2272.大陸間ギルド対抗戦の話と大魔王ヌー
ヌーはソフィにもしかするとまだ自分が気付いていないだけで、もっと強くなっているかもしれないと告げられた事で、沸々と意欲が湧き上がっていくのを自覚するのであった。
「ククククッ! やはり今回お前に話を打ち明けて正解だったぜ。早速、明日にでもシギン共の元へ向かうとするかっ!」
先程までサイヨウにやられた事を思い出して意気消沈していたかと思えば、今はもう完全に普段通りのヌーに戻っていた。
「まぁ落ち着け……。元気になったのは良い事だが、お主の『魔力』自体はまだ完全に戻っておらず、不安定なままなのだ。そんな状況でまた無理をすれば、フルーフとの一戦がまた遠のいてしまうのだぞ。明日は少し我に付き合え」
「ちっ! まぁ、お前の言う事も一理あるか。仕方ねぇ、ひとまずはてめぇの言う通りにしてやる。それで俺を何処へ連れて行くつもりなんだ?」
「うむ。まずはお主にも我と同じ冒険者ギルドに所属させようと思ってな。お主に問題なければ明日にでも『レイズ』魔国の冒険者ギルドに連れて行こうと思っておるのだが。どうだ、構わぬか?」
すでにラルグ魔国に居る『九大魔王』の面々や、ヒノエ達にも冒険者ギルドに所属させるつもりであったソフィは、ヌーにも同様に冒険者にさせようと考えていたのだった。
「……くだらねぇな。俺はミールガルド大陸ですでに冒険者ギルドに居る連中を多く見てきたんだ。どいつもこいつも態度だけはデケぇが実力が伴っていねぇゴミ屑共ばっかりだ。てめぇには悪りぃがよ、あんなクズ共と同じ組織に所属して肩を並べるつもりは俺には毛頭ねぇよ」
「ふむ……」
流石にここまで強く拒否をされるとは思っていなかったソフィは、この後に話そうと考えていた話も頭から飛んでしまう程に驚き、一体この数日の間にヌーの身に何があったのかと考え始めるのだった。
「まぁそこまで反対なのであれば、我も無理強いをするつもりはないが、近々ヴェルマー大陸とミールガルド大陸の両大陸間で親交を深めるという意味で『ギルド対抗戦』が行われる予定があるのだ。そこで我の配下の『九大魔王』達や、六阿狐やヒノエ殿といった面々も参加をしてもらうつもりでな。チーム戦となるか、個人戦のみとなるかはまだ、両大陸間での話を詰めて行かなくてはならぬであろうが、そこにお主もどうかと考えておったのだがな……」
そのソフィの言葉にヌーは、眉をぴくりと動かし始める。
「ギルド対抗戦……? それはミールガルド大陸の人間共と戦うって事か?」
先程までは全く『冒険者ギルド』の話に興味がなさそうだったヌーだが、この対抗戦の話には直ぐに食いつくのだった。
「まぁ、そういう事だな」
「それはこの世界の魔族共だけじゃなく、てめぇの配下共も『ミールガルド』大陸の冒険者共と戦うっていうのか?」
「まだ具体的には何も決まっていない状況なのだそうだが、それも充分にあり得るだろう。対抗戦とレルバノンは言っておったが、実際にはどういう催しになるかが定かになっていない以上は色々と断言は出来ぬな。もしかすると、両大陸の親交を主体的に考えておるだけで対抗戦と銘打ってはいるが、個人個人で催しに参加する事となって、決勝まで残るのがヴェルマー大陸のギルド同士となるのやもしれぬし、それがトーナメント形式になるのかリーグ形式になるのか、はたまたチーム戦のみとなるかどうかも分からぬ。あくまでこれまでこの大陸になかった冒険者ギルドが、ようやく両大陸間で合同的な催しが行えるレベルにまで冒険者増えた事で、親交を行う上での催しの対象と捉えられるようになったというところだな」
「つまり、ただ単にこの大陸の魔族と、ミールガルド大陸の人間共の戦いで終わるわけではなく、てめぇや、てめぇの配下共ともやり合う可能性もあるってわけか……」
ヌーは顎に手をやりながら真剣に考え始める。
「まぁ、さっきも言ったが具体的にどうなるかはまだ分からぬ。ただ、開催された時にある程度ランクを上げておかねば、その時になって参加したいと思っても、冒険者ギルド自体には所属は出来ても『大陸間対抗戦』という催し自体には参加が出来ぬという事は覚えておく事だな」
「ちっ! それで冒険者ギルドに参加するのには何が要るんだ?」
先程まで『冒険者ギルド』に関しては全くと言っていい程に聞く耳すら持たなかったヌーだが、ソフィが言葉巧みに話を行った瞬間にあっさりと乗せられてしまい、参加に非常に前向きになった様子であった。
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