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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1544/2228

1527.はぐれ妖魔召士達の襲撃開始

 そして遂に『サカダイ』付近の『旅籠町』から、赤い狩衣を着た集団が行進を始めて行く。


 現在彼らは各々が『結界』を張りながら進んでいる為、連なる事で広域結界を張っているような状態となっている。


 『コウヒョウ』から『旅籠町』までの移動の時には『結界』を張っていなかった『守旧派』の『妖魔召士』達だが、ここから『サカダイ』の町までは『結界』を常に施しながら進もうとしているようだった。


 その理由としては、もうここからはいつ戦闘態勢に入ってもおかしくない契機に入ったからである。


 彼らは『はぐれ』となった者達ではあるが、最早この数は単なる『はぐれ』の一派の範疇に収まらない。


 当然、前時代の『妖魔召士』組織に在籍していた『守旧派』全員が居るわけではないが、それでもその大半の『保守本流』を汲み取る『妖魔召士』達がこの場に集結を果たしている。


 すでにゲンロクが指揮を取る『改革派』が当代の『妖魔召士』組織ではあるが、この『守旧派』の『妖魔召士』達が『サカダイ』の町の『妖魔退魔師』組織を襲撃するという構図は、まさに前時代の『妖魔召士』達が、当代の『妖魔退魔師』に襲撃を仕掛ける程に衝撃的な出来事に映るのであった。


 そして遂に『サカダイ』に繋がる大きな橋が見えてくると、ここまで『結界』を切れ目なしに張り続けてきた『妖魔召士』達が新たな行動に出始める――。


 彼ら全員が張っていた『結界』を今度は数人のみに絞ると、サクジを含めた残された者達が懐から『式札』を取り出すと、その場に放り投げて行く。


 ――次の瞬間。


 ぼんっ、ぼんっという音と共に、次々と数十名の『妖魔召士』の放つ『式札』から『妖魔』が出現を果たしていく。


 ――『鬼人』に『鵺』に『妖狐』、その他にも『狗神』や『虎』に『()()()』と、多種多様の『妖魔』達が姿を見せており、まるでかつての『妖魔団の乱』の再来かと思われる程であった。


「よいか! 間違っても『式』達に『妖魔退魔師』や『予備群』以外の者達を襲わせるでないぞ! あくまでワシらが『妖魔退魔師』の『本部』に向かうまでの囮とするのだ! だが、刀を握り刃向かって来る者達に対しては、遠慮をせずともよいからな! 後方支援の役割を担う者は、門の外からぐるりと町を囲むように散けて『結界』を展開し待機せよ。そしてワシらが『同志』を連れ出してきたタイミングで出している『式』達を全員戻し、そのまま町を出ると同時に、一斉にここまできた時と同じように『結界』を繋ぎ合わせながら『旅籠町』へ一直線へ駆け抜けるのだ!」


 サクジの言葉に赤い狩衣を着た『妖魔召士』達は、首を縦に振って一斉に頷いて見せるのだった。



「よし、それでは『同志』諸君! 一気に行くぞ!!」


「「応!!」」


 サクジの号令と共に一斉に『妖魔召士』と『式』の『妖魔』達が『サカダイ』に向けて駆け抜けて行く。


 普段であればいち早く『一の門』の櫓の上から複数の警備を行う本部付けの『予備群』達が異変に気付き、仲間達を結集させて排除行為の行使をするところであるが、現在その『一の門』には最低限の人数の『予備群』しか居らず『二の門』や『町』の中に居る『妖魔退魔師』衆達との連携を取るのが遅れてしまっていた。


 いつもであれば『サカダイ』の町に入るために通らざるを得ない一本の橋を渡り終えるまでには、数多くの『予備群』や『妖魔退魔師』衆が撃退を行っているところだが、現在はシゲンの命令によって『警備』の多くを本部の中に集めてしまっているために、一気にサクジ達が一本橋を渡り終えてしまうのであった。


「橋の前に居る者達は『鳥』を使役して空から門の中の者達を偵察しろ! 『結界』担当は池の周りに遠距離の攻撃手段を持つ『式』を放つのだ。残った全員で一気に『門』を破壊する。そしてそのまま立ち止まらずに奴らの本部まで向かうぞ! 者共、ワシに続けぇっ!!」


「「応!!」」


 ぼんっ、ぼんっという『鳥』の『妖魔』達が出現する音を聞きながら、一斉にサクジ達は、登り辛い歩幅の違うように作られた石段を駆け上がりながら『サカダイ』の『一の門』の元へと向かっていくのであった。

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