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最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

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1392/2227

1375.強かな王連

※加筆修正を行いました。

(さて、ひとまず彼を上手く煽って『術』を使わせる方へと誘導は成功したようだけど、ここからが肝心だ。あの天狗の『神通力』が何処までの範囲距離なのか。それを確かめる必要がある)


 実は王連が地上で『神通力』を用いるのならば、スオウは王連に告げた通りに難なく対処を行えると考えているが、実際には空の上に居座り続けられながら『術』を使用をされると、空を飛べないスオウでは防戦一方となってしまう事が予想される。


 一番いいのはスオウの挑発に乗って、地上まで降りてきたところを『後の先』を狙って仕留めきることであるが、流石にランク『7』から上であろう『王連』はそこまで甘くはないであろう。


 ひとまずは『空』の上からの『術』に対してスオウ自身がどれだけ回避を行えるか。それを見極めようというスオウであった。


「行くぞ……」


 王連がそう呟いて煌々と『魔力』の光を放つヤツデの葉の形をした羽団扇(はうちわ)を振りかざすと、突風が突如として発生して吹き荒れ始める。


 その突風は地上にいるスオウ目掛けて迫っていくのであった。


「そっちか……!」


 王連が彼の挑発に乗って、動きを止める『神通力』の方を使ってくると考えていたスオウだったが、実際に使われたのは『風』の方であった。


「カッカッカ! どうやら狙いが外れたようだな、人間?」


 次々と安全地帯の空の上から『羽団扇』で『風』を生み出して放ってくる王連は愉快そうにそう告げるのだった。


「君は強かなんだね? もっと直情的な性格をしていると思ったけど、案外そうでもないのかな?」


 スオウは器用に次々と放ち続けられている『王連』の魔力が込められた『羽団扇』からの突風に、回避を繰り返しがら言葉で返すのだった。


「カッカッカ! 儂は『妖狐(ようこ)』や『(ぬえ)』どものように甘くはないといったではないか!」


 スオウの挑発に乗る素振りを見せながら、あえてスオウに『神通力』を使用するだろうと意識をさせたところに、全く違う攻撃手段を用いて態勢を崩すような攻撃を重ねてくる王連であった。


「そう上手くはいかないか……」


 スオウは独り言ちながら森の中の木々の間ををジグザグに駆けまわる。


 どうやら彼は少しでも『王連』の魔力を削ろうと地上で苦肉の策をとることにしたようである。


「先程までの強気の発言はどこに行ったのだ? そんな消極的な作戦をとったところで儂は倒せぬぞ人間。お主と同じ『組長格』とやらの女子はもっと見事な動きを見せてくれたものだが、お主はその程度なのか?」


 安全地帯の空の上から『羽団扇』を使って次々と攻撃を繰り出しながら王連は、先程の意趣返しとばかりに愉快そうに笑いながら『スオウ』を煽ってみせるのであった。


 もちろんスオウも火力の規模は違うが『キョウカ』のように連続で大太刀からの衝撃波を放つことも出来るし、先程の『ナギリ』のように、この風の気流を利用して『空』の上に舞い上がっていき、王連を間合いに入れての一太刀を浴びせる可能性を作ることもできるだろうが、それは当然『王連』も考えている事だろう。


 自身の攻撃を利用されて痛い目を見た事がある以上は、そう何度も同じことを繰り返すわけにはいかないだろうし、そこまでこの天狗の王連は馬鹿ではないとスオウは考えているのであった。


(あの天狗は大きな力を持っていてもそれだけに頼るわけでもないし、こっちの挑発にも乗る振りをして利用もしてくる。多分こっちが『神通力』の効果範囲を探ろうと考えている事を知っている上で、あえてこういう攻撃をとっているんだろうね。やれやれ……。これだから天狗のような知能の高い妖魔と戦うのは嫌なんだよね)


 恐ろしい殺傷能力を有する『風』が次々と地上に居る『スオウ』に向けて放たれ続けている。


 まだスオウは回避を続けられてはいるが、いつまでもそれが続けられるとは限らない。


 そして一度でも『風』に囚われてしまえば、それを待っていたとばかりに今度こそ、あの天狗は『神通力』を使ってスオウにトドメをさすために使用を行うだろう。


「こうなったら、もう仕方ないか」


 王連の攻撃を回避しながらもスオウは、何かを諦めるように溜息を吐くのであった。


 ……

 ……

 ……

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