表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
妖魔山編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1648/2235

1631.ソフィの湧き出る期待感と意欲

 今後の『妖魔山』での目標を確認し終えた後、細かな取り決めを最後に会議を終えた。


 明日の朝一番にソフィの『高等移動呪文(アポイント)』でゲンロクの里に向かい、当初の予定通りにエイジ達と合流を果たした後に、そのまま『妖魔山』へ向かう事となった。


『妖魔山』から一番近い町が『コウヒョウ』なのだが、当然にもソフィもヌーも行った事がない場所である為に『高等移動呪文(アポイント)』でひとっ飛びというわけにはいかない。


 そこでソフィが提案したのが『コウヒョウ』の町を知っている人間をソフィが空を飛んで運び、一度コウヒョウの町がある地点を記憶した後に、改めて全員を『高等移動呪文(アポイント)』で運ぶというモノであった。


 この世界の事をよく知らなかった頃は、もし運んでいる最中に『アレルバレル』の世界の『魔界』のように、襲撃が行われる可能性を考慮したその上で、エイジ達の指示に従っていたのだが、どうやらこの世界は強者達の存在や『結界』を発動出来る者こそ確認は出来たが、空を飛んでいる者達に対して『呪文』や『魔法』、または『特異』などを用いた技法で動きを封じたり、そういった妨害の心配がなさそうであった為、ソフィはその発案を提示したというわけであった。


 大胆で強引な手立てではあるが、妨害の恐れがなければこれが一番手っ取り早く、時間を掛けずに目的地へ向かえる方法である事には間違いがなかった。


 まずは本日、この後に妖魔山に向かう面子の中から案内役と共にコウヒョウの町に向かうつもりである。ソフィはその案内役には『ヒノエ』に頼んだ。別に『コウヒョウ』の町の場所を知っている者であれば、特には誰でも良かったのだが、前回廊下で彼女に声を掛けられた時、空から景色を眺めてみたいと彼女が言っていたのを思い出したからである。


 そして実際にヒノエを誘ってみると、大袈裟すぎるだろうと思える程に喜びを露わにして、何度も首を縦に振って引き受けてくれたのだった。


 そのヒノエの喜びようを見たスオウは苦笑いを浮かべて、そしてミスズは何処かヒノエを羨ましそうに見ていたのだった。


 そういえばミスズも前回の時、ゲンロクの里へ『高等移動呪文(アポイント)』で運んだ時にヒノエ程ではないが、普段見せない表情を見せて感動している様子だった。もしまた機会があれば彼女を誘って空の景色を見せてあげようと、ソフィは考えるのだった。


 ………… 


 会議が終わった後に『コウヒョウ』の町へと行く準備をする為、ソフィは一度宛がわれている自分達の部屋へと戻ってきた。


 ソフィとしては別に準備などせずとも直ぐに『コウヒョウ』へ向かっても良かったのだが、どうやらヒノエの方に色々と済ませておく必要のある用事があるとの事らしく、待ち合わせの時間を決めて、町の外の橋の前の広場で待ち合わせをする事となった。


 どうやら『妖魔山』に向かった後、自分の身に何かあった時に『副組長』である『ヒナギク』という隊士に組の事を任せるつもりらしく、色々とその件で話するらしいとの事だった。


 明日このサカダイの町を発った後、もう『妖魔山』に向かうのである。ソフィから見てもこの『妖魔退魔師』組織に居るシゲンやミスズ、それに他の最高幹部の組長格にしても相当な手練れだと認めてはいる。


 ヒノエにしても直接戦っているところをソフィが見たわけではないが、同じ組長格である『スオウ』は、あの『三色併用』を覚えたてだった頃とはいっても、あの時点でさえ、戦力値5000億は超えていたであろう『魔神級』に達していたヌーをあっさりと気絶させる程の腕前をしていた。その『スオウ』や『ミスズ』が認めている程のヒノエが弱いわけはないであろう。


 ――だが、そんなヒノエであっても、今回の『妖魔山』の調査で絶対に無事に戻ってこれる保証はないと考えているように思えたソフィであった。


(あのシゲン殿やミスズ殿も『妖魔山』の『禁止区域』とやらを話す時の目は普段と違っていた。まぁ、彼らにしてみればこれまで『妖魔山』の管理どころか、足を踏み入れた事すらもないのだから慎重になるのも当然といえば当然の話だが、それでもあの者達がそこまで真剣にならざるを得ない場所だというのだから、な……)


 ソフィは『妖魔山』に向かったとされる『エヴィ』の安否を気にしつつも、それだけ恐ろしい場所なのだという事を改めて考えるに至り、静かに期待感と意欲が湧いてくるのであった。

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ