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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1578.魔族達と、禁止区域に存在する妖魔

「その認識で間違ってはいませんよ。あのソフィという者と共に居た『ヌー』という男もまた、ランクが『8』以上はあるでしょうからな」


 そのヒュウガの言葉にゲンロクは、目を丸くして驚くのであった。


「ぬ、ヌー殿もランク『8』以上だと? そ、それは確かな事なのか、ヒュウガ!」


 ゲンロクはソフィがランク『8』だとしても驚く事はなかったが、まさかそのソフィと行動を共にしているヌーまでもがランク『8』以上あるとは思わなかったのである。


 ランクが『6』までと『7』とで大きな壁があるように、ランク『7』と『8』とではそれ以上に、大きな壁が立ち塞がっているといえるのであった。


(※ランク『8』は戦力値でいえば8800億から兆となり、前時代の『妖魔召士』組織でさえ、かつての長である『シギン』の側近を務めた『イッテツ』『コウエン』『ノマザル』と肩を並べられる程である)


「キクゾウが使役していた『式』の『黄雀(こうじゃく)』の事は、貴方も当然ご存じでしょう?」


「な、何? あ、ああ……。勿論知ってはおるが、それが?」


 『黄雀(こうじゃく)』はランク『8』にしてあの『天狗』の『王連(おうれん)』よりも戦力値だけならば上とされており、ゲンロクの代の『妖魔召士』の契約している『妖魔』の中で最上の『式』とされていて、当然『妖魔召士』の長であったゲンロクが知らない筈がなかった。


 これは私が『牢』に入れられた後に、ミスズ殿から直接聞いた話ですがと、前置きを行った上で説明を始めるのだった。


「私とキクゾウが『加護の森』からコウヒョウへと向かおうとしていた矢先に、あの魔族のヌーという者とミスズ殿に出くわしましてね。私はミスズ殿と戦う事となり、彼はキクゾウと『黄雀(こうじゃく)』を同時に相手にする事となったのですが、そのヌーという男は面妖な術を用いて天候を自在に操り、そして私がミスズ殿と戦っている間に、彼は『キクゾウ』と『黄雀(こうじゃく)』をあっさりと片付けてしまったそうです」


「それは真の事なのか? 『黄雀(こうじゃく)』は確かにランク『8』であった。それに『キクゾウ』の奴も前時代の『幹部』達と遜色のない『魔力』を有してそのランクは『6』に達しておったはずじゃが……」


 ランク『8』の妖魔だけであっても、大半の『上位妖魔召士』が死を覚悟する上に、その『上位妖魔召士』であるキクゾウが『黄雀(こうじゃく)』のサポートを行ったと仮定するのであれば、それは『ゲンロク』や『ヒュウガ』であっても対処は困難と謂わざるを得ない状況といえる。


 それがヒュウガの話では、そんな『黄雀(こうじゃく)』と『キクゾウ』を相手に自在に天候を操りながら、あっさりと決着をつけたのだという。


 もしそれが本当の事なのであれば、あの規格外の存在である『ソフィ』と行動を共にしている『ヌー』という『魔族』もまた、ゲンロク達の代の『妖魔召士』が束になっても、どうにもできない存在という事になってしまうのであった。


「もう理解に及ばれたかと思いますが、そんな化け物のような『魔族』共達と行動を共にして、向かうは『妖魔山』の『禁止区域』なのですよ? 化け物同士が意気揚々と戦闘の一つでも始められてしまえば、貴方は平然とその場で居られますか?」


 当然、その『妖魔山』の『禁止区域』には『妖魔退魔師』の存在も居るし、そもそもが『シゲン』の話ではあくまでも調査を行うだけであり、山の『禁止区域』に居る『妖魔』達を片っ端から討伐を行う予定ではないと言っていた。


 だが、あくまで『シゲン』という一人の人間がそう口にしたとはいえ、共に行動を行う『魔族』である彼らがその気になってしまえば、単なる調査で終わると『ゲンロク』は自信を持って言えなかった。


 かつてエイジから聞いた話ではあったが、ソフィという魔族は、普段は礼儀もしっかりと弁えていて、共に居て気が安らぐ程に気持ちのいい青年だという話だったが『煌鴟梟(こうしきょう)』のアジトの中で『妖魔召士』が使役した『式』に対して見せた一面は、それまでの印象が劇的に変わる程に実に好戦的だったらしい。


 ――その姿を見ていたエイジは、ソフィ殿は自分に匹敵する存在を求めており、その為にならば自ら死地へと赴く事も厭わないだろうとも告げていた。


「……」


 ――魔族『ソフィ』と、魔族『ヌー』。


 そんな桁違いの強さを有する存在の両名が、同時に『妖魔山』で暴れようとしたならば、当然に『禁止区域』のランク『9』以上の存在も本気にならざるを得ないだろう。


 そこまで考えが至った時にゲンロクは、かつての『妖魔山』の『禁止区域』に入る直前の『妖狐』を見た時の事がフラッシュバックするのだった。


「くっ……!」


 今度は先程とは逆に『ヒュウガ』が、苦悩の声を上げる『ゲンロク』を観察するような視線を向けるのであった。

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