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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1525.やる気を取り戻したサクジ

 そして『ゲンロク』の里で『エイジ』が当代の『妖魔召士』の長となった事が発表されている同時刻――。


 遂に『サクジ』達の元に届けられた『間諜』からの情報が揃えられるのであった。


 現時点において『サカダイ』の町には、確実に『総長』に『副総長』、更には『組長格』に『副組長格』が、確実に居ないであろう事や、直ぐに戻って来れる場所にも居ない事が明らかとなった。


「サクジ殿! 『サカダイ』の町に居る主だった者は、あの副総長の『ミスズ』が作り上げた部署の『特務』の者達に、本部付けの妖魔退魔師衆。そして本部付けの『予備群』が多数といった模様」


「然り、どうやら奴らは『妖魔山』の調査を本気で行うようですな。すでにこの『サカダイ』付近から居なくなっている事からも数日前から念入りに準備が行われていたのでしょう。行き場所はやはり『ゲンロク』達の居る北の里でしょう。ここまで戻って来るまでに早くても最低『二日』はかかる。奴ら『妖魔退魔師』が本気であっても、我らが『サカダイ』の町に向かい、捕らわれている『同志』達を全員助け終えて、再びここに戻って来るには十分過ぎる程でしょうぞ」


「サクジ殿。何故『コウエン』殿が戻って来ぬのかは分かりませぬが、このタイミングを逃せば折角の奴らが居らぬという絶好の好機を逃してしまいます。早速向かおうではありませんか!」


 この場に居る『同志』の者達は、その口々に『サクジ』に出立をするように働きかけるのだった。


 ここに来るまであった『サクジ』の勢いが見るからに失われている事で、どうやらこの周りに居る『同志』達の一部は、この期に及んで『サクジ』が尻込みしていると判断した様子であった。


「う、うむ……! そ、そうだな! だが、もしかしたらコウエン殿が向かって来ておるところかもしれぬ。も、もう少しだけ様子を見ようではないか。お主らの集めてくれた情報通りであれば、もう少しだけ待っても『妖魔退魔師』達は戻ってはこれぬ。な、な? も、問題なかろう!」


「サクジ殿……。一体どうしたというのだ? 貴方がそこに居る『ライゾウ』と『フウギ』の相談に乗って、我々をこの場に連れてきたのではありませぬか」


「然り。現在の我々の旗頭である貴方がそんな弱腰では、成功するものも失敗すると思われるが……?」


 一人の『同志』のその言葉に『サクジ』は、激昂するように顔を赤くして立ち上がった。


「だ、誰が弱腰だ! こ、このワシを見縊るなよ! 前時代の保守本流の『妖魔召士』組織で、シギン様の側近を除けばワシが一番『魔力値』が高く、扱える『捉術』もお主らより遥かに上なのだぞ!」


 そのサクジの言葉に弱腰と告げた『同志』の男が、片目を閉じながら溜息を吐くのだった。


「はぁ……。分かっておりますよ『サクジ』殿。だからこそ、ワシらはこうして貴方に素直に付き従っておるのではないですか。この場に居る全員が『妖魔召士』組織を『外法』や『禁術』を一切用いなかった、正常な時代に戻す事を望んでいるのですよ。当代の『妖魔召士』の『魔力』でワシらに匹敵する程の侮れぬ者は、精々が『ゲンロク』くらいなもの。後はワシらの半分程の『魔力』の半人前の『妖魔召士』しか残っておらぬ。年齢や数の上ではワシらは不利であろうが、これだけの『同志』で里に押し入れば、奴らは戦闘を行うまでもなく屈して、ワシらに付き従うでしょうぞ。後は『妖魔退魔師』組織に捕らわれている『同志』を救い出して、ワシらが決して仲間を放っておかぬというところを内にも外にも知らしめましょうぞ!」


「そ、そうだな……! 後ろ盾のないワシらが歴代最強の『妖魔退魔師』の本部に襲撃して仲間を助けたとなれば、雷鳴の如くワシら保守本流の『妖魔召士』の名は轟き渡る! これは絶好の好機で間違いはない!」


 耳ざわりのいい『同志』の言葉に、遂に『サクジ』は調子を取り戻したようであった。

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