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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1521.新たな妖魔召士の長

 突然のエイジの表明にこの場に少しの間沈黙が訪れたが、ミスズとシゲンが同時に拍手を行い、やがては『妖魔退魔師』組織の組長を含めた、幹部達全員から拍手が巻き起こるのだった。


()()()()()()()()()()、エイジ殿」


「『改革派』の中の『妖魔召士』の里の中から、かつての『保守本流』を正当に引き継ぐエイジ殿が選ばれるとはな。ゲンロク殿も思い切ったものだ。しかしその実力があったからこその推薦であろう。これから色々とよろしく頼むぞ、エイジ殿」


 自分の認めている男が『妖魔召士』の長となった事で、素直に祝いの言葉を向けた『妖魔退魔師』副総長のミスズ。


 そして『妖魔退魔師』総長のシゲンはまず、このゲンロクが築いた里で『改革派』しか居なかった『妖魔召士』組織から『守旧派』であった『エイジ』を選んだ『ゲンロク』。その『改革派』のトップであった『ゲンロク』に、GOサインを出させた類まれなる『天才妖魔召士』の『エイジ』の実力を改めて認めるに至り、これから自身の『妖魔退魔師』組織と対をなす大組織の『妖魔召士』の長となったエイジに拍手を送るのであった。


 『妖魔退魔師』組織の総長、副総長から同時に祝いの言葉が送られると、エイジは堂々とした振舞いを見せながら軽く頭を下げるのだった。


「ははっ! やっぱり『ゲンロク』殿は、最初に私が思った通り、大した御仁だったようだな!」


 片膝を立てながら嬉しそうな表情を浮かべたヒノエは、流石だとばかりにその英断を下したゲンロクに対して、手を叩きながら褒めたたえるのだった。


「そっか。やっぱりエイジ殿は俺の思った通り、凄い御方だったって事だね。サカダイの町の前で貴方を見た時に、昔と何も変わらなかったと俺は思っていたんだよ」


 ゲンロクの下した英断を褒めるヒノエ組長と対照的に、スオウ組長は少し前に一度だけ『サカダイ』の町の前でソフィ達を送り届けた『エイジ』の姿から、こうなるだろうと思っていたと口にして『エイジ』殿はやはり凄いとその印象を更に強くさせてみせるのだった。


「うむ。道理に適っておるとしてもそれが素直に実現するとは限らぬのが世の常であり、秀でた者がこうして素直に選ばれて、あるべき場所に収まるというのはやはり素晴らしい事だ……な?」


 自分の言葉にふと、何やら()()()()()()()()を感じたソフィだったが、今は自分の事は後回しにすべきだと判断した彼はエイジに拍手を送るのだった。


「まぁ、当然だな。俺にあれだけ意識させられる野郎だ。その気があるなら、世界すら動かせるような器で間違いねぇだろう」


「ほう? お主がそこまで人間に対して認める発言を行う事は珍しいではないか」


「まぁな。そこに居る眼鏡の女もエイジも侮れねぇ力をもってやがる事は確かだ。種族なんかで本当の強さは計れねぇってのは認めてやるよ」


「ふむ」


 眼鏡の女というのは『ミスズ』殿の事だろうという事は直ぐに分かったソフィだが、真に驚いたことはこのヌーが『エイジ』の名前を直ぐに出した事であった。


 『アレルバレル』の世界に居た頃のヌーは、同じ魔族であっても名前で呼ぶ事は珍しく、それこそ余程に認めている者しか呼ばない程であった。


 それがまさか魔族でもない人間に対して、それも自ら強い者は種族は関係ないと断言するような事を口にしたヌーを見て、ソフィは感心したような目を向けるのであった。


(この世界に来て我はこやつの変化に何度も驚かされたものだが、こやつが人間に対して抱いていた感情がまるっきり変わっている事に、一番驚かされたかもしれぬな)


 強さに種族は関係ない――。


 その事に気づいた以上、今後の大魔王ヌーは人間に対しても色眼鏡で見る事なく、そして決めつけなどもしないだろう。


 そしてこの大魔王ヌーは、自分より強いと思った者に対しては対策を取ろうと執念深く研究を行う。


 大魔王『ソフィ』は大魔王『ヌー』を見て()()()()()()()()()()()と、この時にまた一つ確信を抱くのであった。

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