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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
妖魔山編

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1677.ノックスの世界に存在しない筈の理と魔法

 大魔王エヴィは『特異』を展開した後、直ぐに自身にダメ押しとなる『呪蝕(カース・エクリプス)』を用いて『耐魔力』を一般人以下にまで下げた。


 すでに先程神斗の耐魔力を下げようとして、逆に呪いを返されてしまっていたが、()()()()()()()()()、改めて『呪蝕(カース・エクリプス)』を用いたのであった。


 ――これによって彼は、如何なる『魔』の攻撃にも対抗出来ずにやられてしまうだろう。


 だが当然の如く、大魔王エヴィは(ただ)で済ませるつもりはない。相手の『魔力波』が如何に膨大な『魔力』を込めた『魔』の一撃であろうとも……。


 ――否、膨大な『魔力』が込められた『魔』の一撃であればある程、その大魔王エヴィの『特異』は威力を増す事になる。


 しかし当然にこれだけ至近距離、それも『魔』に対して絶大なる理解者である『神斗』には、目の前の『エヴィ』という少年の『耐魔力』が一気に消失した事に気付いた。


「次はいったいどういったカラクリを見せてくれるつもりなのか、非常に楽しみだよ!」


 ……

 ……

 ……


 大魔王エヴィが決死の『特別攻撃(ラストアタック)』を決断して『金色の目(ゴールド・アイ)』を展開したと同時、妖魔山の頂の結界付近に居た七尾の妖狐である『七耶咫(なやた)』が動いた。


 彼女は涼しい顔をしながら僅かコンマ数秒で『青』と『金色』のオーラを併用させたかと思えば、まず隣に居た『悟獄丸』に向けて『魔』で構築された複雑な『発動羅列』を並べ始めた。


 ――それは()()()()()()()()()の『(ことわり)』から生み出された紛う事なき『魔法』であった。


 一瞬で魔法陣が展開されると、膨大な七耶咫の魔力がその魔法陣へと吸い込まれていき、あっという間に魔法陣は高速回転を始めて効力が発揮される。


「なっ――!?」


 逃げようとするイダラマ一派を捕えようと攻撃態勢に入っていた悟獄丸だが、突如として見た事のない現象が七耶咫によって引き起こされて、やがては彼を炎のように赤い真四角で出来た『結界』が悟獄丸を包み込む。


「てめぇ、何だこれは!?」


「お前はそこで黙っていろ、私はいま忙しい」


 七耶咫は普段とは()()()()()()()()()()()を『妖魔神』である『悟獄丸』に見せたかと思うと、次に更に明らかにランク『9』を超過している『魔力』を展開する。


 今の七耶咫を包むオーラから生み出された『魔力』は、悟獄丸や神斗という妖魔神クラスと遜色のないレベルである。


 ――それはつまり、今の『七耶咫』の『魔力値』は、()()()()()』を意味している。


 そして『七耶咫』は悟獄丸の動きを封じたかと思うと、そのまま視線を空の上に居る『エヴィ』に向ける。


「あれは自らの死を代償とする事で、甚大な威力を伴わせるタイプの『特異(とくい)』だな。これだから異世界の金色の体現者の相手は面倒なんだ。神斗の奴の生み出している魔力であの『特異』が放たれてしまえば、この世界に及ぼす影響は計り知れない。それにアレに影響が出る可能性も否めぬ……」


 七耶咫の目が青色に輝くと同時、その手から『魔力』が用いられた青い火が次々と妖狐から放たれる。どうやらこれは彼女自身の妖狐としての特有の『力』のようで、発動羅列や『(ことわり)』などで生み出されたモノではなかった。


 ……

 ……

 ……


「!?」


 神斗は突如として山の方から『隣火(りんか)』が飛んできた事で、今からエヴィに向けて放とうとしていた『魔力波』を咄嗟にそちらに向けて放つのだった。


 七耶咫の青い火で出来た『隣火(りんか)』と神斗の『魔力波』がぶつかり合い、それはバチバチと音を立てながら数秒に渡って拮抗を続けるのだった。


「何だ? この()()は妖狐特有のモノ……? あれはまさか『七耶咫』が放ったのか?」


 ……

 ……

 ……


 すでに目の前に居る『エヴィ』は意識を失った状態で、特異による最後の『特別攻撃(ラストアタック)』を展開している為、今起こっている出来事を知る由もなく、ただそこに存在しているだけだった。


 しかしこの状態のエヴィに攻撃を仕掛ければ、そのままエヴィは死を迎えると同時に彼の『特異(とくい)』によって、彼の効果範囲内全てに彼が受けた苦痛や痛み、更には彼に向けて放たれたその『魔』の攻撃に比例した威力規模という絶望が、決して少なくない範囲一帯に影響を及ぼしてみせるだろう。


 だが、七耶咫の唐突な神斗に向けた弾幕攻撃によって、そのエヴィの『特別攻撃(ラストアタック)』による絶望はギリギリのところで行われずに済んでいるのであった。

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