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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
妖魔山編

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1729.妖魔団の乱と真鵺の存在

 妖魔山にある鬼人族の集落に辿り着いたソフィは、百鬼の探し人であった『動忍鬼』と無事に集落で再会する事が出来た。


 一つの目的を無事に達成する事が出来たソフィ達だが、その鬼人族の集落で『玉稿』という鬼人族の族長から『妖魔団の乱』が起こった経緯を説明されるのだった。


 ――この『妖魔団の乱』の事を妖魔召士を狙った『ケイノト』襲撃事件とされている。


 この頃までは今のように禁術が多く用いられているわけではなかったが、それでも禁術とされている術を用いて力の強い妖魔達を従える妖魔召士は少なからず存在はしていた。


 その望まぬ契約で同胞を連れ去る人間達に、妖魔山に居るあらゆる種族の妖魔達が決起して、その妖魔召士たちの居る都を襲った事件と人間達は記憶している。


 そしてその事変の発端となったのは、かつての鬼人族の長であった殿鬼の娘である『紅羽(くれは)』が決起して、他種族の妖魔達に『妖魔召士』の町を襲おうと、計画を持ちかけた事が始まりと言われている。


 しかし今この場で他でもない鬼人族の集落の長を務めている『玉稿』から語られた真相は、それまでの伝えられていた話とはまた少し異なっていたのだった。


 ――玉稿(ぎょっこう)曰く、この『妖魔団の乱』の計画は、妖狐の『朱火(あけび)』から持ちかけられた話であり、更に朱火の隣にはこれまた信じられない事に、鵺の種族を代表する『真鵺(しんぬえ)』の存在があったと言うのである。


 鵺の一族は天狗の『呪詛(じゅそ)』とはまた違う、 『(まじな)い』と呼ばれる技法を用いる種族であり、その効力は多岐に渡って絶大なる災いを降り注ぐものである。


 特にこの種族の中でも極めて危険な存在と言われているのが、長らく妖魔召士達を恐れさせてきた高ランクの『本鵺(ほんぬえ)』と呼ばれる鵺と、この『真鵺(しんぬえ)』の両者であった。


真鵺(しんぬえ)』の放つ『呪い』の効力の恐ろしさとは、対象となる存在が唐突に不可解な死を遂げる事や、その対象となった存在の子々孫々に影響を与える事にあり、彼と戦う事になった時、如何に戦闘中にその存在に自覚がなかったとしても、気が付けばその『(まじな)い』が埋め込まれていて、気が付けば手遅れになるといったところにある。


 物理的な『力』といった強さや、相手の耐魔力を崩す程の殺傷能力が高い『魔力』を有するというわけではないのだが、この『真鵺』に狙われてしまえば、今後一体どんな影響を来すかが分からない為、人間達だけではなく『三大妖魔』と言われている山に影響力を持つ種族の者達や、あの『妖魔神』である『悟獄丸』や『神斗』でさえ、その真鵺の『(まじな)い』の効力の影響を正しく理解しており、鵺の種族自体の存在感を認める程であった。


 そんな厄介な『真鵺』の存在が、妖魔団の乱とどんな関係性があったのかまでは玉稿も分かってはいないが、この妖魔団の乱の計画を持ち込んだとされる妖狐の『朱火』の存在と、鵺の『真鵺』から計画を持ち込まれたと鬼人族の長である『玉稿』は質問を行ったヒノエを中心に、この場に居る全員に伝えたのであった。


「成程……。つまり、我々人間側の知る妖魔達の行った『妖魔団の乱』の狙いまでは、貴方に語って頂いたものと同じのようですが、その事変の出所となるのが、鬼人女王の起こしたモノではなく、その妖狐『朱火』と鵺の『真鵺』だったというわけですか」


 ミスズはここまで聞いた玉稿の話を整理するようにそう告げると、ずれ落ちてくる新調したばかりの筈の眼鏡をくいっと上げるのだった。


「うむ、その通りですじゃ」


 ミスズは頷く玉稿を見た後に、彼女の隣に並び立つシゲンの方へとその視線を向け直す。


「……」


 するとシゲンも何か思うところがあったようで、ミスズに視線を返した後に何やら思案を行い始めるのだった。


 ――そして『妖魔団の乱』が起こるべくして起こったのは、過去の人間と妖魔の関係上を省みても間違いはないようではあるが、その引き金を引く事になった発端は、紅羽(くれは)ではなく『朱火(あけび)』と『真鵺(しんぬえ)』だという新事実を記憶するソフィ達一行であった。

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