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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

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1468.知識を感覚で理解する魔王

※加筆修正を行いました。

「おい……、ソフィ。お前がこの二つの世界の『(ことわり)』を一つに混ぜて『魔法』として発動可能とするまでに、どれくらい掛かったんだ?」


 どうやらヌーは予想以上に『(ことわり)』違いの『発動羅列』を完成させる事は難しいと悟ったようで、その上でソフィにお前が今の段階までにくるまでに、どれくらい時間を要したのかと尋ねたのであった。


「お主のその質問に答えるのは一言では難しいな……。お主も理解しているだろうが、単に『魔法』を使役するのに必要な『発動羅列』とは、自身の頭で考えた時点である程度の完成を終えている。それを実際に発動させる為に世界に示す必要があり、そこで『発動羅列』を実際に表記させるが、我は『アレルバレル』の世界の『(ことわり)』は従来通りに脳内で考えてそのまま『羅列』表記を行いながら『レパート』の世界の『(ことわり)』を用いて『魔力』を体中に行き渡らせる時の感覚でついでに『アレルバレル』の『(ことわり)』で浮かばせた『発動羅列』をそのまま『レパート』の世界の『(ことわり)』で『魔力』が体中に行き渡っている待機状態で放っているだけに過ぎないのだ」


「それはつまり『アレルバレル』の世界の『(ことわり)』と『レパート』の世界の『(ことわり)』を混ぜ合わせて『発動羅列』を世界に示そうと考えて行うのではなく、むしろこれまで通りに『アレルバレル』の世界の『発動羅列』の生み出し方を用いて『レパート』の世界の『(ことわり)』で待機状態になっている自分の『魔力』を用いて『発動』を意識しているって事か……?」


 この場に居る『(ことわり)』の概念を理解していない『ミスズ』は当然の事ながら、ある程度は『現世』の『(ことわり)』に理解を示している『幽世』の存在である『テア』でさえ、目の前で議論を交わしている『ソフィ』と『ヌー』の話の内容についていけていない。


 『魔』に精通していた希代の大賢者である『ミラ』を総帥とする『煌聖の教団(こうせいきょうだん)』の大幹部として君臨していた大魔王『セルバス』でさえ、()()()()()()()()()()()()()()()()()であった。


(数多の世界の『(ことわり)』を学んできてきた俺は、確かに旦那の理屈に対して理論上の理解は出来る……。そしてそれは俺と同様に『ヌー』も今の旦那の言葉を聞いたことで理論自体は理解出来ているだろう。しかしその理論を聞いたからといって、この『理論』の結論では『はい、そうですか』と実際に行動へは移せない。だが先程の旦那の解説を始める前に『ヌー』が行ったやり方は当然理解は出来るのだ……。あの二つの世界の『(ことわり)』を一つの『発動羅列』に混ぜ合わせてまとめるのだと説明をされたのならば、当然『発動羅列』を世界に示すために脳内で『魔法』として完成させる為に『発動羅列』を浮かび上がらせてから、今度は『レパート』の世界の『(ことわり)』を用いて同様に脳内でこちらも『魔法』として完成させようとするだろう)


 セルバスは真面目に順を追って『発動羅列』を混ぜ合わせる手順を考えていく。


 これはもはや『レパート』の世界と『アレルバレル』の世界の二つの世界の『(ことわり)』を理解していなければついていこれない領域であり、更にその二つの『(ことわり)』を理解している状態でようやくスタートラインとなる。


 これまでの『(ことわり)』と『発動羅列』に対して充分に学んできた『基本研鑽演義(きほんけんさんえんぎ)』の結論が前提で、そこから閃きや感覚といったモノを利用して応用していかなければいけない領域区分なのであった――。


(しかしヌーが失敗したように、従来の脳内で生み出させる『発動羅列』を順序よく並び立てたところで別世界の『発動羅列』が二つ展開されるだけで、それを強引に混ぜ合わせようとしたら『発動羅列』の文字列の中で理路が合わずに『魔法』の失敗の形となって先程の暴発を引き起こしてしまうだろう。旦那は自分でも良く分かっていないが『魔力』自体を吸い取る事は可能となっていると口にしていた。つまり旦那はこの辻褄の合わない理不尽な二つの世界の『(ことわり)』を用いて『発動羅列』を上手く感覚で組み合わせて成功させたということだろうな。旦那自身が上手く説明が出来ないのは当然だ。多分これは旦那もやり方自体を感覚で理解しているだけであって、それを他者に同じようにやってみろと、道順を示すような事が出来ているわけじゃない。これは過去の『ミラ』様がエルシスの使っていた過去の『神聖魔法』の『発動羅列』を組み替えた後に我々に教えてくれた時の事に類似している。いや、類似どころか酷似といってもいいだろうな。ミラ様は直ぐに使えなかった我々を見て『何故、こんな簡単な事が出来ない?』とばかりに首を傾げていたが、そこにある『知識』を頭で理解するより先に『感覚』で理解出来る者には、その10を知るまでの過程、道順や筋道といった『理解』に至る境地に開きがあるんだろうな。こんなモン『ヌー』には悪いが『()()()』な『()()()』に居る俺やヌーが直ぐに出来る技術じゃねぇわ……)


(※この時のセルバスは自分やヌーを『一般的な枠組み』と胸中で呟いたが、彼らも『魔』に精通する大天才であることは間違いなく、あくまでこの感覚で不可能を可能とするソフィが『一般的な枠組み』から逸脱した存在だと表している)


 ――つまりこういった分野でさえ大魔王『ソフィ』は化け物なのだと、強引に理解させられた大魔王セルバスであった。

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