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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
妖魔山編

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1787/2227

1770.大魔王ソフィが放つ、規模の違う固有魔法

「よ、よくも……、妾の同胞をやってくれたなぁっ!!」


 大魔王ソフィに『殺意』を向けられた事で恐怖で震えて動けなくなっていた『帝楽智(ていらくち)』だが、自分の大事な同胞達がやられてしまった事に対する『復讐』という感情が、僅かながらにその恐怖心を上回った様子であり、彼女は再び『魔力』を用いて『瑠璃(るり)』のオーラを具現化させようとした。


 だが、帝楽智が魔力回路から『魔力』を放出させようとした瞬間にがくんっと身体が揺れて、そのまま前のめりに倒れそうになってしまう。


「ぐっ……!?」


 しかし帝楽智は大魔王ソフィによる『特異(とくい)』の効力によって、その魔力回路から放出された分の『魔力』が巻き戻されてしまい、オーラを発動させる事が叶わなかったようである。


 そして空になった『魔力回路』に『魔力』を注ぎ貯め直そうとした瞬間に、ソフィの『魔力吸収の地アブソ・マギア・フィールド』が自動的に発動されてしまい、帝楽智はそのまま『魔力コントロール』の権限を強引に奪われて根こそぎその『魔力』をソフィに吸収されて『魔力枯渇』を引き起こしかけているようであった。


転覆(カタストロフィ)』の固有魔法によって反転させられている中で、しっかりと『瑠璃』を纏わせられた帝楽智は見事としかいいようがなかったが、それでも普段通りに彼女が戦う姿には程遠く、ましてや『魔』の技法の数々を封じられた上に『魔力』そのものを使う事が出来ない状態で大魔王ソフィと戦わなくてはならないのである。


 これではもう勝ち目などある筈もないが、それでも彼女は先程の戦意喪失状態からしっかりと立ち直り、同胞を殺められた報復を行おうとする意欲によって、恐怖心を遠ざける事に成功して今も『魔力枯渇』を引き起こし掛けた状態のままソフィを睨みつけていた。


 本来であればこういった気概を持つ者をソフィは好む傾向にあり、彼はそのような人物に対して今後の更なる成長を期待したりするところだったであろうが、残念ながら今回のソフィにはそれは望めないだろう。


 魔族にしては非常に温厚な一面も持ってはいるのだが、ひとたび彼の仲間を傷つけてソフィと敵対する事になれば、これ程までに残酷な魔族もそう簡単には見る事は出来ない為である。


 普段のその温厚な一面が目立ち、大事な仲間達や興味を抱く人間の前では非常に友好的に映るのだが、勘違いをしてはいけないが、彼は『アレルバレル』の『魔界』の頂点に君臨する『大魔王』なのである。


 その普段の温厚さが印象深く、そこまで恐れるような存在ではないと思うかもしれないが、残酷さや冷酷な一面を見せる時は、あの一度は世界そのものを混沌に陥れた大魔王『()()()()()』や、悪行の限りを尽くした『人間界』の皇帝と結託して世界を牛耳ろうと企む事さえ行った大魔王『()()()()()()』を上回る程の『大魔王』となって敵対する者には一切の容赦を与えない。


 ――つまりは大魔王ソフィと一度でも本気で敵対してしまえば、他の大魔王が行う所業が可愛く見える程に、残酷な目に遭わされてしまうという事である。


 世界の果てまで逃げようが必ず追いかけて仕留めに出向き、いくら数を集めて世界そのものが敵になるような事態になろうとも、彼はその仲間の為にならば、その敵対する機関及び全生命体が完全に停止するまで『()()』を受けさせ続けるだろう。


 結局のところは大魔王ソフィと敵対してしまえば、どうしようもなくなるという事なのである。


 ――そしていつの間にか『魔力枯渇』を引き起こして意識が朦朧とし始めた『帝楽智』の前に、大魔王ソフィが立っていた。


「よくも我の仲間を傷つけてくれたな」


 ――皆殺しだ。


 大魔王ソフィは冷徹な目つきを向けながら、右手を帝楽智の心臓に突き入れた。


「かっ、は……っ、――」


「お主ら天狗という妖魔共は、一体足りともこの世に生かしてはおかぬ」


 ――魔神域魔法、『終焉(エンド)』。


 天狗族を束ねる『天魔』の『帝楽智』を葬り去った後、大魔王ソフィはその彼女の『魔力』の残滓を頼りに、世界に散らばる天狗達を対象に向けて彼の固有魔法である『終焉(エンド)』を放つのだった。


 全く規模そのものは違うが、それはかつて魔王レアが精霊ジウを葬った時に、その精霊の『魔力』から探知を行って精霊族の大陸を発見した時と同様の事を行ってみせたのである。


 ――こうして大魔王ソフィの手によって、この日を境に天狗族は完全にこの世から絶滅させられる事となった。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 天狗族絶滅……酷いですが、これが現実なのですね……
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