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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1529.サカダイ本部側の再編成

「よし、こちらは町の大半の者達を『特務(とくむ)』の施設へと避難を済ませたぞ! そちらはどうだ?」


「南の方も先程避難勧告を行い、実際にこちらも多くの者達を避難させられた。問題は襲撃が行われた『一の門』の方だが……。入り口の者達は総長の命令で本部の警備に移っている筈だよな」


「ああ。あの捕らえた『ヒュウガ』殿達を見張るためにな。そしてその『ヒュウガ』殿達の脱獄に加担しようとする一派の襲撃に備えてとの事だったが、どうやら襲撃してきた者達は『()()()()』を着ていたようだし、本当にその一派の襲撃のようだぞ」


「おい! 何をくっちゃべってやがる! 町民の避難が済んだのならお前達も直ぐに前線へ応援に向かえ! 前線は激化しているんだぞ!」


「は、はい! す、すみません!!」


「も、申し訳ありません! た、直ちに向かいます!」


 二人の若い『妖魔退魔師衆』達が話し込んでいるところに現れた、コウゾウと同じ年頃のベテランの『妖魔退魔師衆』が忠告を行うと、慌てて若い『妖魔退魔師衆』達は『一の門』の方へと向かうのであった。


「全く最近の若い連中は、緊張感がない……!」


 そのベテランの『妖魔退魔師衆』の男は溜息を吐くと、そのまま自らも『一の門』の方へと向かうのだった。


 …………


 その頃『サカダイ』の『妖魔退魔師』の本部では、すでに隊士の『予備群』達から『妖魔召士』達の襲撃があった事が伝えられており、本部の守りと襲撃に対応する者の班分けの再編成が行われていた。


 当然に前もって襲撃に備えた編成を副総長の『ミスズ』からの指示で行われていたのだが、少しばかり予定にあった襲撃と今回の襲撃の規模に差があり過ぎたため、急遽『特務』所属のカヤによって、本部付けの『妖魔退魔師』達が集められて再編成が組まれていたのであった。


「良いですか! 現在、この『サカダイ』の町に大人数の『赤い狩衣』を着た者達が『妖魔』を伴って襲撃を起こしており、すでに『一の門』が先程破られたと報告がありました! 当然にこれは『妖魔召士』とその者達の『式』の仕業で間違いないでしょう。どうやら総長達の留守の合間を狙い、我々が捕縛している『ヒュウガ』殿とその一派を解放しようとする『ヒュウガ一派』の別動隊の者達と考えられます」


「くそっ! やはりこの『サカダイ』の町であっても間諜の存在を許してしまっているか!」


 『特務』のカヤが現時点での分かっている事をこの場に集めた『妖魔退魔師』達に報告すると、それを聞いていた本部付けの『妖魔退魔師』が悔しそうに言葉を漏らすのだった。


 この場で話を聞いている大半が本部付けの『妖魔退魔師』達であり、彼らは外で警備にあたっている『予備群』や『妖魔退魔師衆』より明確に座布団が上である。


(※『妖魔退魔師』の役職一覧。地方配備予備群→本部付け予備群→本部付け妖魔退魔師衆→一般妖魔退魔師→特務専門部署(一般組員)→幹部妖魔退魔師(一組、二組、三組の組員)→副組長格→組長格→(特務専門部署代表)→副総長→総長となる)


(※2因みにこの組織における座布団の意味とは役職、地位の事)


(※3組織内で『特務の代表』が副組長格や組長格より座布団が上になる理由として、その特務の代表が副総長と兼任している『ミスズ』であるため)


「それは仕方ないでしょうね。我々とて『ケイノト』には『予備群』を派遣出来ない代わりに間諜を忍び込ませているのですから、彼らとお互い様といえますし、そもそもこれまで武力を伴った戦争などがなかっただけで、実際には袂を分かった時からすでに間諜の存在は互いの組織で確認出来ていましたからね」


「それは分かってはいるが、総長達が居ない時を見計らって、こうして我々の町に乗り込んできたというのが気に食わぬのだ! ヒュウガ殿達の一派は噂に聞く以上に卑劣な連中だったのだな!」 


 実際には『ヒュウガ一派』ではなく、前時代の『妖魔召士』で『はぐれ』となっている『守旧派』の者達なのだが、そんな情報が彼ら『妖魔退魔師』組織の者達に分かるわけもなかった。


「確かに歯痒い気持ちは理解出来ますが、今はそんな話をしている場合ではありませんよ。こうしている間にも我々の仲間達が奴らを食い止めてくれているのです。先程我々『特務』が新たに申した通りの編成で直ぐに動いて頂きます。準備はよろしいですか?」


 ――特務所属のカヤ隊士が真剣な表情でそう告げると、彼女の上役の幹部の組員達も徐に頷くのであった。

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