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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
妖魔山編

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1598.四翼状態での死の結界の検証

 組織の副総長にして『特務』の長でもあるミスズは、自身が管理を務める『訓練場』のある建物に、彼女自身が直々にソフィ達を案内するのだった。


「ミスズ殿、忙しいところに案内をしてもらってすまないな」


「いえいえ、一息つこうと考えていたところだったので構いませんよ、むしろ個人的に息抜きに訓練場で素振りを行おうとしていたところだったので、ちょうどよかったです」


 ミスズの息抜きに鍛錬をしようとしていたという言葉を聞いたソフィは、相当に機嫌の良さそうな表情を浮かべるのであった。


 どうやら少しでも強くなろうと自己研鑽に励むミスズの姿に、ソフィは感心を覚えた様子であった。


 そしてソフィ達は『特務』の建物内に入ると、そのまま前に『ナギリ』に案内された方の道とは、全く違う道を案内されていく。


 少しずつ見えてきた部屋は、前の訓練場よりも一際広い部屋であった。


「うむ、ここであれば問題はなさそうだ」


「てめぇの『結界』がどう変わったのか、じっくりと見させてもらうとするか」


 ソフィの『結界』によって『妖魔召士』達が自分の『力』で絶命する瞬間を見ていたヌーは、ある程度はソフィの『結界』の進化がどういうモノなのかが予測出来ている。


 しかしそれでもその『進化』の『程』がどれ程なのか、それを見定めようと彼は考えたようである。


 実は『魔法』の『進化』が行われる事は長寿である『魔族』にとっては、そこまで珍しいというわけではない。


 当然に『魔力』がそこまで高くない『魔族』が、既存の『魔法』を進化させたというのであれば驚く事ではあるのだが、ソフィ程の『大魔王』であれば、既存の『魔法』が少し変わったくらいならばここまで注目する程の事ではないのである。


 しかしあくまで今回は『魔力吸収の地アブソ・マギア・フィールド』という『レパート』の世界の『大魔王』である『フルーフ』が編み出した『魔法』を更にソフィが進化させたという事で、ここまで大魔王ヌーや、大魔王セルバスは注目をしたというわけであった。


 ソフィ達を自分の訓練場を案内し終えたミスズだが、どうやらヌーの口にした言葉を聞いて興味が湧いたのか忙しい身だというのにそのまま戻る事をせずに、彼女もその場でソフィに視線を向け続けるのだった。


「さて、それでは始めるとするか」


 ソフィが静かにそう告げると、再び『魔神』をこの場に使役するための『詠唱』を行い始める。これから行う『結界』の実験に『魔神』の『力』が必要だと判断したためであった。


 現れた『魔神』はソフィを見て嬉しそうに微笑んだ。どうやら彼女にとってはソフィに呼び出される事だけでも至極の喜びとなっているらしい。


「度々すまぬな、今回も少しお主の『力』を借り受けたいと考えているのだが、構わぬだろうか?」


「――」(ええ、当然に構わないわよ! 敵対する勢力の存在は見受けられないし、今回も私は『結界』を張ればいいのかしら?)


「うむ。どうやら我の『魔力吸収の地アブソ・マギア・フィールド』の『魔法』が少しこれまでとは違ったモノに進化をしたようなのだ。一体それがどう変わっているのか、実際にしっかりと確認をしておかねば、今後扱いづらくなってしまうのでな。出来れば『四翼形態』をとってある程度の『力』を放とうと考えておる」


 『魔神』はちらりとこの訓練場に共についてきていた『セルバス』に視線を向ける。


「――」(貴方が少し前にあの下界の存在に行おうとした『救済(ヒルフェ)』規模の『魔力』を使わないのであれば、全然問題はないけれど、流石にあの規模以上ともなると、私としては一応は止めざるを得ないかもしれないわ。まぁ、貴方が絶対に使いたいのだというのであれば、もちろん止めるつもりもないし、この世界を粉々にさせない程度には尽力を尽くそうと思うわ)


 『力の魔神』という『天上界』の神々であっても、あの泣いていたセルバスを見て、何処か痛むのだと勘違いしたあの時のソフィの『魔力』を再び伴って『絶殲(アナイアレイト)』規模の固有魔法を用いられてしまえば、如何(どう)する事も出来ない。


「うむ、その辺は大丈夫だ。今回は前のように『魔力吸収の地アブソ・マギア・フィールド』の耐久性などを調べるというわけではない。それに今回は別の者に我の『結界』に『魔法』を放ってもらおうと考えておるだけだからな。最初に告げた通り、お主の『結界』は保険とさせてもらうだけだ」


 ソフィは安心させるように『魔神』に告げた後、ちらりと視線をこの場に共にきていたとある『魔族』に向けるのであった――。

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