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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
交差する思惑編

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2252.話を聞かせる為の準備

 エイネがエヴィに『念話(テレパシー)』を送ろうとするのを止めた事で、直ぐに蹲っていたエイネが立ち上がり、先程の苦しそうな表情も和らいでいった。


 そしてしっかりと息を整えてから再びディアトロスの方に視線を向けると、彼女が落ち着くのを待っていた様子で直ぐに口を開き始めた。


「これで分かったじゃろう? 前々からソフィの奴にも釘を刺されてはいたが、どうやらエヴィを呼ぶ時はあの耶王美という妖狐も一緒に呼ばねばならぬようだ。じゃが、今回だけはワシら『九大魔王』の中だけで話を共有しておきたかったのでな。仕方なくエヴィやユファの奴には後で話す事にして、お主らだけを集めたというわけなんじゃ」


「……そういう事でしたか。そ、それにしても『念話(テレパシー)』の波長は、直接伝えたい相手に届けるだけでも直ぐには行えない筈ですよね。ど、どうして第三者である筈の、それも魔族でもない耶王美さんが、私やディアトロス様がエヴィに伝えようとする『念話』の波長を読み取れたのでしょうか……。それに、まさかとは思いますが『念話(テレパシー)』の内容までも伝わっているのでしょうか」


「そこまでは分からぬが、間違いなく『魔』の概念領域の到達地点がワシらより遥かに先を行っておるのじゃろうな。だからこそ『念話(テレパシー)』一つ取ってもそうじゃが、ワシらの及びもつかぬようなやり方で割り込んでみせておるのじゃろう」


「確かにディアトロス殿の言う通りだと俺も思う。先日の六阿狐殿もそうだが、今日も『シギン』殿や『神斗』殿の『魔』の()()()()()を目の当たりにして、ノックスの世界の住人達は誰を取っても規格外だと感じた」


「そのブラストの意見には俺も同意だ。エイネ、リーシャ、お前達も昼間のヒノエ殿の一撃を見ただろうが、魔法を使ったわけでもないのに、ただの腕力であんな大穴をあけてしまえる方が当たり前のように存在していた世界なのだ。俺達アレルバレルの世界以上に常識外な方々が居たという事だろう」


 どうやらディアトロスの言葉に、ブラストもイリーガルも同意なのだろう。普段は決して同じ意見を口にすることがない大魔王達が、今回に至っては同じような発言をして見せたのだった。


 そしてこれまでは懐疑的だったエイネもまた、先程の耶王美のとんでもない警告を受けた直後という事もあるようで、反論材料を探しきれずに、結局はイリーガルの言葉に首を縦に振ってしまうのだった。


「でもそんなやばい人達が居る世界で当たり前のようにエヴィ先輩を連れて帰ってきたソフィ様は、やっぱり凄すぎますよねっ!」


 空気がどんよりとしてきていたところだが、リーシャのその言葉で再び空気が一変し始めるのだった。


「それは間違いないな。あれだけの強さをしていたヒノエ殿も親分の強さに惹かれているのは容易に見て取れるし、やはり親分は凄い御方だ」


「ああ。俺も今日、シギン殿や神斗殿が、ソフィ様の事を認める発言を何度かしているのを直に聞いた。あんな化け物達から認められているソフィ様は、やはり完璧な御方で間違いない」


「六阿狐ちゃんもソフィ様にずっとべったりだしね!」


 これまでは『アレルバレル』の世界に居る自分達が、上の立場の存在だという自負をそれぞれ持っていた『九大魔王』達だが、今回改めて『ノックス』の世界に居る者達が化け物揃いだという事を思い知らされたわけではあるが、その上で自分達の尊敬する主が、そんな化け物達からも一目置かれているのだと共通の認識に至り、誇らしそうにするのだった。


 そしてディアトロスはソフィを引き合いに出す事で、上手く彼らに話を聞かせる下地が出来たと判断すると、改めて口を開き始めるのだった。


「さて、それではお主らの意欲も無事に戻ったところで、そろそろ本題に入らせてもらうが良いな?」


 一度は気分が沈んだ様子を見せたエイネ達だったが、ようやく元通りになったところを見計らい、ディアトロスはこの場に彼らを集めた理由を話し始めるのであった。


 ……

 ……

 ……

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