2276.珍しくもなくなった屋敷の朝の光景
シチョウとの念話を終えた後、ソフィは身なりを整えてリビングへと向かうのであった。
「おはようございます!」
「おはよう、ソフィ殿!」
そして屋敷の一階のリビングにソフィが顔を見せると、直ぐに六阿狐やヒノエ達が出迎えてくれるのだった。
「うむ、お主らもおはよう」
ソフィも出迎えてくれた者達に挨拶を返していると、一番遠くの椅子でテアと喋っていたヌーもソフィの方に顔を向けるのだった。
「起きてきたか。それで例の話はもう済んだのか?」
「うむ。先程シチョウに話を通しておいた。お主をトウジンの冒険者ギルドに登録させる事に問題はないが、優遇をさせる事は出来ぬと釘を刺された。残念だが、お主もギルドに登録した後は、自らの力でランクを上げねばならぬぞ」
「ふんっ、そんなモンは要領さえ掴めば何も問題ねぇよ。別に最高ランクまで上げる必要はねぇんだ、さっさと済ませておいてやる」
大した問題じゃないとばかりに、そう告げるヌーであった。
「何だ? 結局はヌー殿も冒険者ギルドに登録するんじゃねぇか。昨日聞いたら必要ないって言ってた癖によ!」
ソフィとヌーの話を聞いていたヒノエが、少し不満そうにそう口にし始めるのだった。
「ちっ! 成り行きでそうなっただけの話だ。それにお前らとは違うギルドに所属する事にしたからな。結局は変わんねぇよ」
「え? 何でわざわざ私らと違うギルドにしたんだよ? 同じギルドの方が情報を共有するのに面倒がなくて良いじゃねぇか!」
夜にソフィと話を行う前、事前にヒノエはヌーと冒険者ギルドについて話をしていたのだろう。話が違うじゃねぇかとばかりにそう訊ねたヒノエであった。
「うるせぇな……。何で俺様がてめぇらと仲良く情報を共有しねぇといけねぇんだよ。それにてめぇらの行くギルドにはソフィの配下共も居やがるんだ。そこに俺が居たら色々とお互いに気まずいんだよ。それくらい分かれや」
溜息を吐きながらとはいっても、しっかりとヒノエには理由を話すヌーであった。
「はぁ、そんなもんかねぇ。まぁ、あんたらの間で過去に色々あったってのはすでに聞いているしな。事情がある以上は仕方ねぇか。まぁでもよ、これからも私とアンタはソフィ殿の屋敷で顔を合わせる事になるんだ。酒でも呑みながら色々とそっちのギルドとかの話を聞かせてくれな」
「ふんっ……! それくれぇは別に構わねぇがな」
「へへっ、先にアンタより勲章ランクって奴を上げてよ、色々とアンタに助言してやるから楽しみにしてな?」
「せいぜい見栄を張って、情けねぇ失敗をしねぇ事だな」
「ははははっ! 心配してくれてありがとな?」
ヌーの嫌味も全く効いていないようで、豪快に笑ってみせたヒノエであった。
「クックック、本当にお主らは仲が良いな」
「へへっ、ヌー殿はあのチビ助をそのまま大きくしたような奴だからな。性格もよく似ているし、色々と接しやすいんだ」
「ちっ、チビ助ってのは、あのスオウの事か? 色々と思い出して気分が悪くなっちまったぜ」
過去にヌーはスオウに喧嘩を売り、そのまま返り討ちにあってしまったのである。その事を思い出したヌーは嫌そうに顔を顰めていた。
「何だ? ヌー殿はアイツと何かあったのかよ。詳しく訊かせてくれよ」
「うるせぇな、何もねぇよ。それよりさっさとレイズへ行って登録してきやがれや。後がつかえているんだからよ」
「はいはい、分かってるよ」
これ以上はヌーの機嫌が悪くなると考えたようで、すっと空気を読んで引いてみせたヒノエであった。
そしてタイミングを見計らったように、台所からリーネと六阿狐が朝食の準備を終えて部屋に運んでくるのだった。
その後、屋敷での朝食を終えた後にソフィ達は、レイズ魔国が管理する『冒険者ギルド』へ向かうのだった。
朝食前にはヒノエ相手に文句を言っていたヌーも、一緒にレイズ魔国へ向かっており、何だかんだと口では言いながらも、しっかりとヒノエ達の冒険者登録を見守るつもりの様子であった。
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