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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1530.本部付け予備群VS守旧派の妖魔召士

『サカダイ』の『一の門』を壊した『妖魔召士』達は、多くの『式』の『妖魔』と共に、足早に『妖魔退魔師』の本部のある方へと突き進んでいく。


 この場に居る『妖魔召士』の全員が、妖魔ランクで表せば『5.5』から『6』に到達している『妖魔召士』達であるために『一の門』付近を守っていた本部付けの『予備群』達であっても、止めようにも止められない。


 何とか高ランクの『妖魔』や『妖魔召士』達から命を散らさずに居られているだけでも大したものであった。


(※ランク『6』は、5600億から6500億の戦力値であり、本部付けの『予備群』達は、ランク『4』から『4.5』であり、その戦力値は精々が2800億から3700億である)


 自分達の命を守りながら、上手く立ち回っている『予備群』達だが、それだけでは『妖魔召士』達の前進を止められるわけでもなく、数多く居る『妖魔』達と刀で鍔迫り合いと距離を取る後退を繰り返しながら、彼らの本部のある建物が迫ってくるのであった。


 しかしこうして格上である『妖魔』達と渡り合っていても生き延びられている事に自信を持った『予備群』達は、近くに居る仲間達と力を合わせて二対一の構図、三対一の構図に持っていければ更に有利になるだろうと考え始めて、近くに居る仲間に合図を送り、同じような考えを有していた仲間と結託を始めるが、それを見た『妖魔召士』達はニヤリと笑みを浮かべるのであった――。


 ――捉術、『魔重転換(まじゅうてんかん)』。


「!?」


 上手く立ち回っていた『予備群』達が『狗神』や『幽鬼』ではなく、ランク『5』の鬼人を数人掛かりで狙い、更なる成果を目指そうと一箇所に集まったのだが、それこそが『妖魔召士』の狙いだったようで、彼らが『妖魔』に攻撃を仕掛けようとする瞬間を狙われて行動を制限させる『捉術』である『魔重転換(まじゅうてんかん)』を用いられるのであった。


 これまで上手く立ち回れていると考えていた『予備群』達は、自分達の動きが鈍くなった瞬間に罠だと気づき、攻撃を取りやめて慌ててこの場から離脱しようと考えて踵を返したが、何とその先では笑みを浮かべた『妖魔召士』達が彼らを取り囲んでいるのであった。


 見事な連携ではあるのだが、これは事前に話をしていたわけでもなく、彼ら『妖魔召士』達はそれぞれが互いの動きやすいように立ち回っており、自分達であればどれだけの事が行えるかというラインを見極めているために自分であればこうするだろう、そしてこう動けば仲間はその優位性を利用して更にその先を読み取れるだろうという謂わば信頼のある『先の先』の行動を読んで動いていたようである。


 これこそが『シギン』の世代の『妖魔召士』組織の立ち回りであり、何よりも恐ろしい『妖魔召士』達の戦い方であった。


 三人の『予備群』達に対して、四人の『妖魔召士』達は同時に手印を結びながら『捉術』の準備を行い始めており、更にはその『予備群』達の動きを封じるように動きが鈍くなった『狗神』達が襲い掛かっていく。


 まるで『リラリオ』の世界の冒険者パーティや『アレルバレル』の世界の勇者パーティのように、前衛と後衛の役割を上手く『妖魔召士』と『式』の『妖魔』が担っているようであった――。


 前方に居た『予備群』が『狗神』の振り下ろされた前腕を刀で防いだが、その瞬間に何もない空間から複数の『手』と『目』が出現したかと思うと、その彼らの手から現れた『手』が刀を奪い取ると、その他の『妖魔召士』達が同時に手印を完成させて更なる『捉術』を発動させる。


 ――捉術、『魔波空転(まはくうてん)』。


 同時に放たれた『捉術』の効力によって、動きが鈍くなっていた『予備群』達が一斉に背後へと吹き飛ばされていき、そこに待ってましたとばかりに『幽鬼』が丸太のような大きな腕を振り回して殴り飛ばす。


「ぐぁ……っ!!」


 飛ばされた二人の内の一人は、何とか首を捻って勢いを殺したが、もう一人の男はそのまま飛ばされた先に待ち構えていた蜘蛛の『妖魔』に、糸でグルグル巻きにされた後、そのまま食べられてしまいそうになるのだった。


「う、うわああっ!!」


 サクジの出した『土蜘蛛』のような大きな蜘蛛ではないが、それでも『妖魔』だけあって動けなくなった人間を食べる事は可能な大きさであった。


「――!」


 そんな『妖魔』を前にして死を悟った『予備群』の男が悲鳴を上げたが、男が食べられる寸前に口を開けた蜘蛛の顔面が真っ二つに斬り落とされて、その男は九死に一生を得るのであった。


 蜘蛛の顔を斬った男は先程ここから遠く離れた南側で、若い隊士達に注意を行った『妖魔退魔師衆』の男であった。

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