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2026.煌聖の教団との軋轢

「――という事があったのだ。すでにお主にはミラの事は伝えた筈だが、セルバスの事についてはお主に話すのを失念していた。ここ最近は色々と忙しい日々であったのは確かだが、妖魔山から戻る時に先に伝えておかなくてはならなかった事を謝っておく」


「い、いえ……。僕も感情が先走ってしまってしまい、すみませんでした」


 ソフィはシゲン達に借りている自室へとエヴィを連れて戻って来ると、まだ完全には納得していない様子を見せていたエヴィにこれまでの経緯を改めて伝えて謝罪を行うと、エヴィは慌ててソフィにフォローを行い、自らも食堂で騒ぎ立てた事を申し訳なさそうに謝罪するのだった。


「でもソフィ様、あの煌聖の教団の幹部が元凶ってわけじゃないというのは、僕も気持ちの上では分かっているつもりなんですけど、それでも『九大魔王』の皆がバラバラになっちゃったのはミラを含めた煌聖の教団なんだったいうのは、どうしても忘れられないです。きっと僕はこの先も煌聖の教団の残党を見つけたら、許せないと思ってしまいそうです……」


 彼はソフィに逆らうつもりは決してないが、それでもソフィの『魔王軍』、延いては『九大魔王』の面々は、彼にとっては家族のようなものであり、そんな家族をバラバラにされた挙句にセルバスはリーシャと戦ったと聞いた事で、もしリーシャの身に何かあったのだとしたら、とてもではないが許せそうにないと信仰心すら抱くソフィに申し訳なさそうに伝えるエヴィであった。


「当然に我もお主の気持ちは理解しておる。我とてミラや煌聖の教団の連中を許す事は出来なかった。だからこそこの手でミラを葬り、二度と蘇らぬように『魂』を消滅させた。それに煌聖の教団の他の幹部共も数人は骸に変えておる。我が今回お主に伝えたかったことは、あくまで改心をして我の配下となると宣言したセルバスに限ってのみの話なのだ。まだ直に接していないお主には分からぬだろうが、あやつはこの世界でしっかりと我やヌーの為に動いてくれておったし、あやつがもう我達に良からぬ心を抱いておらぬと判断したからこそ、我もこの世界で起きた妖魔召士たちの襲撃の件で、セルバスの命を救おうと考える事が出来たのだ」


 ソフィの言葉をしっかりと聞きながらもまだ、エヴィは顔を俯けたままだった。


 それを見たソフィは、彼の顔を上げさせるために、まだ彼に伏せていた話を口にし始める。


「それに今はセルバスを頼らねばならぬ時でもあるのだ。どうやらあやつは『イバルディ』の跳躍ばされた世界を、現在の居場所を知っておるようなのだ」


「!?」


 そのソフィの言葉に俯いていた彼は、慌ててその顔を上げてソフィに驚愕の目を向けるのだった。


「少し前に奴自身から聞いたことだが、どうやらセルバスが原因ではないが、奴の知る煌聖の教団の者が、イバルディを『概念跳躍(アルム・ノーティア)』の『魔法』を用いて跳躍()ばすところを見ていたらしい。その世界の名は『()()()()()()』というらしいが、セルバスでなければ転移する為の『座標』も分からぬし、そもそもが我では『概念跳躍(アルム・ノーティア)』を使えぬ為に、あやつの力が必要なのだ。我の言っている事が分かるな?」


「は、はい! そ、そういう事でしたら、セルバス……でしたっけ? 僕が奴に手を出すわけにはいかなくなりました。それにアイツが『概念跳躍(アルム・ノーティア)』を使えるんでしたら話は早いです! あの気にくわない大魔王ヌーに頼るよりはよっぽどマシですし……!」


「クックックッ! あやつもこの世界に来てだいぶ変わったと思うのだがな。まぁしかし、あやつは元の世界に戻れば今度はフルーフの奴と一悶着起こさねばならぬ状況だからな。これ以上あやつに無理をさせられぬのは間違ってはおらぬ」


「? それはどういう事なんですか?」


「ああ、それはな……」


 首を傾げて疑問符を浮かべるエヴィに、ソフィは大魔王フルーフと大魔王ヌーが現在どういう状況なのかを説明し始めるのだった。


 ……

 ……

 ……

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