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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1419/2238

1402.新たな死神貴族

※加筆修正を行いました。

 ――ヌーとチアキの戦いが唐突に空の上で始まった頃。


 チアキの声で慌てて『式』の妖魔から飛び降りようとしていた『キネツグ』の首をテアは、器用に鎌で傷つけないようにひっかけると、空の上を強引に移動させて連れていく。


「なっ……、なぁっ!?」


 小柄で桃色の髪を二つに束ねている『死神』の存在に拉致をされて、何がなんだか分からないといった様子で素っ頓狂な声をあげる『キネツグ』だった。


 そして最初に居た『セルバス』達の場所からも『ヌー』達の場所からも邪魔が入らない場所にまで移動を行った『テア』は、そこでようやく『キネツグ』を解放する。


「くっ! 良く分からねぇが、てめぇらも妖魔退魔師共の仲間なんだろ? だったら容赦はしねぇ!」


 降り立った地面の上で『キネツグ』は懐から一枚の『式札』を取り出すと、その場で放り投げた。


 【妖魔:鬼人 戦力値:2200億 ランク:4】。


 キネツグを守り立っているこの妖魔は『人型』を取っているが、その正体は『鬼人』の妖魔であった。


 キネツグが使役したこの『式』は、元々『チアキ』の『式』の妖魔だったが『ケイノト』の町で借り受けてから、彼の魔力が戻るまでという条件で、この妖魔を使役させられてる状況となっていた。


 その事を了承している『鬼人』の妖魔は、どうやら『チアキ』に対して相当に忠誠心を抱いているようで、自分の本来の契約者ではない『キネツグ』に対しても『チアキ』の仲間だという事を理解して、一定以上の信頼関係を築いているようであった。


「――」(感じられる『力』から省みるに、あの頃の『アイツ(ヌー)』と同じくらいか? いいぞ、私がどれだけ強くなったかを試すには申し分ない相手だ!)


 この世界の言語ではない言葉で話す『テア』は、上機嫌で意気揚々と大きな鎌を器用に回し始めると、更に『魔力』を開放するのだった。


「――」(お前ら、こい)


 そして『テア』の魔力と言葉によって、この場に三柱の『死神』が出現を始める。


 【死神貴族 名前:パーミスト 戦力値:1400億】。


 【死神貴族 名前:ナイトメア 戦力値:1350億】。


 【死神貴族 名前:トワイライト 戦力値:1300億】。


 呼び出された『死神』達が幽世から現世に姿を現すと、一斉に『テア』に向かって跪いた。


 この死神たちはそれぞれが『死神貴族』であり『死神公爵』である『テア』の忠実な配下でもあった。


「――」(我々全員を呼ばれるとは珍しいですね)


「――」(どうやら強い力を持った者達が数多く居るようですが、先だっては眼前の者達を相手にしろという事でしょうか?)


「……」


 死神貴族の『ナイトメア』と『トワイライト』が口々に喋りだし、もう一柱の『パーミスト』は無言で視線だけを『テア』に向けていた。


「――」(まぁ、敵である事は間違いないんだがな。あの『妖魔』とかいう頭に角の生えた奴は私が相手をするから、お前らはその後ろの人間が逃げないように見張っていろ。間違っても殺すような真似はするなよ?)


「「――」」(御意!)


 …………


「な、何だ……? あ、あいつも『妖魔召士』だったのか?」


「キネツグ殿。今の自由に動ける内に我が主の元へ向かわないか? あの連中が何者なのかは存ぜぬが、全員が無視が出来ない実力者の匂いがする」


 呆然としていた『キネツグ』に対して、チアキの『式』がこの場から離れようと提案するのだった。


「あ、ああ……! 今の俺はお前だけが頼りなんだ。魔力がいつ戻るか分からないからな……。いう通りにしよう!」


「そうか! よし、では直ぐに移動を……!?」


「――」(残念だが、逃さねぇよ!)


 キネツグがあっさりと提案に乗ったことで鬼人は、チアキの元へキネツグを乗せて移動をしようとしたが、そこに自分の背丈より大きい鎌を持った『テア』が現れて、その大鎌を振り回して妨害を始める。


「ちっ!」


 慌ててキネツグを守ろうと鬼人が動きを見せると、その背後から『死神貴族』達もまた姿を現す。


「キネツグ殿!」


「――」(お前の相手は私だ!)


 背後に現れた死神たちの元へ動き出そうとした鬼人に、テアが襲い掛かった。


「くっ……!」


 テアの大鎌を鬼人は自身の腕の固い皮膚で防いだが、その間にも『キネツグ』が死神達の手によって、その場から離されていくのを尻目に悔しそうな声をあげるのだった。


「――」(てめぇが私に勝てたら、お前の仲間を無傷で解放してやるよ!)


「くそっ、何言っているか分からねぇよ!」


 テアが何かを呟きながら笑みを浮かべたが、その笑みを向けられた鬼人の妖魔は意思の疎通ができないために煽られたと勘違いして、徒手空拳でテアの大鎌を弾き返すのだった。


 ……

 ……

 ……

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