めて紹介すると約束しよう。それではな)


(おう。じゃあな)


 こうしてシチョウとの念話を切るソフィであった。


(……こうして話をしていて思った事だが、あやつも王となってそれなりに時間が経ち、色々と自信をつけてきておるように感じられたな。前とは違い色々と余裕というものを感じられた。後はその自信をしっかりと結果に残せれば今後トウジンは更に盤石な体勢を築く事が可能となるだろう。今回のエイルの一件だが、もう我が話をしにいくという事に決めてしまった後だが、無理に手を出さずに支援という形を取りつつ主だってはシチョウに任せてみても良かったかもしれぬな)


 ヴェルマー大陸で戦争を行っていた頃は、他人を慮る余裕などなかったシチョウだが、今は精神的にも成長を果たしている様子が見て取れたソフィであった。そしてこれならば、一度シチョウ自信に任せて結果を出させた方が良かったかもしれないと、長い目で見た時の一国の王としての成長の方も考え始めたソフィであった。


 ……

 ……

 ……

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