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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1405/2227

1388.待ち受けていたのは、居る筈のない者達

※加筆修正を行いました。

 先程『ジンゼン』の魔力が感知出来なかった『ヒュウガ』だったが、今度は『スオウ』の魔力を感知することに成功して頭を振るのだった。


「俄かには信じられぬ事だが、王連とジンゼンは『スオウ』殿に敗れたみたいだな……」


 ヒュウガの言葉を聴いた『キクゾウ』もまた、スオウの居る場所周辺の『魔力』を探知し始めるのだった。


 そしてヒュウガが感知したのと同様に、キクゾウもスオウの魔力を感知した後に、ジンゼン達の魔力が感知出来ない事に気づいたようだった。


「仕方あるまい。このまま森を出て我々は『コウヒョウ』の町で少しの間だけ身を隠すぞ」


「ま、待ってください。わ、我々だけで向かうおつもりですか!? ま、まだこの森には我らの同志が多く残って……」


「それも仕方がないだろう! 王連を倒すような『組長格』に、そこに居る『黄雀(こうじゃく)』の片腕を奪うような妖魔退魔師に、副総長の『ミスズ』殿までもが血眼になって私たちを探しているのだぞ!? ここで悠長に待っていたら、今度こそ全滅だ!!」


 ぴしゃりと言い放ったヒュウガは、ここに来た時とはまるで人が変わったかのようだった。


「わ、分かりました……」


 キクゾウにも当然思うところはあるようだったが、信じてついてきた主である『ヒュウガ』の決めた事に対して、逆らうまではするつもりはないようで、仕方なく頷いて見せるのであった。


「よし、そうと決まれば早速ここを出るぞ?」


「はい……」


 釈然とはしないモノの『キクゾウ』は、ヒュウガの言葉に首を縦に振って頷くのだった。


 そして『ヒュウガ』『キクゾウ』『黄雀(こうじゃく)』の妖魔を含めた妖魔召士二名が洞穴を出た時――。


 ――居る筈のない者達がそこに立っているのであった。


「な? 言ったとおりだったろう」


「そのようですね。といっても私は最初から貴方がたを疑ってはいませんでしたが」


「ふんっ……」


 ――ヒュウガ達が洞穴を出たところに居たのは『ヌー』達であった。


 まさか誰も居ないと思って出てきたところに『ミスズ』の姿があった為に、ヒュウガ達も流石に目を丸くして驚く。


「――」(こいつらを全員やっちまえばいいんだな? ヌー)


「ああ、面倒くせぇから皆殺しにしろ」


「ま、待ってください。使役されている『式』に関してはお任せしますが、残りの『妖魔召士』達はしっかりと生かしたまま捕らえるようにご協力願います」


「ちっ……! 人間の方は殺さずに捕まえろだとよ」


「――」(ああ。分かった)


 ヌーは渋々とテアにミスズの告げた言葉を通訳すると、直ぐに戦闘に入れるようにオーラを纏い始める。


 かつて誤ったオーラの発動の手順を踏んで手痛い思いをしたヌーは、まず最初に『青』から用いて防御力を取りつつも『魔瞳(まどう)』である『金色の目(ゴールド・アイ)』を発動させながら、周囲に『スタック』の準備をさせている。


 そしてヌーが『妖魔退魔師』の本部の建物の中で語ったように、三色併用を纏うために必要な『紅』の比率をいつもの1.2から1.7へと変えたかと思うと、一気にヌーは『三色併用』状態へと変貌を遂げた。


 ――確かにヌーの発案は正しかったようで、僅かな差ではあるが普段の時よりも纏うまでの時間が短縮されていたようであった。


「さ、さっさとこの場を離れるぞ! 後の者達も面倒そうだが、そんな者達よりも『ミスズ』殿が居る以上は、まともにやりあうわけにはいかぬ!」


 ヒュウガはそう言うと懐から『式札』を取り出して、あっという間に『鳥』の妖魔を使役し始めて空へと舞い上がるのだった。それを見た『キクゾウ』も慌てて『黄雀』に掴まって空へと上がっていく。


「くっ……! 逃すわけには!!」


「安心しろ。俺は逃さねぇよ」


 ようやく見つけたヒュウガが、このままでは再び手の届かない空の上へと逃げられると焦ったミスズだったが、行動を起こそうと動き出す直前にヌーに止められるのだった。


「し、しかし……! え?」


 ――次の瞬間。


 急激に空の色が変わり始めたかと思うと、空へと舞い上がっていった二人に向かって雷光が降り注いだ。


 ――魔神域魔法、『天雷一閃(ルフト・ブリッツ)』。


 ……

 ……

 ……

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