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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1445/2238

1428.信奉する者の為に

※加筆修正を行いました。

 イツキの『交渉』によって『妖魔退魔師本部』の『牢』を出た後に『ミヤジ』は『ユウゲ』とは別の部屋へと移されていたが、今後の説明を受けて部屋を出ると『ユウゲ』や『退魔組』の者達も妖魔退魔師達に連れ出されて廊下を歩いていた。


 『旅籠町』で捕縛されていたミヤジは『ヒュウガ』の計画に利用されて彼ら『ヒュウガ』一派と行動を共にする事になったが、そのおかげでケイノトの町で『イツキ』と再会する事が出来たのである。


 その後『ヒュウガ』達は捕縛されてしまい、ヒュウガに連れ出されたとはいっても脱獄したことには変わりなく、ミヤジ『煌鴟梟(こうしきょう)』の一件で再び『牢』に連れ戻される事となった。


 しかしそれも現在ではイツキの『交渉』によって、ミヤジも『退魔組』と同様に妖魔退魔師の監視下ではあるが、外に出ても許される事となった。


 どうやら脱獄した後に『ヒュウガ』と共に行動をせずにいたことが酌量の余地有りとなったのだろう。


 もしあのまま『ヒュウガ』と共に行動を続けていればイツキの『交渉』があったとしても、僅かに罪が軽くなるだけで外に出られる事はなかったに違いない。


 そんなミヤジだが、最初に『自由』になれると説明をされた時は断ろうとしていた。


 彼もまた『ユウゲ』と同様に『イツキ』の元を離れるつもりがなかったからである。トウジが『煌鴟梟(こうしきょう)』の二代目になった時にミヤジは決心をしたことがある。


 それはやはり『イツキ』の元に戻るという決意であった。


 彼の元を離れて『自由』を得たとしても『成功』する未来図が描けなかった。


 彼の夢は一流の『商人』になる事であるが、その成功を掴む為には自分一人の力では難しいという事に気づき、そしてその夢を叶える為には、彼の信奉の対象者である『イツキ』の存在が必要不可欠だと認め納得したのであった。


 彼の目指す『商人』の『商才』だけを見るのであれば、二代目『煌鴟梟(こうしきょう)』のボスの座に就いた『トウジ』でも悪くない相手ではあっただろう。


 むしろその『商才』は『イツキ』よりも優れていると彼の信奉する『イツキ』自身が認めている事でもあった。


 だが、それでも彼の求める『成功』を求めるのならば、イツキの元なのだと彼自身は判断したのであった。


 それを間違っていると指摘する者も居るかもしれないが、そんな事はミヤジには関係がない。彼自身がイツキ以外の者に付き従っても納得することはないと、彼自身が自覚して結論を出したのである。


 そんな彼は今後もイツキの元を離れるつもりはなく、他でもない『イツキ』の『交渉』で『自由』を得る事を可能とした『ミヤジ』だが、このまま妖魔退魔師のこの場に『残る』か『出る』かの二択には『出る』という結論を下した。


 ――その理由とは、このまま何の力も持たない自分がイツキの元に残ったとしても結局は無意味だと自認していたからである。


 そんなミヤジという男は、イツキを信奉するもう一人の男を頼る事にした。


 同じ『煌鴟梟』の幹部として長く過ごしてきた『サノスケ』ではなく、全く職業も年齢も違う『退魔組』という全く自分の生きてきた世界とは違う『退魔士』という職業の『ユウゲ』である。


 ミヤジはユウゲとはそこまで親しかったわけでもなく『煌鴟梟(こうしきょう)』という組織を抜けた『イツキ』が『退魔組』に入った後に知り合い、数回程会った事がある程度の間柄であった。


 しかしその『ユウゲ』とは『旅籠町』を脱獄した後の『ケイノト』での生活で『イツキ』という存在を通して接した中で自分と同じく『イツキ』に対して『同類』の感情を有していると理解したのであった。


 自分が退魔士になれる程に『魔力』を持っておらず、当然『退魔組』に属する『ユウゲ』がどれ程の立場出会った存在なのかを知っているわけでもない。


 しかしそれでも彼は自分一人でイツキを取り戻すという荒唐無稽な未来絵図を描くよりは、ユウゲという退魔組の退魔士と手を組んだ方が、()()()()を完成させられると判断したようであった。


 そんな彼はこれから未来を掴む為に『ユウゲ』と共に行動し、本当の意味での『自由』を得るために『イツキ』を取り戻すために画策する事となるのであった――。

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