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2102.ミールガルド大陸中に轟いたソフィの異名

 ソフィはニーア達と『おやじ』の話をしながら露店市場を歩いて行く。


 もうこの立ち並ぶ露店の中に『おやじ』は居ないのだなと感慨を抱いてたソフィだったが、ちょうど冒険者ギルドが目と鼻の先となった市場の端の方で目的のレグランの実を売っている露店を見つけてしまい、そこで立ち止まるのだった。


「ニーアよ、すまぬがギルドへ行く前にレグランの実を買って行っても良いだろうか?」


「はははっ、もちろんだよ。レグランの実はまだそっちの大陸にはあまり流通していないんでしょ。せっかくなのだから、いっぱい買っていくといいよ……、そうだ! ソフィ君、久しぶりの再会なんだし、ここは僕に奢らせてよ!」


 目当てのレグランの実を見つけて目を輝かせているソフィを見たニーアは、昔と変わってないその姿に嬉しそうな顔を見せた後にそんな事を口にするのだった。


「クックック、そんな事を言ってよいのか? 我がレグランの実を買い求める時の量の事は、お主も存じているのだろう? それも今回はリーネ達の土産も兼ねているのだぞ?」


「だ、大丈夫! 何とかして見せるよ。こ、これでも僕は()()()()()()()だからね……!」


 そう言って本当にニーアは露店の『レグランの実』をソフィに買ってくれるのだった。


「はい、どうぞ……っと、持てるかい?」


 ニーアが大量のレグランの実を自分の持っていた袋に入れて、そのままソフィに手渡そうとしたのだが、今の十歳程の見た目のソフィにこれほどの量を持たせるのは酷だと感じたようで、思わず相手がソフィなのだという事を忘れてそう口にするのだった。


「ああ、全く問題は……」


「ではニーア殿、俺が代わりに持ちましょう」


 ソフィが最後まで言い切る前にブラストは、ニーアからレグランの実を受け取るのだった。


「これがソフィ様が仰られていた『レグランの実』なのですね」


「うむ。お主も一度食べてみれば分かる。我はこの世界に来てその実を食べた事で衝撃を受けたのだ。何とかして今後はヴェルマー大陸にも流通させねばならぬとすら考えておる」


「そ、それ程ですか……。ならば是非一度食さなければなりませんね」


 ソフィのあまりの本気度にブラストも真剣に考え始めるのだった。


「はははっ、本当にソフィ君はレグランの実が好きだよね」


 ソフィがじっとブラストの手元を見つめているのを見たニーアは、笑いながらそう口にするのだった。


 そしてそんな話をしていると、あっという間に一行は冒険者ギルドに辿り着くのだった。


 …………


「ソフィ君はここに来るのも久しぶりなんじゃない? もしかしてヴェルマーに渡ってからは初めてとか?」


「いや、何度かは来ておるよ。しかし来るたびに人が増えているように感じられて、その度に驚かされたものだがな」


 少し前にここを訪れた時、あまりの人の多さにソフィのファンだったというギルド職員に、裏口を案内された時の事を思い出すソフィであった。


「そうなんだ。じゃあ、丁度僕が居ない時に訪れていたんだね。確かにあの対抗戦以前からは比べ物にならないくらいにこの町に人が増えたからね。冒険者が増えただけじゃなくて、この町に観光に訪れる人も爆発的に増えたんだよ」


 そう言えば先程騒ぎになった例の露店主も、ここへは観光で来たのかと口にしていたなと思い出すソフィであった。


「ふむ……。それだけあのギルド対抗戦は、相当に注目度の高い大会だったというわけだな」


「もちろんそれもあるだろうけど、他にも色々な噂があった結果だと思う。何せ君がリディアと戦って勝利した事が大陸中の冒険者ギルドの間で騒がれたみたいだしね。直接サシスの冒険者ギルドが声明を出したわけでも、リディアが吹聴したわけでもないのに、もう皆その事を知っていて、更にはソフィ君の事を『破壊神』って呼んでいたくらいだしね」


 そう言えばこの大陸の何処に行っても、()()()と呼ばれていた気がするなと胸中で呟くソフィだった。


 ……

 …… 

 ……

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