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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
冒険者ギルド支部編

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186.冒険者ギルドの誕生

※加筆修正を行いました。

 ソフィはレルバノン達と今後について話し合うために口を開いた。


「どうやら賛同は得られたようだし、ここ『レイズ』で冒険者ギルドを設立しても良いだろうか?」


「そうですね、それが良いでしょう」


 ラルグ魔国やトウジン魔国にも今回の事を伝えるにしてもまずは先に『冒険者ギルド』の設立を果たしてしまったほうがいいだろう。


 レルバノンもそう考えたのでソフィの意図に同意を示す。


「しかし冒険者ギルド長といった責任者は、後から『ミールガルド』大陸から派遣させるとしても規則等は見直さねばなりませんね?」


 レルバノンの言う通りミールガルド大陸の常識は、ヴェルマー大陸では通じない。


 ミールガルドでは、戦力値が10万程の魔物の討伐でさえA級とされているが、ここヴェルマー大陸の魔物が暴れると、現状の勲章ランクAの人間でさえ討伐が難しいであろう。


 そもそもラルグの魔族が暴れ始めるとリディアを除くにしても『ミールガルド』大陸の冒険者ではどうしようもない。


「そうだな。『冒険者ギルド』の設立を果たすまでよりも、むしろ設立したそこからが問題だなと言えるだろうな」


 全くディラックも難儀な事を頼んでくれたものだとソフィは溜息を吐いた。


 これまでのミールガルド大陸の『冒険者ギルド』の常識では、何も問題なくやってこれていたのだから、そのミールガルドの冒険者ギルドに所属している冒険者達は何も悪くはないのだが、これまでと同様の気持ちでこの大陸でやられてしまえば、そこに待つのは死であろう。


「どうせなら、全て一から作り直したほうが早いかもしれませんね」


 レルバノンはこの冒険者ギルドの設立に意欲があるのか、ソフィの目には『レルバノン』が()()()()としているように見えた。


「う……うむ、我もお主が協力してくれるならありがたい」


 ソフィがそう告げると嬉しそうな目でレルバノンは頷いた。


「当然ですよ。むしろこちらから手伝わせて頂きたい程です」


 ソフィが隣にいるエルザを見ると、彼女も苦笑いを浮かべていた。


「私の主は凝り性なところがあるからな。ソフィも注意しておかないと、とんでもないことになるぞ?」


 エルザは溜息を吐いてそう告げた。


「まあ何も進まないよりは全然いいがな……。さて、では我はベア達の様子を見に外へ行ってくるとしよう。ずっと放置させておるからな」


 そう言うとソフィは出口へ向かうが、そこへラルフとリディアが近づいてきた。


「む、お主達もついてくるのか?」


 ラルフは当然という様子で頷き、リディアはソフィに一言言いたい事がある様子だった。


「ソフィ、俺がこの大陸に来たのは自分の為だ。ここからは俺は自由に動かせてもらうが、問題はなかろう?」


 リディアはヴェルマー大陸での冒険者ギルドの設立には興味がない様子で、関与する気は無いと明確に言葉にしてソフィに伝えたかったようである。


「うむ。まぁしかし本音を言えばだが、出来ればお主にも『ヴェルマー』大陸の冒険者ギルド支部に所属してもらいたかったところだがな」


 ソフィがそう言うとリディアは薄く笑う。


「はっ! 冗談だろう? 俺は来年お前達とギルド対抗戦で戦う事を楽しみにしているくらいだ」


 そういえばそういう催しもあったなとばかりにソフィは、前回の対抗戦を思い出していた。


「しかし次回のギルド対抗戦は『ヴェルマー』の冒険者ギルドが優勝するのではありませんか?」


 ヴェルマー大陸の冒険者が参加するとなると、最低でも戦力値が100万を越える『魔族』ばかりが、出場のエントリーをする事になるだろう。


 そうなればミールガルド大陸の冒険者ギルドはどうにもならない。


「そうだろうな。そうなればランク別に大会を分けるなど、今とは違う仕組みを考える必要性が出てくるのだろうな」


 まぁそういう事は、()()()()()()()()()()()()()()()()とばかりに、ソフィは頭から考えを捨てた。


「では俺はもう行くが、お前も少しは強くなっておけよ?」


 後ろを振り返らずにラルフに向けてリディアは声を掛けるのだった。


「言われるまでもありませんね。貴方もいつまでも先を歩いていられるとは思わない事です」


 ラルフの返答を聞いたリディアは、顔を彼に見せはしなかったが、どこか嬉しそうにしている様子で鼻をならして建物を出ていった。


 二人の人間の掛け合いに、ソフィは心底嬉しそうな笑みを浮かべた。


(ライバルとなる相手が居るという環境は、今後の成長を考える上ではとても良い事だ)


 今後この二人は切磋琢磨を繰り返すライバル関係になるだろうと、ソフィは未来予想図を描くのだった。

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