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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1574/2232

1557.ソフィの代わりに説明をする大魔王ヌー

「ちっ! おい『天狗』! お前は主を連れて外に出ろ! これ以上この場での戦いは危険すぎる!」


「確かに……。あの紫色の禍々しい光を放っている円状のナニカは、我々でも手に負えぬ代物だ。関わってはいけないと本能で感じておる」


 この場に正常で居られているのは類まれなる『耐魔力』を有している『サクジ』と、ランク『7』に匹敵する『瑠慈(るじ)』と『江王門(えおうもん)』だけであった――。


 それ以外の数多く居た『妖魔召士』達は、ソフィの『死の結界』によって『魔力』を枯渇させられてフラフラとなっているところに『同志』の放った『捉術』によって、多くの者が命を落としていってるところであった。


 生き残っている者達も『空空妨元(くうくうぼうげん)』の効力によって幻覚を見せられてまともな状況ではなく、嗚咽を漏らして泣く者に悲痛な悲鳴をあげる者、更には発狂してしまい大笑いを始める者など、この場は『魔力吸収の地アブソ・マギア・フィールド』によって『捉術』を元とした『(ことわり)』有りの『魔法』の影響によって、精神が崩壊した者で溢れかえる地獄となっていた。


 ……

 ……

 ……


 その頃ゲンロク達の里では、突如として姿を消した『ソフィ』に場は騒然となったが、そこで次に行動を起こそうとしたのは大魔王『ヌー』であった。


 彼は直ぐに『魔力探知』によって、ソフィの今の居場所と、何故ソフィが突如としてその場所へ向かったのか、その双方の理由を察したため、直ぐに自身も『高等移動呪文(アポイント)』を用いてソフィの後を追おうと考えたが、そこでこの場に居る『シゲン』や『ミスズ』の顔を見たヌーは、舌打ち交じりに口を開き説明を始めるのだった。


「どうやらあの野郎はてめぇらの町に向かったようだ。明確な理由までは知らねぇが、セルバスの野郎の『魔力』が感知出来なくなった事を踏まえると、てめぇらの本部に何者かの襲撃があったんだろうな。悪いが俺と『テア』も戻らせてもらうぞ?」


 ――何と、あの()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()である『ヌー』が、ソフィのために()()()()()()()()()()()()のだった。


「な、何ですって!? お、お待ちください、それは真の事なのですか!? い、いや事実の確認を行うのならば現場に向かう事が先ですね……、すみません、ヌー殿! 私とシゲン総長も連れて行ってはもらえないでしょうか!」


 驚きながらもミスズはしっかりと確認を行うためにシゲンを一瞥するが、そのシゲンが首を縦に振った事で一緒に連れて行ってくれとヌーに頼むのだった。


「ああ、それは構わねぇが、いちいち行く連中を選定している時間を待つつもりはねぇから、行きてぇ奴はさっさと近寄りやがれ!」


「わ、ワシらも連れて行ってくれ! 襲撃があったというのであれば十中八九『ヒュウガ』の仲間達であろう。奴らが『サカダイ』の町を襲ったというのであれば、ワシらにも間接的に責任が生じる。連れて行ってくれ!」


 『妖魔退魔師』本部に『ヒュウガ』の一派達が捕縛されて『牢』に繋がれている以上、襲撃があったとするのならば、その一派達だろうと結論付けたゲンロクが、ヌーにそう申し出るのであった――。


「ちっ! 分かった分かった。行きてぇなら、さっさと俺に掴まりやがれやっ!」


 苛立ち混じりにヌーがそう告げると、ミスズとシゲンだけではなく『エイジ』と『ゲンロク』を含めたこの場に居る全員がヌーの元に寄っていくのだった。


 そして次の瞬間、一斉に『高等移動呪文(アポイント)』によってこの場に居た者達は、その全員が一瞬で『サカダイ』の町へと移動するのであった――。


 ……

 ……

 ……


 たった一撃で『妖魔召士』を倒したソフィは、治癒を行っていた『魔法』を止めるとおもむろに口を開き始める。


「原因が他にあるというのであれば、これ以上『救済(ヒルフェ)』を使っていても仕方あるまい。ひとまず怪我は完治したようであるし、原因とやらを一つ一つあたっていこうではないか」


 ソフィは大事な仲間である『セルバス』をこんな目に遭わせた連中に対しての怒りが、未だに少しも収まってはいない様子であった。

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