2265.階級進化によって、大幅に強さを増すソフィの配下達
ソフィが今から行おうとする『階級進化』の『魔』の技法は、前回行った『名付け』のように『大魔王』領域に居る者であれば、そこまで扱いが難しい『魔法』というわけでもない。
ただ、この技法の使用条件が自ら生み出した魔物か、ベア達のようにすでに『名付け』を行なった者達にしか使えないという前提がつく為、使用しやすさに反してそこまで使い勝手が良い『魔法』というわけでもないというところが考えどころなポイントであった。
そして扱う者の『魔力』にも左右されるが故に、実際前提となる条件を全てクリアしていたとしても、実際に『階級進化』によるクラスアップの結果が『一段階上げられるかどうか』という結果が関の山となる為、この『魔』の技法を『理』のある『魔法階級』に置き換えると、精々が『超越魔法』領域の範疇内に収まるといえるだろう。
――だが、その使用者が『大魔王ソフィ』となれば話は変わる。
今回ソフィが『階級進化』の技法を使う対象は、前回『名付け』が行われた『ベア』と『ベイル』そして『ロード』の者達だけとなるのだが、すでにソフィ自身が口にしたように、彼らにこれまでとは比較にもならない『力』を与える事になると公言して見せた。
それはつまり、これから使用するこの技法に関してソフィは一切手を抜くつもりはなく、護衛を行う為に『階級進化』を行うと告げた以上は、その本気度が窺えるといえた。
ソフィが『魔力』を高め始めてからそれなりの時が経ち、やがて一つの臨界点を迎えた辺りでソフィの形態が著しく変化を遂げるのだった。
背中から四翼の羽を生やすと同時、これまでの十歳の見た目がガラリと変わり、アレルバレルやノックスの世界に居た頃のように、ソフィは本来の魔族の姿に戻っていく。
――魔神域魔法、『階級進化』。
他の大魔王が扱えば『超越魔法』の範疇内に留められるこの『階級進化』の魔法だが、ソフィが使う事でその位階が一気に『神域』を通り越して『魔神域』と呼べる領域にまで押し上げられたのだった。
ソフィの配下の中で『階級進化』の対象となった『ロード』の五体と『ベイル』それに『ベア』が、眩い紅色の光に包まれていく。
その様子をソフィだけではなく、リーネや六阿狐達、そしてヌー達も見届けていた。
やがて発光が止んでいき、対象となったソフィの配下達の『ベア』『ベイル』『サーベル』『ハウンド』『キラー』『クラウザー』『デス』の七体の姿が見えてくるのだった。
【種族:エンペラー・グランドサーベルタイガー 名前:サーベル(ソフィの名付け) 魔力値:1109万 戦力値:3億6700万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:エンペラー・キラービー 名前:キラー(ソフィの名付け) 魔力値:1774万 戦力値:3億5220万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:エンペラー・ハウンド・ドッグ 名前:ハウンド(ソフィの名付け) 魔力値:1221万 戦力値:3億2220万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:エンペラー・クラウザー・ワーム 名前:クラウザー(ソフィの名付け) 魔力値:1044万 戦力値:3億4000万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:エンペラー・デス・バード 名前:デス(ソフィの名付け) 魔力値:1554万 戦力値:3億5000万 所属:大魔王ソフィの直属の配下】。
【種族:エンペラー・ベイル・タイガー 名前:ベイル(ソフィの名付け) 魔力値:450万 戦力値:3億3370万 所属:ソフィの直属の配下】。
【種族:エンペラー・アウルベア 名前:ベア(ソフィの名付け) 魔力値:12万 戦力値:6億6600万 所属:大魔王ソフィの直属の配下(直轄司令)】。
これまでに比べて全体的に一回りほど体が大きくなった配下達だが、注目すべき点は体躯だけではなく、その膨大な『魔力』の上昇や、戦力値といった部分も大幅に増幅されているのだった。
そして『ロード』の五体だけではなく、これまでは名付けが行われていても、クラスまでは変わらずに居たベイル・タイガーの『ベイル』や、アウルベアの『ベア』もまた、今回は例に漏れずに魔物達のクラスの最上位となる『エンペラー』へと無事に進化を果たすのであった。
「ふんっ、魔族ですらねぇ単なる魔物共が、一斉に『真なる魔王』を超える戦力値を持ちやがるとはな。それも通常形態でこれだと『オーラ』を扱えるようになれば『大魔王』連中も真っ青だな。いや、もうこいつら自身が『大魔王』みてぇなモンか? まぁ、ソフィから直接『名付け』が行われた上での『階級進化』が行われたんだ。これぐれぇは当たり前か」
大魔王ヌーは腕を組んだまま、目の前の変貌を遂げたソフィの配下達を目にしてそう独り言ちるのであった。
ヌーがそう呟いていた中、ベアやハウンド達は自分の体を見回した後、調子を確かめるように手や足を動かし始める。
やがてソフィの配下達は、ひとしきり自分の体を確かめ終えた後に『階級進化』を施してくれた主であるソフィの方へ視線を向けるのだった。
そして感謝を示すように一斉にソフィに頭を下げると、皆を代表するようにベアが口を開くのだった。
「ソフィ様、我々の進化を施して促して頂き、ありがとうございます!」
「「ありがとうございます!」」
何とベアだけではなく、これまでは喋る事が出来なかった『キラー』や『ハウンド』達も人間の言葉を使って感謝の言葉を口にするのであった。
「うむ、これまでとは比較にもならぬ程に強さが増しておるな。どうやら無事に上手く行ったようだ」
当初の予定では、ソフィは『名付け』を行った配下全員が『魔王』クラスの戦力値を有せればと考えていた。しかし実際に本気で『階級進化』を行ったところ、全員が『魔王』どころか、その上の『真なる魔王』に並ぶ『戦力値』を有する事となるのであった。
厳密にはベア以外の者達は、現状で『青』のオーラを纏う事が出来ない為に、堂々と『魔王』とは言い難いところではあるのだが、それでも戦力値だけでみれば立派に『魔王』と名乗れる事だろう。
彼らはレキが生み出した魔物達ではあるが、すでにソフィの『名付け』と今回の『階級進化』のおかげで、アレルバレルの世界の『魔界』に居る多くの魔物達を上回る強さを保有するに至るのであった。
このリラリオの世界でもかつて、レアに屠られた精霊族の王であったヴィヌや、魔人族の王のシュケインと堂々と肩を並べられる程の強さを現状の時点ですでに得ている。
『エンペラー』のクラスに至った彼らであれば、まだまだ強さの上限に制限される心配もない為、ここから更に研鑽を続けていく事で間違いなく、魔物達を使役する『魔族』達を上回る強さを得られる事になるだろう。
――こうしてソフィの配下達は、新たに『エンペラー』の階級となり、魔物達の中での王に相応しい実力を得たのであった。
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