表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強の魔王が異世界に転移したので冒険者ギルドに所属してみました。  作者: 羽海汐遠
サカダイ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

1361/2242

1344.想定外の出来事と焦燥感

※加筆修正を行いました。

「どうやら不意を突こうとした者の攻撃は失敗に終わったようです」


「やはり『妖魔退魔師』達は、馬鹿正直に攻撃を仕掛けてくる『妖魔』とは違って、一筋縄では行かないようですねぇ?」


 ヒュウガが潜伏している森の奥側にある洞穴の中で、一派の妖魔召士が戦っている様子を『鳥類』の『式』を用いて偵察していたキクゾウだが、奇襲が失敗した事を悟りこのヒュウガの元に報告にきたようだった。


「それと空から見ていた『式』からの報告で分かった事なのですが、奴らは適当に少数部隊を作って行動をしているわけではなく、分けた部隊と一定の距離を保ちながら前進を続けて我々を探している様子でした」


「それは厄介ですねぇ。どうやら一箇所に固まって行動すれば、こちらの使う『捉術』で一網打尽になるという事を理解している者が作戦を指揮しているのでしょう。そもそも『ミスズ』殿がこの場で指揮を執っているのですから、それくらいの指示は当たり前でしょうね」


「ええ。彼女の事ですから、当然こちらにもその意図を知られているという事も分かっているでしょうね。それを踏まえてこちらがどう動くかを模索までしているかもしれません」


 妖魔退魔師の当代の副総長『ミスズ』は、先代の副総長とは強さも知性の高さも比べ物にならない。

 当代の『妖魔退魔師』の総長が『シゲン』という男でなければ、この現場に姿を見せている『ミスズ』が総長という立場に居てもおかしくはなかった筈である。


 その事は組織の違う『妖魔召士』に居たヒュウガやゲンロクも当然理解している事であった。


「しかし困りましたね。まだイツキ達は姿を見せていませんか? 貴方の『式』はちゃんとイツキに伝えたのでしょうね?」


「は、はい! 『黄雀(こうじゃく)』に行かせたので間違いなく伝えられた筈です。それにまだ『サテツ』殿も姿を見せていませんし、もしかすると『ケイノト』で何か思わぬ事態が起きているのかもしれません……」


「貴方も何を悠長に言っているのですか。この場に居る事が『妖魔退魔師』達にばれているという事は、早くこの危機を脱しなければ、次から次に不利な立場へと追いやられていくのですよ?」


 ヒュウガが普段通りに喋っているように見えて、内心では相当に焦っているという事をこの時にようやく『キクゾウ』は理解して、これは本当にヒュウガの思惑通りというわけではなく、危機的状況なのだという事をようやく知って焦燥感に駆られ始めるのだった。


「いいですか? ジンゼンに直ぐに『王連』を使役するように告げてきなさい。ひとまず誰でもいいですから、奴らの隊士を数人戦闘不能にさせなさい。奴らも大きな被害を出せばおいそれと余裕を持って探す事は出来なくなるはずです」


「は、はい! 直ぐにジンゼンに伝えて参ります!」


 そう言ってキクゾウはジンゼンに伝えるために、別の洞穴に向けて走って出て行くのだった。


「これはまずいですよ。イツキがこの時点でまだ合流出来ていないというのは、想定していませんでした。それに何故奴らはいきなり『加護の森』に現れたのでしょうか? まさかとは思いますが『イダラマ』が裏で手引きしている何て事は……、いや流石にそれは有り得ないでしょうね」


 ヒュウガは同じく『妖魔召士』組織を抜けて活動を続けている『イダラマ』が何らかの形で『妖魔退魔師』に接触して、自分達を貶めようと行動をしているのかと少しだけ思案したが、彼は常に居場所を割り出されないように『結界』を施していたし、そもそもイダラマ達が自分達を妖魔退魔師組織に売るような真似をしたところで、何のメリットがあるのだと考えて可能性を消すのであった。


(やはりこれは、あの里に現れた魔族とか言っていた連中の所為でしょうか? そういえばキネツグ達に出した命令も成し遂げられなかったようですし、あの連中を早急に始末出来なかった事が悔やまれますね……)


 ヒュウガはゲンロク達の居る『妖魔召士の里』に現れたソフィ達の姿を思い出しながら、全く忌々しいとばかりに舌打ちをするのだった。

『ブックマークの登録』や『いいね』また、ページの一番下から『評価点』を付けていただけると作者のモチベーションが上がります。宜しければお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ