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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1516.最上位妖魔召士同士の戦いに決着

 まさかのイダラマによる捨て身の反撃によって、自身の『スタック』のポイントから放った『魔力波』の攻撃のダメージをそっくりそのまま受けざるを得なくなったコウエンは、地面に手をつきそうになる程の激痛に何とか耐えていたが、その彼の頭上で無表情のまま見下ろしているイダラマが、更なる追撃を加え始めるのだった。


 ――僧全捉術、『魔重転換(まじゅうてんかん)』。


「ぐぉっ――!?」


 何とか痛みを堪えるように蹲っていたコウエンは、顔から床に叩きつけられて地面から立ち上がれなくなる。


「終わりだ、コウエン殿」


 ――捉術、『修劫(しゅうごう)』。


「い、イダラマ……! き、きさまぁ!!」


 床に崩れ落ちて倒れているコウエンの背中に左手をそっと置いたイダラマは、残酷にもコウエンの『魔力』を()()()()()()()()()()()()()


 そしてその瞬間に、この場に残されていたコウエンの『スタック』も同時に全て消え失せていく。


 大元のコウエンの『魔力』がなくなった事で、維持が出来なくなったのだろう。


 そしてイダラマは、コウエンの魔力がなくなったと同時に『魔重転換(まじゅうてんかん)』を解いてみせるのであった。


「まだ何か用意があるかと思ったが、どうやら本当に何もないようだ。やはり衰えたな、コウエン殿?」


 『捉術』の影響がなくなり、床から起き上がれるようになったコウエンは、胸を押さえながらも必死に見上げながらイダラマを睨みつけるのだった。


「あまり無理をしない方がいい。貴方に向けて放った『修劫(しゅうごう)』は『魔力値』ではなく『魔力』を枯渇させる程度にしてある故に、生命を費やせばまだ少しは『捉術』を使えるが、そんな()()()程の『力』では私には何も通用しないのだからな」


 どうやら全てがイダラマの狙い通りなのだろう。


 もう何をしても届かないと判断したコウエンは大きく溜息を吐くのであった。


「「コウエン殿!!」」


 そんなコウエンの元に駆け寄ろうと『同志』の二人が遠くから声を出したが、その瞬間に『金色のオーラ』を身に纏った大魔王『エヴィ』は、人の形を模した砂で出来た人形を数十体程、彼らの進行方向を妨げるように周囲に作り出すのであった。


「――動くなよ? そこから一歩でもイダラマ達の方へ向かえば、()()()()()()()?」


 キィイインという音と共にエヴィの目が金色に光り輝き、その瞬間に人の形をなしている砂で出来た人形達は、ギロリと『妖魔召士』達を睨みつけるのだった。


「「くっ……!?」」


 静かな『殺意』を孕んだ言葉を出したエヴィと、その周囲の不気味な砂で出来た人形達。


 更には彼らの背後から挟撃をするかの如く『アコウ』と『ウガマ』が『天色』のオーラを得の刀に纏った状態でにじり寄ってきた為に、完全に動きを止められた『同志』達であった。


「分かった……。ワシの負けだ。だから『同志』達には手を出さんでくれ」


 コウエンは静かに立ち上がりながら、観念をするかのようにそう告げるのだった。


「……麒麟児よ、そやつらを解放してやってくれ」


 エヴィはそのイダラマの言葉に大きく溜息を吐くと、パチンと指を鳴らすのだった。


 次の瞬間、彼らの行く手を阻んでいた人形達は、サラサラと地面に崩れて跡形もなくなって消える。


「「こ、コウエン殿!!」」


 妨げる者達がいなくなったのを見た『同志』達は、慌ててエヴィの横を駆け抜けてコウエンの元へと駆け寄るのだった。


「今後は私達の邪魔をしないと約束して大人しくこの場から去るのであれば、貴方がたの安全を保証しよう」


 それは単にこの場で去るだけではなく、今後は『妖魔山』にも近寄らず、また『サカダイ』の町に向かった『同志』達とも合流をするなという意味が込められたイダラマの言葉であった。


 コウエンからの返事を待たずにイダラマは踵を返すと、そのまま『妖魔山』の方へと歩き出していく。


 彼はコウエンの無言を承諾の意味だと受け取ったらしい。


 コウエンや『同志』の『妖魔召士』達は、無防備に見えるイダラマの背中を見ても、誰も攻撃を仕掛けるような真似はしなかった。


 どうやらこの場に居る『同志』の『妖魔召士』達は、自分達より遥かな高みに居る『最上位妖魔召士』の『コウエン』が一騎打ちでやられた事で、どう足掻いても『イダラマ』に勝ち目はないと理解をしていたようであった。

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