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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
レイズ国政編

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213.すれ違い

※加筆修正を行いました。

 ターティス大陸から始祖龍キーリを含めた龍族三体が、ヴェルマー大陸へ向かっている。その龍族達の速度はかなりのもので、最上位に位置する魔族達であっても、決して追いつけはしないだろう。


 それでもターティス大陸からはかなり大陸間の距離が離れている為に、空を飛ぶ事に長けた龍族達であっても数日は掛かるのであった。


 そしてターティス大陸から飛び立ち四日程が経った頃、ようやく『ヴェルマー』大陸が見えてきた。


「よし、ようやく辿り着いたようだな」


 キーリが速度を緩めて『ヴェルマー』大陸を空から指差す。


「思っていたよりは大陸自体、そこまで大きくはありませんね」


 レキオンがそう言うと『キーリ』も『ディラルク』も頷いた。


「これであれば、目的の魔王とやらはすぐに見つけられそうです」


「そこそこ戦力値が高い者達が、集まっている国がぽつぽつとあるが、大きく一つ抜きん出ている国があるようだな、ひとまずはそこへ向かうぞ」


「御意」


「分かりました」


 キーリの言葉に龍族の側近二人は頷いて従うのであった。


 ……

 ……

 ……


 ソフィとエルザが空を飛んで数時間。もうすぐラルグの国境だというところで、大きな戦力値を持つ者たちを感じて自分達より高度が高い空を見上げる。


 やがてソフィ達と()()()()()がすれ違う。


 高度が違い雲たちが邪魔をして、エルザはその姿には気づかなかったようだが、ソフィはその三体の龍達の姿を視界に捉える。


 …………


「ん?」


 視線を感じたキーリはその視線を追ってソフィを見るのだった。


 互いに速度に乗ってのすれ違いであった為に、僅か一秒にも満たない視線の交換であった。そしてそのまま両者はすれ違いながら猛スピードで離れていく。


「今の者達は……? どうやら『魔族』ではないようだが……」


 この大陸に入った時に人型をとった龍族達のキーリ達だったが、ソフィは直ぐにキーリ達が、ヴェルマー大陸に居る魔族ではない事に気づいたようであった。


 ソフィが速度を緩めながら反対方向を見ていた為に、エルザは気になって声を掛けるのだった。


「ソフィ、どうかしたのか?」


「いや、何でもない」


 しかし今はラルグ魔国の件が先だと考えたソフィは、そのままキーリ達を見なかった事にして、ラルグ魔国へと急ぐのであった。


 ……

 ……

 ……


 一方、キーリの方もまたすれ違ったソフィの戦力値に違和感を感じていた。


(今の子供(ガキ)、上手く隠蔽していたが魔族、それも『()()階級(クラス)以上だったな。さてどうするかな?)


「どうかしましたか? キーリ様」


 古参のキーリの側近ディラルクが、思案顔を浮かべている王に声を掛ける。


「いや、何でもねぇよ」


 キーリがそれ以上何も言わないので、ディラルクはレキオンと視線を合わせたが、やがて首を振ってそのまま飛んでいくのだった。


 キーリは先程すれ違ったソフィの事よりも、レイズ魔国のある方角に強大な戦力が集まっている事でそちらを優先する事に決めた。


 もしこの時に龍族の王キーリがすれ違ったソフィ達を追いかけていたら、また()()()()()()()()()とは違うエピソードが生まれていた事だろう。


 しかし運命は一つの決断でその後の展開が変わってしまう。それは両者にとって幸か不幸か、この時はまだ、誰にも分からなかった――。


 ……

 ……

 ……


「ソフィ、ラルグの魔国領に入ったぞ」


 エルザが空を飛ぶ速度を緩めながらそう言った。


 現在はヴェルマー大陸の至る所がラルグ魔国領ではあったが、エルザの居た時代のラルグ魔国領がこの辺りなのであった。


 そしてこの先にレルバノンが治めていた領地があり、更にその先にラルグ魔城の塔がある。


 ラルグ魔国の城には『シーマ』王や『ゴルガー・フィクス』など、国の象徴とも呼ぶべき者達がいる城である。


 …………


 現在この城では王の留守を預かる幹部として『レヴトン』が、残っている部隊の全指揮を執っている。


 だが、残っている部隊は、生粋のラルグの魔族というよりも大半が元々は別の国の者達で、ラルグの属国の魔族達である。


 そのレヴトンはレイズに集まっている多くの強大な戦力に頭を悩ませており、まさかその者達のボスとも呼べる存在(ソフィ)が、ラルグ魔国領まで近づいてきている事など想像もしていなかった。


 …………


「ふむ。このままラルグとやらの本国に向かおうと思うのだが良いか?」


「ああ。それはいいのだが、直接本国の塔へ向かうのか?」


 直接向かうとなると使者と呼べるか、不安になるエルザだった。


「そうだな。我達は話し合いをしようと思っているのだし、出来れば取り次ぎを願いたいのだが」


「それならば、この先にラルグの拠点が一つある。そこで事情を説明してみるか?」


「それは名案だな、そうしよう。ではエルザよ頼む」


「うむ。任されたぞ!」


 そう言うとエルザは笑みを浮かべた。


 そしてエルザが先頭に立ち空を迂回しながら、本国へ連なる拠点へ向かうのだった。

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