表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
イダラマの同志編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1451/2228

1434.興味を失った者の目

※加筆修正を行いました。

 妖魔退魔師の本部の『シゲン』の居る部屋では『交渉』を行ったイツキが、シゲンと再び交戦を始めていた。


「ば、化け物め……!」


 しかし『金色の体現者』同士にして『瑠璃』と『金色』の二色の併用を行う者同士であっても『シゲン』と『イツキ』には、誰がどう見ても埋められない差というものが存在していたのであった――。


 すでに戦闘によって全身がズタボロの状態の『イツキ』と、無傷のままで片膝をついているイツキを見下ろす『シゲン』。


「もういいだろう? お主が『仲間』に対して思う気持ちが本気だという事は伝わったが、我々は『ヒュウガ』殿をお主に殺させるつもりはない。そしてここまで戦った事で私はお主の『力量』というモノを完全に把握した。残念だが、今のお主ではこの私に勝つどころか本気を出させることも出来はしないだろう。もう諦めたらどうだ?」


 シゲンはそう告げると刀に宿している『瑠璃』のオーラを『天色』のオーラに変えるのだった。


「ふんっ……! 冗談じゃない、諦めろだと? トウジの仇を討てるのが俺以外に誰が居るっていうんだ! ヒュウガは俺を誘い出す為に、アイツを利用した挙句に用が済んだらぼろ雑巾のように扱い殺しやがった! あ、あいつに『煌鴟梟(こうしきょう)』を託したのは俺だ。そしてその俺のせいでアイツは利用されて殺されたんだ……! ゆ、許せるはずがないだろうが!!」


 自分以外にアイツの仇を討てる奴はいないと、そう啖呵を切って『イツキ』は両の腕に『魔力』を伴わせる。


 ――僧全捉術、『』。


 それは『魔力』を波状に放出する『魔波空転(まはくうてん)』と呼ばれる『最上位妖魔召士』達が使う捉術に近いものであったが、当然『イツキ』はそんな『捉術』の存在を知らず、自分が思い描いた新術のようであった――。


 当然シゲンも初めて見る『捉術』に僅かにそちらに意識を向けられたが、静かに『瑠璃』で纏わせた刀の切先を向けると、何やら静かに呟き始める。


 次の瞬間、シゲンに向かっていった『イツキ』の捉術の魔力圧のようなモノが、そっくりそのままの速度で術者のイツキに向かっていくのであった。


「ま、またかよ!!」


 すでにここまで何度もあらゆる攻撃をシゲンに向けて行っているイツキだったが、その全てが『遠距離』『中距離』のモノであろうが跳ね返されているのであった――。


「くっ、くそっ!!」


 イツキが前転しながら自分の『捉術』の魔力圧のようなモノを回避してみせるが、身体を起こした目の前にはすでにシゲンが刀を持ってきていた。


「諦めろ。お前では()には勝てぬ……」


「だ、誰が……っ!?」


 イツキの目の前に居る『シゲン』を睨みつけようと目線を上げたイツキだったが、そのシゲンの目を見た瞬間にイツキは息を呑んで背筋を凍らせた。


 イツキを見下ろす彼の目は、まるで興味を失った者に対する失望がありありと表れていた。


 しかしこれ以上攻撃に踏み切ろうというのであれば、その時はもう容赦はしないと彼の冷酷な目を『イツキ』は感じ取ることが出来たのであった。


 これまでイツキとて『煌鴟梟(こうしきょう)』のボスとして、そして『退魔組』の頭領補佐の立場で数多くの『退魔士』やあらゆる権力者に力を有する者たちをその目で見てきたが、この目の前に居るシゲンはその誰よりもどす黒い目をしていた。


 あの『ソフィ』という化け物も恐ろしいと感じたイツキだが、このシゲンもまたその『化け物』に負けず劣らずの『化け物』だと感じ取ったようである。


「ふっ、まぁいい。どちらにせよ、ここまでのようだからな」


 そういってシゲンが視線をイツキから部屋の入口の方を向けると、刀に纏わせていた『青』のオーラを消して腰鞘に戻すのであった。


 イツキも釣られるように視線を入口に向けると、そこにはソフィやヌー、それに妖魔退魔師の副総長の『ミスズ』の姿があった。


「ば、馬鹿にするなよっ! 勝手に終わらせてんじゃねぇっ!!」


 イツキはソフィ達に向けていた視線をシゲンに戻すと、再び『金色』を纏い始める――。


 そして右手に『瑠璃』のオーラを纏わせると、可視化出来る程の『魔力』を込め始めるのだった。


 ……

 ……

 ……

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ