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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
大魔王の軍勢編

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141.配下としての矜持、目標となる者の矜持

※加筆修正を行いました。

 ケビン王国に迫る脅威を『ベア』や『ロード』達が防衛についた事で脅威を退け始めた頃、サシスのギルド長『クラッソ』達が居る王国の首都『サシス』の町にも多くの『ラルグ』魔国の魔族達が流れてきていた。


 クラッソ達は防衛にあたるために、クエストに参加している冒険者達とソフィ達の配下と共に共同戦線を行っていた。


 当初は魔物達であるソフィの配下達を見て攻撃を加えようとしていた冒険者だったが、リディアが制止をするように、()()()()()()()()()()と口で説明をした事であっさりと冒険者達は納得をして見せた。


 あまり人の話をすんなりと信用しない冒険者ギルドの頑固な冒険者達だったが、大陸最強の剣士リディアの言葉であれば、それは何よりも勝る言葉のようだった。


「俺も屋敷の方へ行きたかったがな……」


「ソフィ様の戦いの邪魔をしてはいけませんよ」


 流れてくる魔族達を屠りながら、ラルフは返事をする。


「お前も前にあった時よりは強くなっているようだが、アイツを越えようとしているのか?」


 二人は会話を交わしながらも『ラルグ』魔国の魔族を倒していく。


 この場にリディアとラルフ以外にも勲章ランクAのスイレンを始めたとした、ギルドの高ランクの冒険者も居るが、それでもソフィの配下の魔物達と冒険者達が協力をしてようやく『ラルグ』魔国の魔族達と戦えている状態である。


 しかしラルフやリディアは自分達の力だけで、あの『魔族』達を討伐していくのである。


 それだけで十分に驚嘆に値する出来事だというのに、戦いながら質問したり答えたりと会話を挟んでいるのだから、どれだけこの状況で余裕があるのだと驚くのであった。


「そうですね。ソフィ様が望まれている以上は、それに応えるのが配下の私の役目だとは思いますが……」


 ラルフは一度言葉をきって、その後リディアに軽く殺気を向けて口を開いた。


「私としてはソフィ様よりも先に、貴方を越える事が先でしょうか」


 殺気を向けられたリディアは静かに笑みを浮かべた。


「まぁそれも悪くはないが、それならば死に物狂いで鍛え上げる事だ」


 そして今度はリディアがラルフに対して、そのラルフ以上の殺意を向けるのであった。


「貴様の主であるソフィは途方もない程の先を歩いている。そんな奴に俺は死に物狂いで追いつこうとしているのだ」


「ぐ……っ!」


 リディアの殺意は生半可ではなく、重圧となってラルフを襲う。


「そんな俺を越えようというのであれば、死に物狂いで追いかけて見せろ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」


 どうやらリディアは、自分を追いかけてくる者の存在をここで認めたようである。


 そしてそんな後継と呼べる者に対して、自身が『レルバノン』に試された時と同じ事を『ラルフ・アンデルセン』にしてみせるのだった。


 ――それもこの魔族達との戦いの最中(さなか)にである。


 恐ろしい程の重圧をかけられた状態のラルフに()()()()()()()()()と認識をした魔族達が、複数で『ラルフ』に襲い掛かっていく。


 その様子を試し見るように手を止めたリディアは、ラルフに身体を向けて見守る。


 戦力値800万を越える『リディア』の殺意の重圧をその身に受けてラルフは――。


 ――迫りくる三体の魔族の首を同時に刎ねてみせるのだった。


「私はソフィ様の第一の配下になる者です! 必ず貴方も越えてみせる!」


 そして叫ぶようにラルフはリディアに決意の言葉を放ったかと思うと、やがてその場で気を失ったのだった。


 ――リディアは()()()()()()()()が、甘くない事を誰よりも知っている。


「……ククッ! やるじゃないか、僅かだが楽しみが増えたな」


 残っている魔族達の凡そ100体程が一斉に、意識を失いフラフラと倒れそうになっているラルフに襲い掛かっていく。


 リディアは倒れそうになるラルフを守るように前に立ったかと思うと、両手に『柄のない二刀の光輝く刀』を具現化させた。


 その後の光景を周りで見ていたリーネやスイレン、そして多くの冒険者は忘れないだろう――。


 リディアの手元が光り輝いたかと思うと、一瞬で姿が見えなくなる。


 ――次の瞬間。


 100体以上の戦力値300万を越える魔族達が一斉に、十字に斬られて絶命するのだった。


「お前の目標となる以上は俺もまた、()()()()()()()()()()()()()?」


 リディアは倒れているラルフを両手で担ぎあげた後、気を失っている『認めた男(ラルフ)』にそう告げながら優しく微笑むのだった。

※今回の事でリディアは、今まで以上にラルフという男を認めたようです。


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