2245.リディアとの模擬戦と、そして
三色併用を纏いながら戦うソフィと、スクアードを纏いながら要所要所で『金色の二刀』を用いるリディアは、先程までとはまた異なる僅差感を見せながら戦いが続けられるのだった。
もちろん三色併用を用いているからといって、ソフィは『魔神級』に届くような力を見せているわけではなく、あくまで今のリディアに対抗が出来る程度の力にまで抑えた形態と、戦力値コントロールを用いて戦っている。
しかしそれでも両者共に、過去に戦った時とは比較にもならない程の力を出し示して戦っている状況であり、要所要所でお互いに『魔』の概念技法が散りばめられていて、技巧的な面で考えても良い『模擬戦』となるのであった。
そして魔瞳で一度停戦する事となってから、再び戦闘が再開されてそれなりに時が経つが、お互いにクリーンヒットとなる事もなく、しっかりと相手の動きと攻撃を見極めながら回避を行っていた。
ソフィはあくまでリディアの戦力値に合わせて戦ってはいるが、その戦闘の中では決して手を抜く事はしていない。
つまり同等となる戦力値での戦いの中では、ソフィの動きにしっかりとリディアが合わせられているという事なのであった。
現在両者共に『大魔王上位領域』の状態ではあるが、リディアが『スクアード』や『金色』を纏った時の攻撃の瞬間的な数値は数百億を上回っている程であり、ソフィも第二形態や魔王形態を少しずつシフトさせながらリディアの強さに合わせて変えてはいる状況ではあるが、このまま一気に上げても付いて来れるのではないかと思える程に、リディアの動きが冴え渡っているのだった。
「ふーむ……。エルシスやサイヨウの奴に鍛えられておるとはいっても、こんな短期間で一気に成長するのはお主の才能であろうな。お主の素質はある程度見抜いてはいたが、ここまで際限なく強くなっていくところを見ていると、我もこれまで以上にお主に期待感を寄せてしまうところだ」
ソフィは自身の腕に『青』の形成付与を行った刃を用いて、リディアの『金色の二刀』と刃を交えながらそう言葉を漏らすのであった。
「……こっちの見ている山が大きすぎるからな。何処まで強くなっても景色が全く変わらないってのは辛くもあるが、ある意味で慢心せずに済んで助かっている!」
リディアがこれまで以上に『金色の二刀』に力を込めて打つと、カンッという一際甲高い音と共に、ソフィの創成具現された手刀が砕け散るのだった。
そのままソフィは大きく後ろへ飛び退さると、腕を修復し終えた後に再び『紅』で創成具現を行い、腕に形成付与の『青』を纏い直すのだった。
「うむ、見事だ。お主が我の配下であれば、すでに序列部隊入りは間違いない。そうだな、お主さえ良ければ今度は我の魔王軍の『九大魔王』達とも手合わせを行ってみぬか?」
「な、何……?」
ソフィに褒められて内心で悪い気がしていなかったリディアだが、その後に予想外の言葉を投げかけられてしまい、今もまだ戦闘中だというのにその動きを止めてしまうのであった。
しかし動きを止めたリディアに追撃をするような真似をせず、ソフィもまた会話に集中するように言葉を続けるのだった。
「今のお主と戦ってみて、すでにお主が我の魔王軍でも一桁部隊程の力量を有しておるという事が分かった。もちろん『九大魔王』に今すぐ戦って勝てるとはとても言えぬが、それでも今のお主の成長ぶりを維持し続けるのには、魔王軍の者達と戦うのが良いのではないかと思ったのだ。だがまぁ、今のままでもまだまだ十分に伸び代を感じられておるし、サイヨウとその『式』の者達と戦いを続ける事も悪くはないと思うが、決めるのはお主に任せよう」
今後のリディアの成長具合を考えた時、今以上の環境には『アレルバレル』が良いのではないかという発想に至ったソフィであった。
そしてそれはもう、リディアがこのリラリオの世界で相手を出来るものが限られてきているという事でもあった。
「……それも良いかもしれないな。だが、それはここに居るコイツとの勝負で勝利を収めてからだな」
そう言ってリディアは視線をソフィから、同じくこの場に立っているラルフに移し始めるのだった。
「ほう……?」
そう返事がくると考えていなかったソフィは、真意を確かめるようにリディアを見る。
「ソフィ、次はこいつと戦ってみろ。きっとお前は同じ言葉をコイツにも言うだろうからな」
そう言ってリディアは『金色の二刀』を消しながら、次にソフィとの模擬戦を行う予定であったラルフに、戦う場所を譲るのであった。
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