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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
第二の故郷の世界編

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2102/2217

2084.見慣れた城と、見知った顔ぶれ

 ソフィとの『念話(テレパシー)』を終えた後、ラルグ魔国の城の中に居たレルバノンは直ぐに『レイズ』のシス女王と『トウジン』のシチョウ魔国王にも『念話(テレパシー)』を繋いで、ソフィがこの世界に戻って来た事を報告するのだった。


 当然にシス女王に話を繋げておけば、レイズ魔国のフィクスであるユファにも話が行く事は間違いなく、そしてトウジン魔国のシチョウ王に話を通しておけば、こちらもトウジンの警備についている始祖龍キーリにも話が伝わるだろう。


 もちろんソフィが戻って来た事をレルバノンが伝えずとも、遅かれ早かれ自力でシスやキーリも気づけるだろうが、直接『念話(テレパシー)』を受けた以上は、ラルグ魔国の王として彼女達にも伝えておく方がいいだろう。


 そう考えたレルバノンは、ソフィとの『念話(テレパシー)』の後、間髪入れずに各国の代表に伝えたというわけであった。


 当然にシス女王やシチョウ王も王事等で忙しく、ここへはすんなりと来る事は出来ないだろうが、レルバノンがラルグ魔国王として、三大魔国に知らせたという事実がここでは重要なのであった。


「さて、後はリディア殿やラルフ殿たちにも伝えておかなければならないのでしょうが、彼らは『念話(テレパシー)』を使えないでしょうし、どうしましょうかね……」


 レルバノンが口元に手をやり考える素振りを行うと、直ぐにいい案が浮かんだようで笑みを浮かべるのだった。


「やはり、ここはあの御方に頼ると致しましょうか」


 そう言ってレルバノンは、こことは違う世界で人間界の宰相を務めていた、()()()()()()()』に『念話(テレパシー)』を送り始めるのだった。


 ……

 ……

 ……


 ミールガルド大陸とヴェルマー大陸のちょうど真ん中に位置する島から、ソフィ達は『高等移動呪文(アポイント)』を用いてヴェルマーにある『ラルグ魔国』の城の前へと到着するのだった。


「ここへ来るのは、本当に久しぶりだ」


 ソフィがそう口にしている横で、ノックスの世界から来た者達は物珍しそうに城を見上げるのだった。


「ソフィ殿の城を見た時も驚いたが、この世界のお城もまた凄いものだな……!」


 ラルグ魔国城を見ながらヒノエが感嘆の声を上げていると、城の門の前に立っていた兵士達が慌ててこちらへと向かって来るのが見えた。


「そ、ソフィ魔国王! お帰りなさい!」


「ソフィ前魔国王に敬礼!」


 少し前にソフィに憧れてこの国の兵士になったと言っていた魔族や、これまで何度か見た事がある顔の門兵達が姿を見せると、ソフィ達に向かって敬礼を行うのだった。


「お主達、久しぶりだな。元気にしておったか?」


 ソフィがそう言って声を掛けると、兵士達は一様に嬉しそうな表情を浮かべるのだった。


「お、覚えていて下さったのですね……!」


 兵士達はソフィに顔を覚えられていた事に感動したようであり、涙を流す者も居る程であった。


「クックック、もちろんだ。特にお主はレアと共にここに来た時に色々と話を聞かせてもらっていた事だしな。当然に覚えておる」


「な、何と光栄な事でありましょうか……! ハッ! も、申し訳ありません、直ぐに中へご案内致します!」


「私は先に中に入り、城の衛兵に事情を伝えて参ります!」


 そう言って数居る兵士の一人が、慌てた様子を見せながら先に城の中へと入っていくのであった。


「城の警備中にいきなり現れてすまぬな。すでにレルバノンには来る事は伝えてある。ひとまずは話を出来る場所へ案内頼むぞ」


「ははっ!」


 ソフィの言葉に再び敬礼を行った別の門兵は、他の兵士達にこの場を任せると、ソフィ達を門の中へと迎え入れるのであった。


 …………


 ソフィ達が門兵に案内されて城の入り口へと辿り着くと、城の中から先程の一足先に城の中へ入っていった門兵と共に、見知った顔の魔族が姿を見せるのであった。


「ソフィ、久しぶり!」


 そう言って出迎えてくれた魔族の名は『エルザ・ビデス』。


 かつてはレルバノンと共に『シーマ』の追手から逃れるために、ミールガルド大陸に避難してきていた魔族であり、過去にはソフィと直接戦った事もある魔族であった。


「おお、エルザではないか! 元気であったか?」


「うんっ! やっとソフィと会えて私も嬉しいよ!」


 そう言ってエルザは満面の笑みを浮かべながら、ソフィの手を掴んでブンブンと上下に振り始めるのだった。


 そして目をキラキラさせながらソフィを見ていたエルザだったが、やがて後ろのヒノエや六阿狐達の視線を感じたエルザは、直ぐにソフィの手を離して背筋を正し始めるのだった。


「こ、こほんっ! わ、私はこの国で現在の『ビデス』を務めさせて頂いている『エルザ』と申す者。以後お見知りおきを」


 咳払いを行いながら、取り繕うようにそう言って挨拶を行うエルザであった。


(ねぇねぇ、ビデスって何だと思う……?)


(わ、私も分からないけど、察するにきっとこの世界の国での重要な役職なんじゃないかしら……?)


 エルザの挨拶を受けて、他の者達も各々自己紹介を行っている最中、コソコソと後ろの方で静かにリーシャとエイネは『ビデス』って何だろうかと疑問を口にするのだった。


 ……

 ……

 ……


 そうして挨拶を終えた後、エルザの案内でソフィ達は城の中を歩いて行く。目指している場所はレルバノンが待っているであろう『ラルグの塔』であった。


 ラルグの塔は昔からこの国の王が管理する場所であったのだが、過去に一度ソフィがレアと戦った時に消滅させてしまった為に、現在は新しく立て直されたものである。


 …………


 エルザの案内でラルグの塔を目指す一行は、それぞれ思い思いに会話を行いながら歩いて行く。


 長い廊下を歩きながらもソフィは、かつてはこの廊下も歩いていた事があったと思い返し、懐かしさに包まれながら窓から見える外の景色を眺め始める。


 そうして長い廊下を越えて、螺旋状の階段を上がった先に遂に目指していた場所に辿り着くソフィ達であった。


 ……

 ……

 ……

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