表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1488/2227

1471.利用価値の有無

※加筆修正を行いました。

 前時代の『妖魔召士』組織に所属していた『サクジ』の扇動により、この場に集まっている『はぐれ』の『妖魔召士』達は、徐々に『サカダイ』の『妖魔退魔師』本部に『同志』の救出に向かおうと考え始めている様子であった。


 この話を持ってきた『妖魔召士』である『ライゾウ』や『フウギ』が事の成り行きを見守っていると、再び『サクジ』が口を開き始める。


「どうやらこの場に居る『守旧派』であった多くの者達が、その志を一つにしているようで安心した」


 サクジはそう言いながら何度も頷き、手を左右に広げながら注目を集めた後に再度口を開く。


「我々が『シギン様』の剣となり盾となって大事な『妖魔召士』組織を守ってきたというのに、あの『妖魔団の乱』以降に『妖魔退魔師』組織と袂を分かつ事になった後に、多くの『守旧派』の同胞達が組織を去ったのをこれ幸いとばかりに『改革派』の筆頭ともいえた『ゲンロク』達は、勝手に我が物顔で『禁忌』と呼ばれた『禁術』を用いるだけに留まらず、勝手に『妖魔召士』でもない者達を『妖魔召士』組織の人間として扱い『退魔組』なるものを組織し、ここまで勝手を働いたゲンロクをお主たちは許せるのか! 挙句に『妖魔山』の管理を渡す事を条件に『妖魔退魔師』組織と陰でこそこそと私欲のために『妖魔召士』組織を利用しようとしているゲンロクをこれ以上のさばらせておくわけにはいかぬと思わぬか! 我らの手で本当の『妖魔召士』組織を正常な道へと戻して『改革派』の毒を取り除くならば、今しかないぞ『同志』達よ! 我らの活動の第一歩としてまずはこの場に助けを求めに来た『ライゾウ』と『フウギ』の『同志』達を『妖魔退魔師』組織から解放し、その勢いのままに反『ゲンロク』派の『妖魔召士』組織を再興しようではないか!! その行動の第一歩こそが、次の正常なる『妖魔召士』世代に繋がる道となる筈だ!」


 どうやら『サクジ』という男の狙いはこの場に集まった多くの『同志』達を使って『ヒュウガ』達のように、新たな『妖魔召士』組織を作ろうというのだろう。


 但しこの『サクジ』と『ヒュウガ』の明確に違うところは、この『サクジ』という男が『エイジ』や前時代に在籍していた多くの『守旧派』側の『妖魔召士』だというところであった。


 先程の演説と同様にその前の扇動ぶりを見ていても『サクジ』は、この場に集まった者達を利用して新たに『守旧派』の『妖魔召士』組織に戻したがっている。


 その先に見据えているのは前時代の長であった『シギン』様を代表とするような『タカ派』の『妖魔召士』が最終目標なのだろう。


 その『サクジ』の考え方が透けて見えた『イダラマ』は、内心で舌打ちをするのであった。


(サクジ殿は『妖魔召士』組織を『保守本流』の流れに戻そうという考えだろうが、今の『妖魔召士』組織には『改革派』の者達が大半だ。それに万が一この場に居る『はぐれ』の者達で上手く『妖魔召士』組織を奪い返せたとしても前時代のように存在感を示す代表を務められるような魅力を持った『最上位妖魔召士』が姿を現さない限りは無意味であろう。一応はこの場に『コウエン』殿の姿はあるが……)


 チラリと自分と共に『妖魔山』へ同行するであろうと考えていた『妖魔召士』の方を見る『イダラマ』であったが、その『コウエン』は腕を組んでサクジの言葉に、好意的な様子で耳を傾けているようであった。


 どうやらコウエンもまた『保守本流』の『妖魔召士』であるために、サクジの演説の内容が何であっても彼にとってこの流れは都合がいいのだろう。


(この『コウエン』殿は『守旧派』の男ではあったが『妖魔山』に因縁を持っていたが故に、一つの『改革』に協力してくれると思い込んでいたが、どうやら見込み違いだったようだ。結局はこの男もまた古き時代の栄光にしがみついているだけの器でしかなかったのだ。ここに集まっている者達は確かに『魔力』に秀でた優秀な『妖魔召士』達ではあるが、最早『シギン』様も『サイヨウ』殿も居ない彼ら『保守派』では、組織の長の座を上手く取れたとしてもすぐにまた分裂して組織を縮小させるのが目に見えているだろう)


 イダラマはどちらかといえば『改革派』の『妖魔召士』ではあるが、別に『ゲンロク』を代表とする今の『改革派』に肩入れするわけでもなく、更には『同志』であるかつての『保守本流』であった『コウエン』の味方というわけでもないのである。


 あくまで『イダラマ』の掲げる『改革』とは『妖魔召士』組織の中での小さな主導権争いを勝ち取る事ではなく、もっと枠組みの大きな『ノックス』の世界というモノを対象に、まさに一石を投じるような『改革』を為したいと考えている為、ここで『サクジ』達が『妖魔召士』組織を崩すためにどう動こうが、彼は全く興味がないのであった。


 この世界の全ての『妖魔』を生み出した『妖魔山』という存在にだけ『興味』を抱いていて、それに利用が出来るか出来ないかでしか彼は価値を見出していない。


 ――それは彼自身がこの場で集めた『同志』達であっても例外ではなかった。

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ