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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
妖魔山編

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1745/2221

1728.ミスズによる事情の説明

 ヌー達のやりとりを見ていた一行だったが、そこでミスズが玉稿に向けて口を開くのだった。


「どうやら無事に再会を果たされたようで何よりです。それで貴方がこの集落の長という事のようですが、お名前をお聞かせ願っても?」


「むっ、そう言えばまだ名乗っておりませんでした。久しぶりの再会だったもので申し訳ない……。ワシがこの集落の族長を務める『玉稿(ぎょっこう)』というものですじゃ」


「玉稿殿ですね。急に大人数で貴方がたの集落に押しかけて申し訳ありません。私は妖魔退魔師という組織の副総長を務めているミスズと申す者。もちろん我々は貴方がたに危害を加えるつもりは全くありません。事情はもうご理解頂けていると思いますが、そちらの百鬼(なきり)殿が探しておられたご同胞の『動忍鬼』殿を探すためにここへ寄らせて頂いたのです」


「妖魔退魔師……。確かその名は()()()()()()()()()()()()()()()()()()でしたが、どうりで……」


「いえ、()()()()()()()()()()稿()殿()。確かにかつてはこちらの妖魔召士の方々の護衛ではありましたが、こちらのシゲン総長の代になってからはもう()()()()()()()()()()()()()()


「そ、そうでしたか……、それは()()


 ちらりと赤い狩衣を着た『妖魔召士』のゲンロクやエイジ達を見て、一度はミスズ達の事を彼ら妖魔召士の護衛なのだろうと考えたが、直ぐにミスズが釈明を行った事で()()()()()()()()()稿()()()()()


 そのミスズの弁明の早さから玉稿は、これは決して()()()()()()()()()()()()()だと認識するのだった。


「こちらも申し遅れたな。私が妖魔退魔師組織を取り仕切る立場に居る『シゲン』という者だ。我々は百鬼殿を貴方がたの集落へ連れてくる事も目的の一つであったが、それは複数ある目的の一つでな。そこの『妖魔召士』組織の者達と共同でこの『妖魔山』の調査も予てここへはきたのだ」


 そのシゲンの歯に衣着せぬ物言いに、訝しそうに眉を寄せる玉稿だったが、直ぐにミスズが詳細を説明し始めるのだった。


 …………


「なるほど……、そういう事でしたか」


 ミスズは玉稿にソフィの仲間の捜索や、人間達が『禁止区域』と定めている山の頂付近を詳しく調査を行おうとこの山に入った事、そして当初の話通りに百鬼の同胞を探しに来た事などをしっかりと誤解のないように説明を行うのであった。


「では妖魔召士の方々は、この山に居る妖魔に手を出そうと山に入ったわけではないのですな?」


「うむ……。先に手を出されては無抵抗というわけにもいかないがな」


 当然に動忍鬼や百鬼の一件も関係はしていそうだが、どうやらこの鬼人族の玉稿という族長は、そこまで話の分からない妖魔というわけではないようで、しっかりとミスズの説明を聞いて納得した様子を見せるのだった。


 そして話の中でエイジやゲンロクも自己紹介を済ませると、しっかりとその後も妖魔である玉稿と普通の会話を行ってみせていた。


「貴方がた人間はどうやらワシらがいきなり襲う者達だと考えていたようだが、昔ならいざ知らず今はもうそんなつもりもないのですよ」


 玉稿の話を聴いていると、どうにも想像と現実の『鬼人』族の集落に差がありすぎて、本当にここは妖魔達の縄張りの中なのだろうかと、疑いたくなるソフィ達であった。


「しかしそうは言うがよ? 玉稿殿。少し前にあんたらのご同胞は、この山の他の種族も巻き込んで、あたしらの住む人里を襲ってきたじゃねえか。あれはどう説明する気だい?」


 今はもう人間達を襲うつもりがないと玉稿に口にされた事で、ヒノエは『鬼人族の族長』である玉稿に、前時代に引き起こされた『妖魔団の乱』は、一体どういうつもりだったのかと尋ねるのであった。


「貴方のいう『妖魔団の乱』というのは、ワシら鬼人族のかつての女王だった『紅羽』様が起こした事変の事で間違いないだろうか?」


「ああ。確かにその『紅羽』って名の女鬼人が代表格だったと記憶してる。そんで『朱火』って妖狐が代表の補佐を務めていたんだったか」


 ヒノエの言葉に人間達が名付けた『妖魔団の乱』の内容を理解出来たようで、玉稿は首を縦に振った後、神妙な面持ちで口を開き始めた。


「確かに『紅羽(くれは)』様や、妖狐の九尾である『王琳(おうりん)』殿の娘である『朱火(あけび)』殿は仲間の報復にと、妖魔召士達が居る中心街に山の主だった者達を集めて襲撃に行かれた事は間違いないのじゃが、実はあの事変の事には、少々複雑な事情が絡んでいましてな……」


 玉稿は少し話をし辛そうにしながらも、この場で事の真相を語り始めるのだった。

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