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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1535.次へと繋げる覚悟と心構え

(この目の前に居る『鬼人』も見るからに厄介に見えるけど、あの奥の背中に黒い羽根が生えている『妖魔』が一番やばい……! どうやら『天狗』で間違いなさそうだけど、上の方々の話では今の『妖魔召士』達で『天狗』と契約を行っているのは表立っては『ジンゼン』殿の『王連(おうれん)』だけだと言っていた筈だけど、他にも『天狗』と契約を行っている者が居たなんて!)


 確かにタツミの考える通り『天狗』と契約を果たしている『妖魔召士』は、当代では『ジンゼン』のみだと報告に挙がっている通りであるのだが、残念ながら『サクジ』は現在は正式な『妖魔召士』組織に所属をしてはおらず、前時代の『妖魔召士』にして、現在は『はぐれ』の身となっているため、流石に二大組織となった『妖魔退魔師』組織であっても『江王門(えおうもん)』と契約を行っている『サクジ』までは情報が回っていなかったようである。


 サクジが新たにとんでもないランクの『式』を使役した事で先程までとは打って変わり、この本部前の場は静寂に包まれている。


 当然、他の場所では戦闘は継続されているが、ここでは『江王門(えおうもん)』と『瑠慈(るじ)』の威圧に『タツミ』達や『妖魔退魔師衆』は圧倒されてしまっている様子であった。


 まだ『本部』の中には組の『幹部』や、タツミ達『特務』の先輩や『ナギリ』、それに『カヤ』の存在も居るが、これだけの数の『妖魔召士』が居る以上、一箇所に戦力を集めることは難しい。


 ――こういった時は、攻められる側よりも攻める側の方が圧倒的に有利である。


 過去の歴史上、この『サカダイ』の町に『妖魔召士』が『式』の『妖魔』を伴って攻め込んできた事はないが、彼ら『妖魔退魔師』達は常に『妖魔』が町に攻め込んで来た時の事を考えて対策済みである。


 今回の場合は『妖魔退魔師』の総長、副総長に最高幹部達が一斉に町を離れているため、仕方なく組に所属している『幹部』や『カヤ』や『ナギリ』といった『特務』の幹部達が『本部』の守りを優先しなければならず、直ぐに外にまで出て来る事は難しいだろう。


 つまり各々で襲撃者を退けなければならない状況であり、この場においては『鬼人』『天狗』の高ランクの『妖魔』達を『タツミ』達だけで対応せざるを得ないだろう。


 少し待てば本部内の者達も余裕が出来て外に出て来れるようになるかもしれないが、それだけの時間を持たせるのは相当に厳しい状況である。


(せめて『妖魔』達だけであったならば、まだ色々とやりようはあったでしょうけど、周りの『妖魔召士』達も侮れない……。この方々はどうも『魔瞳』や『禁術』だけに頼っている最近の『妖魔召士』達と同じとは思えない。何処か『妖魔団の乱』以前の『ケイノト』を守っていた『妖魔召士』達の方々のように感じる……)


 タツミがまだ『予備群』として活動を行う以前の『妖魔召士』達は、今の『妖魔召士』組織に属する『妖魔召士』とは違い、彼女達『妖魔退魔師』のように、身一つでもある程度は戦える『妖魔召士』であったと言われている。


 直接タツミがその頃の『妖魔召士』の戦いっぷりを見たわけではないが、どうも先程の『式』を出す前の『妖魔召士』達の行動を見るに、全てが『禁術』や『式』に頼りきっているように思えず、直接戦っても一筋縄ではいかなさそうだと感じさせられていたのだった。


(このままでは埒が明かない。せめて奴らの手札を一枚でも減らして後に繋げるのが、この場で私が出来る最大限の役割だ!)


 『妖魔退魔師』として、いや――。


 刀を握り『妖魔』から自分達の町に生きる人間達を守ろうと決意して『予備群』となった時から、すでに覚悟は決まっている。


 彼女の直属の先輩である『カヤ』然り、そして『妖魔退魔師』の最高幹部の『キョウカ』組長然り、この『妖魔退魔師』組織に属する者ならば一度は考えた事のある死への覚悟、そして心構えを持つ『タツミ』であった。

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