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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
停滞からの脱却編

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207.意欲の高まり

※加筆修正を行いました。

 ソフィは()()()()()()()()()というユファとシスの言葉を()()()()()、シティアスにある拠点に向かう。


 ――その帰り道でソフィはユファの言葉を思い出す。


(まさか、この短期間で『青』の領域に到達しているとはな)


 出会った頃から確かに『ラルフ』のセンスは相当なものだった。人間の身でありながら『リラリオ』で最初に通常形態のソフィを圧倒してみせた程であった。


 いつの日だったかソフィは、ラルフに自分を越えられるようになって欲しいと告げた事がある。だがソフィのそれは願望であり、本心では諦めている自分を認めてさえいる。


 数多の魔王たちと戦い、更にその魔王達の配下など、復讐の対象とされた事は数えきれない。


 時には別世界から来た『大魔王』と呼ばれる者達とも戦った。しかし誰もソフィを倒すことは出来なかった。


 彼はもう自分の強さを、()()()()()理解している――。


 ――だがそれでも。それでも彼はこの転移という機会を経て少しだけ希望が持てた。


 自分が見出した人間たちである『ラルフ』や『リディア』。


 そして『最上位魔族』という立場から、唐突にその上の領域である『魔王』に覚醒した『シス』。


 まだまだ発展途上の身ではあるが、もしかしたらと思わせてくれる存在が複数いる。


 我に到達する者が出てくるのかもしれない、誰かが我を()()()()()()()()()()()()


 そう思うとソフィは笑みを止められない。


 宵闇の中で『紅』『青』『金』の()()()()()()がソフィの身体を包んで辺りを照らすのだった。


 ……

 ……

 ……


 そして次の日『エルザ』に事情を説明をした。


 ラルフと戦う事に異論はなかったが、彼女はラルフが自分より強くなっていると聞かされた時は相当な衝撃だった。


 しかし彼女はすでに『リディア』という人間に、敵わないと思わされた過去を持つ。


 だからこそもうあの頃のエルザという魔族ではなく、精一杯今の自分が出来る事を出し切り、ぶつかるだけだと思う事が出来るようになっていた。


 ――『魔族』は『人間』より優位の生物。


 ()()()()()()()()()()()()()は、すでに彼女の中にはない。


 人間であろうと魔族であろうとどんな種族であろうと、努力をするものが上に行き怠慢な者が抜かされる。エルザはそう思えるようになっていた。


 そして今はソフィに鍛えられた事によって、自分の力というものを正しく理解している。


 エルザは誰であってもいつでも来いという意思を持って、更なる意欲を高めるのだった。


 そしてそんなエルザと戦う『ラルフ』はというと――。


 ……

 ……

 ……


「いい? さっきも言ったけど、手加減だけはしちゃだめよ?」


 ラルフは師であるユファからエルザと戦うように伝えられた。どうやらエルザという魔族も(ソフィ)に鍛えられているようだ。


「もちろんですよ。殺しはしませんが、腕の一本や二本をもらうつもりで行きます」


「よし、それでいい」


 今までならばラルフがこういうと、焦りを見せたり話題を逸らしたりする輩ばっかりだったが、面と向かって笑顔でそうしろという風に言われた事は無かった。


 ラルフは自分の師であるユファがやはり()()()()()()に『魔王』なのだなと、別の意味で認めるのだった。


 ――戦いの期日は三日後、それまでに最終調整をする。


 最近では彼はユファとの戦いの前に瞑想をするようになった。


 そしてユファもその様子を黙って見守る。『淡く青い』オーラが瞑想中のラルフから漏れ出る。


(うん。いいね)


 決して『最上位魔族』では出せない練度のオーラである。


 私は目の前の男と、ヴェルトマー(代替身体)であった頃の私が戦った場合、どうなっていたかを考える。


(魔力消費の高い魔法は使えないと過程して遠距離を維持し続けられれば、十中八九私が勝つでしょうね。でも集中力が最高まで高まったラルフであれば、最後まで遠距離で戦える自信はないわね)


 目の前の男は、常に『青』を出しながら戦うのではなく、()()()()()()()()と判断する攻撃の時にその力を示す。


 すでに魔力の節約をしながら、その段階で出せる最強の自分を()()()()()()()()()()()()()並々ならぬ才能と、勝利への嗅覚。


 そして何より恐ろしいのが、まだ()()()()()()しか生きていないという事である。


 ――たった20年余りでこの領域に到達しているのだ。では10年後は? 更に20年後はどうなっている?


 そしてこの人間が懸念に思う程の人間――。


 『リディア』という人間は、どこまでの領域へ昇華するというのだ?


 ユファはその事が少し心配なのであった。


 もちろんラルフが私やソフィ様を裏切るという事はないと信じているし信頼もしているが、生物というものは、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 今まで背中にすら届かなかった者に届くかもしれない。そうなった時に果たして彼は自分を抑えられるだろうか?


 強くなりたいと願う者が強くなった時、その矛先が強い者に向かわないという()()()()()


 もしその()()()()()()()()()()()()()()


 だが――、その矛先が()()()()()()()()()()()()()()()……。


 ユファは十歳の子供の顔の『(ソフィ)』の顔が脳裏に浮かんだ時、ぎゅっと手を握りしめるのだった。


「――さん、――ユファさん?」


 そこでラルフの言葉に意識が戻される。


「えっ? あ、何かしら……?」


「準備が出来たので、そろそろお願いします」


 いつの間にか彼の周りを『淡く青い』オーラが纏われていた。


 瞑想が終わり、戦う準備が出来ていたようである。


「あ、ああ……、ごめんなさい」


 そう告げると瞬時にユファも『淡く青い』オーラを纏う。


 瞑想を必要とするラルフとは違い、正に一瞬で更に言えばラルフの纏っているオーラよりも()()()()()()()()


(これが『大魔王』と呼ばれる者達ですか)


 余りにあっさりとオーラを纏うユファに圧をかけられたが、ラルフは直ぐに首を振る。


(今の私では負けて当たり前。それよりも少しでも強くなる事に意識を向けなければ!)


 こうしてラルフは一日、また一日と意欲を高めていく。


 そしてエルザとの戦いの日まで、あと三日に迫るのだった――。

※信頼と懸念の狭間。


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