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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
カーネリー商会の護衛を担う者達編

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2277/2302

2259.歓迎される大魔王

 屋敷でベア達に別れを告げた後、ソフィ達はヌーの案内でミールガルド大陸にある『コーダ』の町へ『高等移動呪文(アポイント)』で移動するのであった。


「お主からこの港町に来る事は聞いておったが、実際にこの場所に来た事に感慨を覚えてしまうな」


「ああ? そういえば色々とこっちの大陸に居る連中共に聞いたが、てめぇはこっちの大陸にも馴染みがあったんだったか?」


「うむ。特にこの町は我が所属していた冒険者ギルドのある町から近い港町でな。ギルドの催しであった対抗戦に参加する為にこの町に立ち寄った事があるのだ。なぁ、リーネよ」


「ええ、あれからそんなにまだ経っていない筈なのに、とっても久しぶりに感じるわね。でも露店で新鮮そうな魚が色々売りに出ていた事は覚えているわ」


「そうだな。あの時も大きな魚の数々に驚いたものだ。確かにあれほどに新鮮であれば、さぞ食事処の魚料理も格別であろうな」


 ソフィもリーネもヌー程までに魚が大好物というわけではないが、それでもこの港町の魚の新鮮さと大きさを思い出して、これから行く食事処に対して、期待に胸を膨らませるのだった。


「あの店の店主も()()()()()()()()()()()でな、俺らが行けば直ぐに最高のモンを出しやがるだろうぜ。よし、さっさと行くぞ!」


 どうやら店の話をした事で、その時に食べた魚の味を思い出したのだろう。ヌーは興奮した様子で足早に歩き始めるのだった。


「クックック、まるで子供のようだな。あんなあやつを見るのは初めてだ。この場にブラストが居れば、さぞ驚いただろうにな」


「そうでしょうね。ヌーさんがあんなに言うくらいだから、ブラストさんも今日までは一緒に来ればよかったのに」


 彼は当分の間シギンと神斗に『魔』の研鑽を見てもらう事となった為、ソフィと共に屋敷には戻らずに他の『九大魔王』の面々と同様に()()()()()に残る事となったのである。


「まぁ、今はあやつも必死な時であるからな。また今度連れて行こうではないか」


「ええ、そうね」


 ソフィとリーネが並んで歩きながら会話を行っていると、先に歩き出していたヌーが振り返るのが見えた。


「おい! お前ら何をしていやがる。さっさとついてきやがれ!」


 その大声に道行く人々が慌てて振り返り、ソフィ達の背後で六阿狐と会話をしていたヒノエも驚いた様子でヌーの方を見るのだった。


「クックック、すまぬすまぬ」


 ソフィはあまりに必死な様子を見せるヌーを見て、可笑しげに笑うと直ぐに行くと返事を行う。


 今ではもう、完全にリラリオの世界に来る前の大魔王ヌーの面影が薄くなってきているソフィであった。


 ……

 ……

 ……


 しかし真にソフィが驚く事になるのは、実はこの後なのであった。ヌーが言っていた食事処に辿り着いたソフィ達が店の中に入るや否や、何とヌーが入店した事に気づいた店の店主が、わざわざ料理の手を止めて部屋の奥から慌てた様子で出て来たかと思えば、満面の笑みを浮かべながら、ヌー達を歓迎する言葉を掛けてきたのである。


「おお! あんたら、こんなに早くまた来てくれたのか! 嬉しいぜ!」


「……ああ。店主、悪いんだがよ、今日は連れも居るんだが直ぐに食べられるか?」


()()()()()()()! 先日はあんたらのおかげで大助かりだったんだよ。今度はこっちが(もてな)す番だ! 何人でも構いやしねぇから、存分に食べていってくれ!」


 店主はヌーに対して、まさに恩人だとばかりにそう告げると、ヌー達を一番奥の広い席に案内してくれたのだった。


 そして何も言わずに店主が奥へと戻って行くと、サービスだと言って直ぐに人数分のエールを持ってきてくれたのである。


 あまりの歓迎ぶりにソフィが驚いていると、ヌーは徐に店主に声を掛け始める。


()()調()()()もまだあるか? どうしてもこいつらにアレを試させてぇんだがよ」


「大丈夫だ。アンタがまたいつ来ても良いように取っといてあるんだ」


 そう言って安心しろとばかりにヌーに笑みを向ける店主だった。


「ふんっ、気が利くじゃねえか。流石俺が見込んだ野郎だな」


「へへっ、ありがとよ。嬢ちゃんにはこれだ」


 そう言って後からテアにだけ違う飲み物を持ってくる店主だった。


 どうやら先日来た時に()()()()()()()()()という事をしっかりと記憶していたのだろう。店主はちゃんとテアの事も考えて饗すつもりの様子であった。


「――」(あ、ありがと!)


 テアが感謝の言葉を口にすると、言葉自体は分からなかったようだが、伝わった様子で笑みを浮かべたまま頷く店主だった。


 そうして店主は最後にソフィ達にも声を掛けた後、料理をしにカウンターの中に戻って行くのだった。


「どうやらお主らは相当に気に入られておるようだな。お主から(あらかじ)め聞かされてはいたが、こうして実際に目の当たりにすると本当の事だったのだとよく分かった。とても見ていて気分が良かったな、お主もやるではないか」


「別に俺らは大した事してねぇよ。ただまぁ、ここは確かに居心地いいのも確かだ。だがよ、驚くのはまだ早ぇぞ? 真に驚く事になるのはこの後にてめぇらが魚料理を口にした時だ。楽しみにしてやがれ」


 心底楽しげにそう口にするヌーに、思わずソフィはリーネ達と顔を見合わせて、笑みを浮かべるのであった。


 ……

 ……

 ……

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