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2009.超越者シゲンの腕試し

 ソフィが『力』を開放し始めた事で場に緊張感が満ち始めたが、それでも魔神は普段とは違って、視線をソフィではなく『()()()』と改めて認識するに至った『シゲン』の方に向けていた。


 王琳に勝利したソフィを相手に自分の実力を確かめたいと告げるくらいなのだから、それ相応の自信があるのだろうという事は魔神も理解は出来ていたが、それでもこれまでの認識では、決して塵芥の存在ではないが、世界の脅威には到底なり得ないだろうという程度の認識に過ぎなかった。


 もちろん先の煌阿とソフィの一戦の最中、ソフィの放った『絶殲(アナイ・アレイト)』を器用に跳ね返して見せたという事実に関しても、そんな事が出来る以上は、塵芥の筈がないという事も当然に魔神は理解をしている。


 しかしそれでも跳ね返したり、吸収を行ったりという対策に関する『魔』の技法を用いて、苦難を回避する術を持っている者であれば、すでにソフィの配下の中にも数名存在しているし、単に跳ね返すという観点を重視するのであれば、このシゲンよりも、更に数多の数の『絶殲(アナイ・アレイト)』を『次元』の彼方へ送り飛ばして上手くその次元に放たれた『絶殲(アナイ・アレイト)』の軌道をコントロールするように、次元を上手く繋げて見事に相殺させた大魔王ヌーの方が、数倍上だと見る事が出来ていたのである。


 そしてそんなヌーであっても、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


 だからこそ当初、魔神は『超越者』あるソフィに対して、腕試しを行いたいと口にする『シゲン』に内心では、自分の『結界』が本当に必要なのだろうかと疑問すら抱いていたのである。


 それが『シゲン』が力を示した瞬間に魔神は、その認識を直ぐに切り替えざるを得なくなった。あのソフィの攻撃を跳ね返すが出来たのは、間違いなく彼の実力が伴っていたからである。


 魔神は『固有結界』を展開した後も、ソフィが『六割』以上の『力』の開放を行い始めている現在も、シゲンという『超越者』から視線を外す事が出来ない。


 これまでのシゲンという人間を見てきたからこそ、分別を弁える人間だろうという事は察する事は出来るが、万が一にも突然に暴れられでもしたら、それだけで『執行者』が新たに出現する状況を作り出せる『存在』なのだ。


 可能性がゼロではない以上、元執行者にしてソフィと契約を行う世界の観測者としての立場から、シゲンもまた注視せざるを得ないというわけである。


 そんな心境の面持ちでシゲンから目を外さずに居た魔神だが、その横で遂にソフィが『七割』の開放を行い終えるのだった。


 この世界に来るまでは、ソフィでさえも開放する事自体考えなかった程の領域の『力』。


 そして――、この世界ではすでに再来となってしまった『力』。


 更には大魔王ソフィの『七割』の『力』の開放に加えて、シゲンも『超越者』に相応しい『力』でこの場に臨んでいる。


 最早、この『特務』が行う訓練場の中は、単なる腕試しを行う場所ではなくなってしまった。 


 ソフィが『七割』の力の開放を行ったとはいっても、まだ王琳戦時のように『魔王形態』までもを変えているわけではなく、戦闘時特有の力のコントロールも行っているわけではない為、あの隔絶された空間内で生じた被害までは想像しなくてもいい状況である事には間違いないが、それでも魔神は一切気を抜く事が出来ない状況へと陥るのであった。


 もう現段階の時点でソフィとシゲンの戦力値は、少なく見積もっても『10兆』を超えている。


 殺し合いが行われるわけではないが、シゲンが全力で『力』を行使してソフィに挑む以上、少なからず()()()()()というのはイメージしておかなくてはならない。


 この場に『力の魔神』という守りの要が居なければ、天上界の『執行者』達が顕現していても、おかしくはない状況になってしまっているのだから――。


 ……

 ……

 ……

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