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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
冒険者ギルド支部編

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184.生きて尚、幽鬼

※加筆修正を行いました。

 冒険者ギルド設立の話と各国の王の取り決めの話を終えた後は、レイズ所属の者達と簡単な質疑応答が行われた。


 主にヴェルトマーの事であったがユファは快く応対した。そして現在はその話し合いも終えて、会議室内で各々が仲のいい者同士で集まり歓談に近い状況であった。


 ソフィの周りには『レルバノン』や『シチョウ』、そしてラルフ達やリーネも居る。


 シスとユファもこのソフィのグループに混ざりたいところではあったが、レイズの元配下達やリーゼがシスと話したそうにしていたので、ユファはシスとレイズの民達のグループで過ごすのだった。


「女王様……! 本当にご無事でよかった」


 リーゼやシティアスに避難していた民たちが、シスの姿を見て大泣きをしてそれにつられるようにシスも目尻に涙を溜めていた。


 その横でユファも『レドリア』に泣きながら抱き着かれていた。余程ユファが生きていた事が嬉しかったのだろう。


 ――ここまで『レドリア』が『ユファ』に対して、想い募るのには理由があった。


 その理由を説明するには、時を少しだけ遡る必要がある――。


 ……

 ……

 ……


 レイズ魔国軍は一度退役をしてしまえば、軍令により再び軍に戻る事は出来ない。


 レドリアは過去ラルグ魔国との戦争で『エルダー・トールス』が戦死した時に、同じ部隊に居た彼女自身も死を彷徨う程の大怪我を負った事でそのまま軍を退役させられた。


 ベッドの上で『レドリア』が意識を取り戻した時、自らが軍を退役している事を知り、彼女は何もかもを失ってしまい深い絶望に襲われた。


 『エルダー・トールス』の仇を取ろうと思っていた彼女は、軍を退役させられてしまい今後の人生に活路を見いだせなかったのである。


 そして軍の為に尽くして軍の為に生きてきた彼女が、その後に取る選択肢は多くはなかった。


 ――レドリアは数千年間、国のNo.4として活躍していた『エルダー・トールス』という超が付くほどの優秀な魔法使いの部隊にいた。そして魔力も高く魔法に秀でた彼女が取った行動。


 それは()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。


 最上位に近しい程の魔力を持つ上位魔族『レドリア』は、自身の魔力が回復するのを待ち、静かに行動を移すために準備を続けていた。


 そして軍のとある筋からラルグ魔国が、レイズ魔国の拠点に向けて攻めてくるという情報を手にしたレドリアは、レイズ魔国軍が動くより先に『淡く紅い』オーラを身に纏い死に場所と決めた拠点へと向かったのであった。


 レドリアの頭の中で考えていた事は、エルダー様を直接殺した者が誰か分からぬ以上は攻めてくる者達を皆殺しにするつもりだった。


 自分が死のうとも彼女はもう軍とは関係のないレイズ魔国の一般人。


 ――なればこそ単身、自由に動けるというものだ。


 そして拠点へ到着した彼女は、ラルグ魔国が攻めてくるまで拠点で息を殺して待った。


 やがて隠していても分かる程の密度の濃い魔力を帯びた、一体の魔族が近づいてくるのを感じた。


 これ程の魔力の持ち主であれば、エルダー様を殺した犯人かもしれない。


 レドリアはレイズ魔国軍の中でエリートである『魔法部隊』出身である。


 高難度とされる『身体強化』『魔力強化』『魔力障壁』。


 三つの魔法を重ね掛けして先手必勝を狙った。


 そしてもう間近に迫ったその魔族に向けて、レドリアは『超越魔法』を放つ。


 ――超越魔法、『万物の爆発(ビッグバン)』。


 しかし『レドリア』が渾身を込めた超越魔法は発動されなかった。


「えっ!?」


 流石に予想外の出来事に『レドリア』は声を出して驚く。そして驚く彼女を横目に一人の魔族が姿を現した。


 そこで彼女が先程魔法が発動しなかった時とは、比べ物にならない程の驚きをその魔族に見せた。


「ヴェル……、トマー……様?」

※レドリアがユファを慕う理由の回。


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